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笑顔さわやかアナが三重・志摩市安乗の『きんこ』を調査! 日本古来の製法で作られるオレンジ色の干し芋。

笑顔さわやかアナが三重・志摩市安乗の『きんこ』を調査! 日本古来の製法で作られるオレンジ色の干し芋。

その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。

CBCテレビ『チャント!』いただきます!ほぼ地元だけ 愛されFOOD

今回は、『三重県志摩市』の『安乗(あのり)地区』です。伊勢えびや的矢かきと並ぶ、三重のブランド食材“あのりふぐ”の産地の愛されフードは『きんこ』です。

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情報を求め、聞き込みをすると、志摩市の安乗では専用の芋を使った地元独自の製法で作られる干し芋を『きんこ』といい、鮮やかなオレンジ色が特徴で、『上田商店』という専門店があるとのこと。

松本アナは、国の登録有形文化財の“安乗埼灯台”のすぐそばにある『上田商店・灯台カフェ』へ。出された『きんこ』は色鮮やかなオレンジ色の干し芋で、「お芋の上品な甘み。真ん中に近いほどモッチリしていて、外側の方は食感がある」と味わいます。

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原料は、一般的なサツマイモとは見た目も違う『隼人芋(はやといも)』という品種。大昔からある鹿児島県のサツマイモの在来種で、志摩に伝わり栽培するようになったとか。

志摩沖は荒波がぶつかる海の難所で、一説によると、江戸時代に九州からの貨物船が難破し、それを助けたお礼として、積んでいた隼人芋を安乗の人々に分け与えたことにより伝来したとのこと。隼人芋は皮をむくと白っぽいですが、茹でると見事なオレンジ色に。この色が最大の特徴で、別名は「ニンジン芋」と呼ぶそうです。干す前の「隼人芋」は、そのままでもとても甘くやわらかな食感。

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一般的な干し芋と比べると、色はバナナとマンゴーほどの色の違い。食感は、隼人芋を使った『きんこ』の方が水分量が高いためか、ねっとりとした反発力があります。

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干し芋の作り方の主流は、まずイモを蒸してから皮をむいて切り、天日干しをする「蒸し切り干し(むしきりぼし)製法」ですが、『きんこ』の場合は、先にイモの皮をむいて、大鍋で煮詰めてから冷まして切り分け、天日干しをする日本古来の製法の「煮切り干し(にきりぼし)製法」で作られます。『きんこ』のことを「煮切り干し」を略して、「にっき」という呼び方もするそうです。そもそも『きんこ』という名は、志摩では干したナマコのことを“きんこ”といい、芋を干している様子がそれに似ていたことからだとか。

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安乗で冬場のおやつとして昔から家庭で作られていた『きんこ』を、志摩市で初めて商品化したのが上田商店の2代目。この地域では当たり前の呼び方ですが、他では『金庫』と間違われるため、新たに『きんこ芋』と名付けました。現在は、4人の子どものうち、次女がカフェの店長&パティシエとして、この干し芋を使ったスイーツ作りを担当。

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そして、末っ子の次男は3代目として、隼人芋の栽培から加工までの全てを担っています。実は、レコード会社と契約しているロックバンドのドラマーという別の顔も。「親孝行をしたい」という思いで、姉弟で守り継ぐ、志摩市安乗の愛されフードでした。

(1月20日(金) CBCテレビ「チャント!」より)

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