日経平均株価は10年以内で10万円になる?
5月5日放送『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)では、春休みをとったつボイノリオに代わり、塩見啓一アナウンサーが出演しました。塩見はファイナンシャルプランナーの資格を取得していますが、この日の放送では「日経平均株価はどこまで上がるのか?」という疑問に対して解説します。聞き手は小高直子アナウンサーです。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くNISAのおかげで株価上昇?
日経平均株価は5月1日時点で59,513円12銭で、アメリカ・イランの対立などで上下はしているものの、1年前と比べるとなんと23,000円近くも上昇しています。
今後も日経平均は上がるのか、今回塩見が参考にしたのが『「日経平均10万円」時代が来る!』(日本経済新聞出版)という本で、著者はひふみシリーズ最高投資責任者の藤野英人氏。
日経平均が2万円ぐらいだった時から日本株を扱うファンドを扱い、利益を得ています。
日経平均が上がっている理由としてよく言われるのが、NISAのおかげだからというもの。
NISAが急激に浸透したことで株が変われ、日経平均が上がっているという理屈ですが、実はそれよりもかなり前、2014年8月に経済産業省が発表した「伊藤レポート」がきっかけと言われています。
株価上昇のきっかけは12年前
「伊藤レポート」とは。「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」の通称で、一橋大学大学院商学研究科(当時)の伊藤邦雄教授が座長を務めたプロジェクトによってまとめられたもの。
このレポートで自己資本利益率(ROE)の目標水準を8%と決めたことにより、投資家は企業に対して資金を提供する代わりに確実なリターンを得ることによって、企業と投資家の関係を良くすることを目標としました。
また、金融庁は機関投資家(日本年金機構や生命保険会社など)に対してスチュワードシップ・コードというものを示しました。
これは投資先の企業に問題があるのに異議を唱えずに黙認しているのは良くないという、いわば責任を持って企業経営に関与することを要求しています。
個人投資家とは異なり、機関投資家は人のお金を預かって投資を行なっているわけですから、責任がついて回るというわけです。
さらに東京証券取引所から上場企業に対してはコーポレートガバナンス・コードというものが示され、収益力や資本効率について目標を提示するよう、独立社外取締役を2名以上選任することを求めています。
これらの策を講じたことで、投資家は株を買おうという意欲が増し、現在までの株価上昇につながっているのです。
株価の妥当な水準は?
12年前の施策が実を結んでいるとはいうものの、この1年で急激に株価が上がっている印象がありますが、今はかつてのバブルに近い状況なのでしょうか?
株価ではPER(株価収益率)という指標があり、これは1株あたり純利益の何倍かを表していて、例えばPERが20倍であれば株価は20年分の利益を織り込んでいるということになります。
アメリカではだいたい15~20倍で推移していますが、日本のバブル期である1990年前後は70倍程度。
当時、日経平均株価は4万円弱ほどでしたが、半分以下が妥当だったといえます。
アメリカは日本のバブル経済失敗を見ており、同じことにならないようにずっと監視し続けています。
一方、現在の日経平均から見るとPERはだいたい20倍を少し超えるぐらい。やや割高なものの、バブル経済というほどではないといえます。
今後、各企業の収益率が上がるとPERは下がっていきますので、より適正な株価になっていきますが、「問題なのは企業の稼ぐ力になってくる」と塩見は語ります。
なぜ日経平均が10万円になる?
では今後も日本の株価は上がっていく傾向にあるのでしょうか?
藤野氏は「10年以内に日経平均株価が10万円になる日が来る」と予想していますが、これは主に人手不足によるもの。
シニア雇用や女性就業率の上昇で人手不足がある程度補えるかもしれないが、それも限界。
外国人の雇用に反対する人も多いですが、日本市場があまり選ばれなくなっていくために外国人労働者もあまり増えない可能性があります。
一方で人手不足により労働者の待遇が改善され、賃金が上がるなどのインフレ要因となります。
アメリカのダウ平均もバブル経済の時と比べて30倍近くとなり、こちらもインフレ要因。
そのため、日経平均が10万円の時代が来ると予想されますが、私たちが幸せになるかどうかはわからないと藤野氏は指摘しています。
株やNISAなど投資をしていない人にとっては、あまり恩恵が受けられないかもしれません。
ただ、バブル期のようにとにかく株を買えばいいというのもよくありません。
塩見は「少額からコツコツと行っていくのが大事で、日経平均が10万円になった時代になんとか乗っていけるんじゃないか」とまとめました。
(岡本)
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