CBC佐藤楠大アナが熱弁!東大寺の大仏の足元を見るべき理由

毎週木曜日の『ドラ魂キング』では、パーソナリティの佐藤楠大が仏像に関するトピックを紹介します。4月10日の放送で紹介したのは、東大寺にあるいわゆる「奈良の大仏」。修学旅行先としてもおなじみですが、佐藤アナによれば「もう一回行きたいなと思わせるポイントをご紹介します」とのことです。
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佐藤「奈良の大仏があるのは東大寺。大仏殿の中だけでも魅力がぎっしり詰まっている場所なんです」
メインの大仏の両脇には二つの菩薩と観音像があり、さらに周りに四天王像があるそうです。
奈良の大仏の正式名称は「盧舎那仏」といい、聖武天皇の発願で建立されたそうです。その時代、疫病や飢饉、各地で反乱が起きて、とにかく荒れた世の中。
佐藤「当時、仏の加護によって国家を鎮めようとした目的で作ったシンボル的な物だったんですね」
位が高いとシンプル
佐藤「仏教の中には様々な宗派があるんですが、この大仏が作られる際には華厳宗の考えが取り入れられています」
華厳宗は非常に壮大な世界観があり、この盧舎那仏は宇宙の中心にあって、宇宙全体を照らしている存在なんだそうです。
佐藤「国とか地域じゃなくて宇宙。スケールが違いますよね」
仏の中には如来、菩薩、明王、天部の四つに分けられていて、この盧舎那仏は如来。如来の特徴は華美な装飾などはないシンプルさ。髪の毛はブツブツとした螺髪。服装もシンプルです。
佐藤「この盧舎那仏は如来の中でもより位の高い仏さまだと認識していただきたい」
下を見よう
佐藤「基本の見どころはサイズ感です。当時の技術で14.98メートル。ビルの5階ぐらいの高さですよ。それを作ったのが凄い。なんで大きいのか伝えたい」
佐藤アナが「特に注目して欲しい」と訴えるのは「足元」とのこと。
大仏が鎮座しているのは蓮華座と言う蓮の花の上。蓮華座の花びらの枚数は、裏表28枚ずつ。合わせて56枚。
表に見える28枚の中央に釈迦如来。左右に11体ずつの菩薩が描かれているそうです。一体の大きな仏像の足元にも、また仏の世界が広がっているという構図。
実は何度も焼失している大仏殿ですが、作られた当初から残っている部分があるそうです。そこが佐藤が一番おススメするポイント。
佐藤「足元の蓮の花の模様が当時のまま残っている部分。皆さん、上を見上げちゃうじゃないですか。一歩引いて下を見るといいと思います」
壮大な世界観
佐藤「で、世界観の大きさ、これを伝えたい」
東大寺の盧舎那仏は56枚の蓮の花弁の上に座っていますが、華厳経の経典の中では盧舎那仏は1000枚の花弁の上に座っているとされているそうです。
花弁一枚ごとに、盧舎那仏の化身である釈迦如来がいるとされていて、さらに釈迦如来は三千大千世界というものを内包しているとか。
三千大千世界と言うのは1000の中千世界から成っていて、一つの中千世界は1000の小千世界から成り、小千世界は1000の小世界から成ってるんだそうです。
「だから1000×1000×1000で、一枚の蓮の中に10億の世界があるんです」
東大寺の盧舎那仏の蓮の中には、それらを表現した如来や菩薩の細かい絵が描かれているそうです。
この人、通だな
佐藤「さらにスケールの大きさ。宇宙を照らすもの凄い神様なんだよっていう意味も込めて、当時の人たちの技術の粋を集めてあの大きさを作り上げた。信仰の深さが見て取れますよね」
大仏殿の盧舎那仏。通称、奈良の大仏。大きさも壮大ですが、実は足元の蓮の花にも壮大な世界観が表現されていました。
佐藤「奈良の大仏を見上げる人たちに混じって、足元をじっと見ていると、「この人、通だな」と思われかもしれませんよ。ぜひ大仏の足元もチェックしてみてください」
(尾関)
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