CBC若狭敬一アナ、中日・祖父江大輔投手をゾンビに例えた理由

9月5日、中日ドラゴンズの祖父江大輔投手が名古屋市内で記者会見し、今季限りでの現役引退を表明しました。13日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、若狭敬一アナウンサーが引退表明後の祖父江大輔投手と会い、「改めて最後の雄姿を見届けたいと強く思った」と語ります。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く祖父江投手の12年
祖父江投手は現在38歳。愛知高校から愛知大学、トヨタ自動車を経て、2013年ドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。名古屋で生まれ、名古屋で育ち、ドラゴンズで12年の現役生活を終えます。
通算509試合、17勝27敗12セーブ、136ホールド、通算防御率が3.04。
2020年にはタイトル、最優秀中継ぎ投手賞を獲得しています。
若狭は、9月9日にナゴヤ球場で祖父江投手に話を聞いたそうです。
若狭「引退表明をした後も、いつもと変わらない笑顔、テンションでした。本当に変わらないですね」
モチベーションに変化は?
引退表明をしても、今シーズンはまだ登板機会はあります。
若狭は、引退表明後のモチベーションが気になったそうです。何か変化はあったのでしょうか?
祖父江投手は「全く変わらないんですよ。めっちゃ緊張します。この前の新潟とか足震えました」と答えたそうです。
新潟でのイースタンリーグ戦。オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブとの対戦についても、祖父江投手はこう語ったそうです。
「結局、新人の頃からずっと一緒です。投げる前は嫌です。でもマウンドに行ったら腹をくくるしかない。打たれたくないし、打たれたらへこむし、変わってないです」
祖父江投手が腹をくくっている現われがあの鋭い眼光です。
ナイスガイ
若狭「プロに入っても常に謙虚。普通の人の感覚をずっと持ち続けているナイスガイです 」
祖父江投手は「今まで対戦したバッターで、誰が嫌か?」とかよく聞かれるそうです。
それについて、「ぶっちゃけそんなん全員っすよ。みんなプロですよ。高卒バッターもプロ。嫌ですよ」と言っていたんだとか。
祖父江投手の気持ちの中には、相手は格下だと上から見下ろす感覚は最後までなかった、と若狭は感じたそうです。
運です
祖父江投手の509試合登板は、ドラゴンズでは星野仙一さんと並んで歴代4位タイ。引退登板で必ず投げるので510試合となり、単独4位になります。
500試合以上投げることができた秘訣を若狭が尋ねると「運です」と答えたそうです。
「マジ、運っすよ。そもそもトヨタ自動車で26歳の年にドラフトがかかるなんて運です」と祖父江投手。
入団して嬉しかったそうですが、ピッチャー陣がいいドラゴンズでは出る幕はないと思ったそうです。
しかし祖父江投手のルーキーイヤーは浅尾拓也さんの怪我もあり、リリーフ登板の機会に恵まれました。
マジ運です
2020年。最優秀中継ぎ投手のタイトルを取ったのも運だと言う祖父江投手。
祖父江投手は2年目からずっと5月は調子が悪い月だったそうです。キャンプの投げすぎによる疲労かと考えて、キャンプの投げ込みの球数を減らしてみてもダメだったとか。
「でもタイトルを取った2020年はコロナで6月開幕。5月がない。マジ運です」と、祖父江投手は力説したそうです。
若狭「すごいことをやってるんだけども、振り返れば運だと言い切る辺りが、謙虚で普通の人の感覚を持ち続けているナイスガイだと思いました」
敗戦処理の厳しさ
「僕、なんと言っても敗戦処理からですかね」と祖父江投手の言葉。
若狭「これがすごいんです!」
敗戦処理は、試合が大体負けだとわかった時に最後に投げるピッチャー。
このピッチャーは、リリーフに備え、ブルペンで何度も肩を作っています。行くかもしれない、やっぱり行かないの繰り返し。
結局、行く場面は相手はノリノリ。自分はヘロヘロ。一番打たれる確率が高いところで行くことになります。
ここで打たれると、ファンからは「おい祖父江、こんな楽な展開で出てきて打たれるなんて、二軍に落ちろ」と言うヤジが。
敗戦処理のピッチャーは、一軍リリーフ陣の中で一番格下。首脳陣からは、打たれたという結果だけで「はい、二軍行き」となるとか。
何度も甦る
若狭「このパターンで何度もやられて、一軍に這い上がって来られず、そのまま戦力外通告を受けたピッチャーを、私は何人も見てきてるんです」
祖父江投手の500試合登板のすごさを語りました。
若狭「祖父江投手は、私から言わせれば奇跡の不死鳥です。何度も甦ってくるゾンビみたいな感じ。500試合登板は今後出てこないんじゃないかなっていうぐらいの偉業なんですよ」
祖父江投手の最後の登板は、眼光が鋭いままなのか?それとも510試合目にして初めて違う表情を見せるのか?そこも注目です。
(尾関)
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