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元明石市長・泉房穂が語る「財源のつくりかた」

元明石市長・泉房穂が語る「財源のつくりかた」

2月24日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、ゲストに元兵庫県明石市長で現在コメンテーターの泉房穂さんが登場。こどもの頃から明石市長になろうと決めたきっかけや、テレビ局に就職した時の話、国会議員になるまでの道のりなど、半生を語った泉さん。この記事では実際に明石市長でどのようなことを行なってきたのかなどについて語られた部分を取り上げます。聞き手はパーソナリティの北野誠と大橋麻美子です。

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中核市で人口増加率トップ

人口減少が日本の大きな社会問題となっている中、明石市は2020年の国勢調査で、中核市のうち人口増加率がトップとなりました。

明石市はよく「子育てしやすい街」といわれますが、これは泉さんが市長だった12年間で特に力を入れていた政策によるもの。

子育て関連の予算を12年間で2.4倍に増やし、市民の負担を増やすことなく政策を実行してきました。

また、こども担当の職員も4倍に増やしていて「口だけではなく、お金と人を動かすのが政治」と泉さん。

財源はどう確保?

子育て関連に重点的に予算をつけようとしても、よく言われるのが財源はどうするのかということ。

これが国であればすぐに増税という話になりますが、泉さんは他の予算を削って確保したのでしょうか。

泉「削るというか、待ってもらいました。例えば明石市は神戸市の隣であって、県営住宅が神戸市に作りにくいので明石市が多いんですよ。

明石はすでに県営住宅やUR(都市機構)も多く市営住宅も多かったので、これ以上作る必要はないと。
むしろ民間の空き家があるから、空き家の解体助成をするほうが良いという考えなので、私が市長になった瞬間に市営住宅の建設は全部止めました」

これで年に10~20億円浮くことになりましたが、戦後から前例に従ってずっと行なってきたことを止めたのは、泉さんの決断によるものとか。

泉「家庭と一緒ですよ。新婚時代は夫婦でおいしいもんを食べてたけど、こどもが産まれてお金がかかるようになったら始末しますやん。
ちょっと外食を減らすとか、お洋服を買うのをちょっと控えるとか、みんなやりくりするんだから一緒ですよ。
結局、こどものためにお金がいるんだったら、それ以外のお金を後回しにするとか」

施策の実施には説明が大事

しかし、予算の執行を止めるということは、その事業に携わる人の仕事が減ったり無くなったりすることでもあります。
そのため市長だった12年間、泉さんの自宅にはよく脅迫状が来ていたそうです。

泉「説明の仕方も大事だと思うんですけど、例えば私の場合もお金をこどもに重点してると、商店街の人は怒るわけですよ、『アーケードを作ってほしい』と。
『アーケードを作るよりも、こどもを応援してこどものいる家庭が買い物に出た方が儲かるんだから、つまりこどもを応援することは商店街振興になります』と。

その通りになったんですよ。そのあと数年経ってから商店街が潤いだしたので。

建設業界なんかも建設の予算を減らしましたけど、その代わりに人気が高まって住宅ラッシュですから忙しくて忙しくて潤ってるんで。
つまり、『こうやったほうが、少し待ってもらったらあなたたちのためです』と説明するわけです」

施策の実施には順番も大事

また「こども向けの政策ばかりで高齢者はないがしろにされている」という批判に対しても、まずこども向けに予算を重点化した後に街が活性化し、税収が増えて財源ができると、後で高齢者向けの施策が実現できると説明。

実際、後に高齢者のバス代無料や認知症治療の無償化などを実施しています。
これらは外国ではすでに行なわれている施策です。

10歳の時から市長になろうと考えていたという泉さんは「これらの施策の結果は偶然ではない」と語り、さらに「中途半端にするから効果が薄いのであって、本気でやりきることやと思いましたね」と続けました。
(岡本)
 

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