楢崎正剛が「一緒に引退しよう」と誘っていた相手がいた!現役続行の彼女が明かす“正月の電話”
24年間の現役生活からの引退を発表し、このうち20年もの間、名古屋グランパスでプレーしたサッカー元日本代表のゴールキーパー・楢崎正剛さん。
CBCテレビの若狭敬一アナウンサーが、今だから聞きたい質問のシュートを楢崎さんに次々放っていきます!果たして、楢崎さんは見事セーブすることはできるのでしょうか…?
CBC若狭アナ(以下・若):
「楢崎さん、引退を発表されましたが、今の心境はいかがでしょう?」
楢崎正剛さん(以下・楢):
「実感はちょっとずつ…。もうチームの練習が始まっているので、寂しい気持ちもちょっとだけあります」
若:まず、楢崎さんが一番誇りに思っているタイトルというと何になりますか?
楢:やっぱり横浜フリューゲルスの、最後チームが消滅する前にとった天皇杯のタイトルと、名古屋グランパスでのJ1優勝ですね。
若:まさかの自分のチームがなくなる…という報道の後での1999年天皇杯優勝はいかがでしたか?
楢:負けたら終わるというプレッシャーや、色んな感情の中で戦っていて…。優勝するとは思わなかったですね。
若:続いては、“誰”のシュートが嫌でした?
楢:1人目は、一緒に戦っていた時間が長いですけど、ウェズレイ選手。シュートが上手かったです。練習でもよく対峙していましたけど、試合で後ろから見ていて、このゾーンだったら絶対に入るっていうのがあって、「あ、来た!これ入る!」って思ったらちゃんと決めるんですよ。そういう感覚になった人は初めてでしたね。もう1人はマルキーニョス選手。彼は色んなチームを渡り歩いて、常に点をどのチームでも取っていて、そのやられ役じゃないですけど、結構数はやられたような印象があります。
子供の頃から変わらない…仲間「ナラがいるから大丈夫」
若:元々はフォワードだったということなんですが、これは間違いないですか?
楢:フォワードというか、小学校くらいまではフィールドプレイヤーとしてやっていましたね。
若:容姿もカッコよくて、子供の頃、モテた自覚はないですか?
楢:……いや、ちょっとあります(笑)
若:実は、当時の楢崎さんをよく知る方に取材をしました。奈良・香芝中学校で楢崎さんを指導していた津本先生です。30年前の楢崎さんをよく覚えているとのことで…。
中学時代に指導していた津本さん:
「人気はありました、女の子から。モテたと思います。ただ、あいつクールなんで、あんまりそれを前に出すということはなかったんじゃないかなとは思いますけど。成績もよかったです。通知表の成績も5段階で言ったら4か5で。
身長が中1で172、3センチあって、県の選抜チームへフォワードとして推薦したんです。だけどキーパーもやらせてるので、フォワードとして使えなかったらやらせてみてよ、と県選抜の方に言ったんです。
楢崎がキーパーをやっていると、チームメイトから『少々失敗してもナラいてるやん!ナラがおるからどうにかしてくれる』という声がありましたし、私もチラッと思ってましたね」
若:楢崎さん、恩師の方の言葉いかがですか?
楢:いや、ビックリですね(笑) よくそこへ取材に行ったなと思いました。
若:ゴールキーパーとしての一番の魅力ってどんなところですか?
楢:ゴールと同じか、それ以上の重要な仕事ができると自分では思っています。
若:決めることと防ぐことの価値は…。
楢:まぁ同じか、それ以上じゃないかと。
若:3人のお子さんがいらっしゃいますが、サッカーをされてるんですよね?
楢:はい、かじってますね。
若:ゴールキーパーはさせたいですか?
楢:いや、それはないです。キーパーはまぁ…お金もかかるし、汚れるし…。親は大変なんですよ(笑)
“戦友”中澤さんからの質問とピクシーの“ムチャぶり戦術”
若:続いては楢崎さんの“戦友”、日本代表として共に戦った中澤佑二さんからの質問です。
中澤佑二さん:
「シドニー五輪のアメリカ戦で、ナラさんと僕が衝突をしたところから、ナラさんとはすごく仲良くなれたんじゃないかなと僕は思っていまして、あの事件というのは僕の中でナラさんとマブダチになるための事件だったんじゃないかなと思っています。
ずっと僕の方で聞きたかったことがありまして、ナラさんとはよく代表で同じ部屋で生活をしてたんですけど、僕は朝6時に起きて夜10時に寝るという生活スタイルをずっと続けてきていて、ものすごく早寝早起きをさせてしまっていました。ナラさんその時ものすごくストレスがあったんじゃないかと思います。正直そこらへんはどうだったんでしょうか?」
若:という中澤さんの質問でしたが…?
楢:ストレスはあったんですけど(笑)、それも今自分のリズムに定着して、逆に今皆にバカにされますよ、早寝早起き(笑)。
若:さて、次の質問ですが、名古屋グランパスでストイコビッチ監督からムチャぶり戦術があったということですが、本当なんでしょうか?実はグランパスOBの森山泰行さんから「チームのストロングポイントはゴールキーパー楢崎である。ミドルシュートはバンバン打たせてOK」というストイコビッチ監督の戦術があったという証言を耳にしました。
楢:そういうのは確かに言われていて、「ここからはシュートを打たれてもキーパーが止めるから」と。それって結構プレッシャーなんですけど(笑)。止められなかったら俺の責任だなとは思っていました。でも逆に分かりやすいというか、それに徹すればいいというのは、やりやすかったですね。
気になる楢崎さんの今後は…
若:楢崎さんが「一緒に引退しよう」と誘っていた人物がいたということで、その方に取材をしてきました。「おばちゃん」の愛称で歴代のグランパス選手から慕われ、クラブ創設時から写真を撮り続けているカメラマンの渡邉光子さん(75)です。
渡邉光子さん:
「5年くらい前かな、『一緒に引退しよう』って言ってたんですよ。このお正月に楢崎さんから電話がかかってきて『引退するから』って。『だけど、おばちゃんは続けなきゃあかん』って言われました。
引退会見の朝にメールして、その時に『カメラが壊れるくらい写真撮るから』って送ったんですけど、本当にカメラが壊れちゃって(笑)
(楢崎さんに…)おばちゃんは、(一緒に引退の)約束を破ってごめんなさい」
若:楢崎さん、渡邉さんはどんな存在でしたか?
楢:おばちゃんは自分がチームに来た時からいて、たまに図々しくモノを欲しがったりするんですけど(笑) 長くクラブにいるので、僕はいっぱいいっぱいでも、おばちゃんは辞めないでと、辞めなくても大丈夫と思ってました。
若:ファンにとっては素敵な写真をたくさん撮ってくださるのでありがたい存在ですよね。渡邉さん、まだまだ頑張ってください!そして楢崎さん、今後についてはどのように?
楢:まだ完全には…。サッカーには恩返ししていかないといけないし、クラブや色んなところと今話をしている最中で、これからしっかりとそういうのは決めていこうと思っています。
若:まずはサッカー界でということですね。では最後に、支えてくれたファンのみなさんへメッセージをお願いします。
楢:ありがとうございました。24年間も支えていただいて、本当に感謝です。これからもまたどこかで会えると思いますので、その時はよろしくお願いします!
(1月20日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)