自動車事故の相手が無保険!補償はどうなる?
車を運転している方にとって気がかりなのが、いつ自分の身に降りかかるかわからない自動車事故。車同士の事故で、自分に責任がなくても相手が保険に入っていない場合、保険金の支払いはどうなるのでしょうか?2月3日放送『北野誠のズバリ』、「ズバリマネー相談室」のコーナーでは、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、伊藤勝啓さんが交通事故の保険金について解説しました。
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今回、番組で取り上げた相談のおたよりは次のとおりです。
「この前車を運転していたら、側道から他の車が急に飛び出してきてぶつかりそうになりました。
私はこれまで自動車事故を起こしたことはありませんが、心配性なので自動車保険にはしっかり入っています。
ただ、以前友人と話していた時に、最近は保険に入っていないドライバーが意外といるらしいということを聞きました。
相手が保険に入っていない場合、やはり補償が受けられなかったりするのでしょうか?」(Aさん)
実際にはどれぐらいの方が保険に入っているのでしょうか?
損害保険料率算出機構が発表している自動車保険の概況によれば、日本国内では任意加入の自動車共済や自動車保険の普及率は88.4%。
つまり未加入の車は10%強ということになります。
自分に過失のない事故が起きたら
もし、無保険の車と事故を起こしてしまうとどうなるのでしょうか?
伊藤さん「通常は事故の相手が任意保険に加入している場合は、ご自身と相手の保険会社同士で示談交渉を行ないます。
しかし、もらい事故など自分に過失がまったくないケースでは、被害者の保険会社は加害者と示談交渉を行なうことができないんですね。
その結果、被害者自身が加害者と直接交渉せざるを得なくなります。
さらに専門知識がない当事者同士の交渉は難航することが多く、最悪の場合は連絡が途絶えてしまうということもありますね」
事故が起こったらどうする?
では、事故が起こってしまったら最低限確認しておくべき点には何があるのでしょうか?
まずは事故相手の連絡先と車両のナンバーと車種、自賠責保険証明書の有無と番号。
可能であればこれらの情報をスマホのカメラで撮っておくなど、記録を残しておくのが良いとのことです。
また、任意の保険とは別に、すべての車両が自賠責保険への加入が法律で義務づけられています。これは交通事故の被害者を保護するためのものです。
加害者と示談交渉が難航したり、連絡が取れなくなってしまったりした場合は、被害者が直接加害者が加入している保険会社に対して請求ができるとのことです。
請求できる上限は障害が120万円、死亡が3千万円、後遺障害が4千万円となっています。
保険でカバーし切れない分も
ただ、自賠責保険の加入は義務といいながら、実は未加入というケースもあるのだそうです。
自動車の個人売買や車検が切れた場合は未加入という状態になりますが、その場合は政府保障事業に請求することができます。
これは相手が無保険者だったりひき逃げだったりした場合の被害者を救済するためのもので、国が加害者に代わって補償するというしくみで、補償内容は先程紹介した自賠責保険と同様です。
ただし、あくまでも自賠責保険は人に対する補償ですので、車両や物の損害といった対物賠償は対象外であり、車の修理費や買い替え費用などは補償されません。
そのために任意保険があるのですが、もし相手が無保険でも補償してくれる特約があるそうです。
特約をつける分、今よりも保険料が上がるのではないかと思われるかもしれませんが、実はすでに特約が付いているケースもあります。
いま一度、自分が加入している自動車保険の契約内容をチェックしておいた方が良さそうです。
(岡本)