The Beatles 来日50周年に想う「Love&Peace」

後藤克幸

2016年6月27日

1966年6月29日。
CBCが招へいしたビートルズが羽田空港に到着。
4人は、はっぴ姿でタラップを降り笑顔でファンに手を振った。

7月2日の帰国まで5日間の短い滞在中、
日本武道館で5回のライブコンサート。

来日記者会見の記録を改めて読んでみて、
興味深いやり取りに気づいた。
(記者)あなたたちは、すでに名誉と財産を得たと思いますが、
        次は何を望みますか?
ジョン;平和。
(記者団が爆笑)
ポール;ぼくも、平和。
ジョン;平和 と・・・
ポール;平和 と・・・
ポール;原子爆弾を禁止しようよ!
ジョン;そう、原子爆弾の禁止!
というくだりが記録されていたのだ。

記者が「名誉と財産を手に入れたあなたたちは、次に何を望むの?」と
質問したのに対して、ジョンが「PEACE!」 と答えたとき、
記者団から大きな笑いが起こった。

質問の趣旨とその場の空気から考えると、
記者たちは、おそらく「PEACE!」という言葉を
「静かな生活(を送りたい)!」という意味に解して、
そのユーモアに思わず爆笑したのだろう。

でも私は、
ジョンとポールは、そういう意味も込めたかけ言葉として「PEACE!」と
ユーモアをこめて答えたけれども、実は、
大真面目に「平和!」と言いたかったのでは、とも思う。

その根拠は、
二人は即座に、「PEACE and・・・」と続けて、
ポールが示し合わせたように「原子爆弾を禁止しよう!」と発言。
さらに、同じ記者会見の中の別の質問では、
こんなやり取りもあるからだ。
(記者)ベトナム戦争について関心はありますか?
ジョン;毎日そのことを考えているよ。
        この戦争には賛同できないし間違っていると思う。

ビートルズの来日は、1966年。
翌1967年に「All You Need Is Love(愛こそはすべて)」を発表。
1968年には、ジョージ・ハリスンも、
彼の出世作でエリック・クラプトンとレコーディングで共演した名曲
「While My Guitar Gently Weeps」で反戦へのメッセージを歌った。

ビートルズは、1966年6月29日の来日記者会見で、すでに、
「Love and Peace」のメッセージを私たちに発信していたのだ!