栗きんとんと 羽二重餅の食感がたまらない!癒し系アナが岐阜県御嵩町の『栗すだれ』を調査!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。
今回は、『岐阜県御嵩町(みたけちょう)』。中山道の宿場町でもある、この町の愛されフードは『栗すだれ』です。 岐阜には秋の味覚“栗きんとん”がありますが、町で聞き込みをすると、その“栗きんとん”を餅で巻いて棒状にしたのが『栗すだれ』。御嵩町の秋を代表する和菓子だそうで、「手土産としてよく利用する」との声も多く聞かれました。
作っているのは、御菓子処『長春堂(ちょうしゅんどう)』。店主が「看板商品です」と出してくれた『栗すだれ』は、“すだれ”を巻いた包装で、松本アナがそれをほどいていくと、真っ白な棒状のお菓子がお目見え。
栗きんとんを羽二重餅で巻いたこの和菓子。食べる時には一口サイズに切っていただきます。切り口から見える栗きんとんは、栗の実を少し残した潰し方。
松本アナは「外のモチッとした食感と栗の粒感が合わさってとてもいい」と味わいました。
『長春堂』は、戦後、初代である祖父がせんべい店として創業。 和菓子店で修業を積んだ2代目が、店を継いでから開発したのがこの『栗すだれ』です。 岐阜では秋になると、多くの和菓子店で“栗きんとん”を作ります。他にはない、何か新しい栗菓子を…と考えたのが、餅を合わせたこの和菓子。それが人気となり、1973年の全国菓子大博覧会で金賞を受賞しました。 しかし、地元で根付いてきた矢先、2代目が他界。兄と共に店を継いだ現店主は、父が作った『栗すだれ』を御嵩町の名物としてもっと広めたいと、家族経営だからこその挑戦に打って出ました。
それは…「栗の手掘り」です。栗を蒸し、半分にカットして、実を掘り出す方法を機械から手作業に変えたのです。栗あんにした時に栗の粒が感じられる秘密がここにありました。松本アナが作業を見せてもらうと、「熟練の技です。82歳、看板娘です」と母親を紹介する3代目。娘さんにも話を聞くと、「栗すだれが自慢のお菓子」と言います。 栗の味わいを最大限に引き出すため、時代に逆行してあえて選んだ家族での“手掘り”が『栗すだれ』に活かされているのです。
そして、もう一つのこだわりが、メレンゲを加えてフワフワに仕上げる羽二重餅。 やわらかさゆえに、あんを包むのもすべて手作業。ふわとろの餅にくるまれた粒感の残る栗あん。この何とも言えない食感の二重奏が『栗すだれ』の味なのです。 さらに、3代目は“抹茶”や“桜”といった新しい味も生み出し、新たなファンも増え続けています。地元の栗、さらに今年からは岐阜県産の餅米も使用して、「栗すだれを岐阜県から発信していくお菓子にしたい」と意気込みを語りました。
(10月21日(金) CBCテレビ「チャント!」より)