ストーカーにGPS装着を検討。実施に横たわるさまざまな課題
政府は先月28日、総理官邸で犯罪対策閣僚会議を開き、ストーカー加害者へのGPS(衛星利用測位システム)端末装着の検討を盛り込んだ緊急対策をまとめたと共同通信が報じました。加害者が接近したことを被害者に通知し、さらなる被害の防止につなげる狙いで、海外では性犯罪者らを対象に導入している事例を研究。端末の小型化など技術的な課題も調査し、ストーカー規制法の改正も視野に入れるとのことです。8月1日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、角田龍平弁護士がGPSをつけることによる効果や課題などについて解説しました。聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサーです。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く実行性のある対策が急務
ストーカー被害の大きな問題は、一度逮捕された加害者が再犯、再々犯となる可能性が高いこと。
今年3月に池袋で起きた事件では、2025年末にストーカー規制法により逮捕、略式起訴された後に釈放された男が、接近禁止命令を出されていたにもかかわらず、相手の女性を刺殺するという痛ましい結果になってしまいました。
それ以外でもエスカレートするケースが後を絶たず、実効性のあるストーカー対策が求められており、海外ではすでに実施されているGPSの装着がようやく議論されることになりました。
これは加害者にGPS端末を装着させて、被害者に接近したということがわかれば、被害者に加害者の位置情報を通知するというもの。
警察と位置情報を共有する案も考えられているとのことです。
GPS装着に対する問題
「今のストーカー被害の状況を考えると、実効性のある対策としてGPSも考えないといけない」と思っている一方で、さまざまな課題があると語る角田弁護士。
まずは、どのようにすれば加害者にGPSを装着し続けられるのか、という問題。
さらに法律家の間では、刑罰を受けた後にGPSを装着させることは二重処罰に当たるのではないかと議論されています。他の犯罪とは異なり、刑罰を終えてからも別の刑罰が加わると言えなくもありません。
もし警察が位置情報を監視するのであれば、加害者のプライバシーや移動の自由を制約するのではないかという点も問題視されています。
法制化への壁
角田「これらの件に対する配慮も必要ですけど、やっぱり一番守られるべきは被害者の生命、身体であることは間違いないと思う」
だからこそ対応方法について十分に決めておく必要があります。
どのような加害者を対象とし、どれぐらいの期間にするのかはもちろんのこと、実効性のある対策にするには、被害者に近づいた場合の罰則を決める必要があります。
一方の加害者からすると、相手がどこにいるかわからないため、偶然会ってしまった場合でも罰するわけにはいきません。
しかし、これを逆手にとって「偶然会っただけ」と加害者が言い訳に使うリスクがあり、制度を構築するのにあたっては難しい事例がいろいろとあるようです。
韓国ではすでに性犯罪加害者のGPS装着義務化をおこなっており、犯罪件数は劇的に減っているとのこと。日本でもさまざまな国の事例を参考にしたさらなる対策が求められています。
(岡本)
番組紹介
読んで聴く、新しい習慣。番組内容を編集した記事からラジオ番組を聴いていただける”RadiChubu”。名古屋を拠点とするCBCラジオの番組と連動した、中部地方ならではの記事を配信する情報サイトです。



