大切なドレスにうっかりシミ…「シミ抜きのプロ」がスゴ技で解決!しかし達人でも落とせないシミとは?
毎週月~金曜日の夕方にCBCテレビで放送している情報番組【チャント!】。毎週水曜日の人気コーナー『全力!お助けちゃん』では毎回、何事にも全力で取り組むBOYS AND MENの平松賢人が皆さんのお悩みをサポートしています。
今回は、「娘がピアノの発表会で着る大切なドレスに、うっかり食べ物をこぼしてしまいシミをつけてしまったので落としてほしい」と、主婦Yさんからご依頼いただきました。
シミ抜きの達人に会うため平松くんとYさんが向かったのは、名古屋市瑞穂区にある【グリーンクリーニング】。店主の大平朋広さんは、シミ抜きの技術を認められた人だけが所属できるシミ抜きのプロ集団「愛知洗い人(びと)」の一員で、実演や講習も行う達人なんです。
ドレスのシミを抜いてもらう前に、まずは大平さんへのご依頼が多いという4つのシミ抜きテクニックをご披露いただきます。
【1】ボールペンの汚れ
油性ボールペンのインク汚れは、揮発性の有機溶剤を直接汚れに吹きかけて溶かし、下からバキュームで吸い取ります。すると、あっという間に元通り!
【2】口紅の汚れ
色素やワックスなどさまざまな成分が含まれている口紅は、アルコール溶剤を高圧で吹きかけ、下からシミを吸い取ります。こちらも一瞬でキレイに。
化粧品汚れを自宅で落としたい時は、タオルの上に汚れた服を置き、クレンジングで叩いてタオルに移していきましょう。
【3】襟や袖口の黄ばみ
襟や袖口は、洗濯で洗い落とせなかった皮脂油が酸化して黄色く変色してしまうことも。口紅と同じように、まずは皮脂油をアルコール溶剤で溶かし下から吸い取ります。そして黄色く変色してしまったところを漂白。驚くほどキレイになりました。
【4】カレーのシミ
家庭ではなかなか落とせないカレーなど食べ物のシミ。衣類に食べ物のシミが付いてしまうと、色素や不要物の上にタンニン・タンパク質・デンプン・油…と、何層にも膜を張ります。この層を上から1枚ずつ剥がしていくことが大切です。
大平さんは、弱アルカリ性洗剤→水洗い→漂白と、シミに合わせた洗浄と漂白で、見事元通りに仕上げました。
いよいよ本題。娘さんのドレスのシミは落ちるのでしょうか?!
シミは汚れたらすぐに処理するのが基本ですが、このドレスのシミは半年くらい前に付けてしまったのだとか。
大平さんはシミをアルコール溶剤で処理し、続いてデンプンやタンパク質、タンニンといった水溶性の汚れを洗剤で順に落としていきます。幸いにも色素の付着がなかったので、漂白することなくここまでの工程でキレイになりました。
「どこに汚れがあったのか分からないですね!」とYさんも大喜び。今回のお助けも大成功でした!
このように達人の手にかかれば落とせないシミはない!…ワケではなく、最近は大平さんでも落とせないシミがあるといいます。
それは、新型コロナウイルス対策で使用されている手指消毒液「次亜塩素酸ナトリウム」のシミ。
次亜塩素酸ナトリウムが衣類に付着すると、著しく繊維を傷めてしまったり脱色の原因になってしまったりするそう。漂白をしてから染色をするシミ抜きの工程の場合、次亜塩素酸ナトリウムで色が抜けてしまった部分には色が入りません。大平さん曰く、「100%元には戻らない」そうですので、次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は衣類に付かないようにご注意くださいね!
最後に、クリーニングの達人・大平さんから2つ豆知識を。
≪豆知識1:水温は約40℃がおすすめ≫
水温は約40℃にすると洗浄力がアップします。ただし、血液の汚れは温度が高いと凝固してしまうので、冷水で洗剤をつけてモミ洗いしましょう。
≪豆知識2:クリーニングのビニール袋は取る≫
クリーニング店から返ってきた衣類に被せたビニール袋は、通気性がないため中で空気が滞留してしまいます。カビが生えたり変色したりすることもあるので、衣類は必ずビニールから出して保管してください。
日に日に肌寒くなり、秋冬の衣類の出番となりました。
付いてしまったシミは放置せず、早めに処理をして保管しましょう!