高校バスケ日本一・岐阜女子 主将でU-18日本代表の池田が“150cm台”でも得点量産できるワケ
岐阜女子高校バスケットボール部。
近年急速に力をつけ、2012年に初めて全国大会を制覇!これまで4度の日本一を達成し、いまや全国大会決勝の常連となった強豪校です。
その強豪を束ねているのが、キャプテンの3年生・池田沙紀選手。主力メンバーで唯一の“身長150センチ台”ですが、その得点力はチームNo.1。18歳以下の日本代表にも選ばれている岐阜女子のエースです。
岐阜女子・池田沙紀選手:
「得点は自分が一番とるという気持ちでやっています」
その得点力の秘密は多彩なシュート。相手に対して鋭くドライブを決めれば、ドリブルで抜くと見せかけてのジャンプシュートも!
安江満夫監督:
「小さくても状況を判断する力。シュートを打つか(ディフェンスを)突破するか、その判断が出来る力が大きいと思います。もう一つはやっぱり負けず嫌いですね。本人が納得しなかったら何回でもやり直しますから」
確かに練習を見てみると、シュートを何度外しても、何度でも何度でもシュートが成功するまで同じプレーを繰り返します。
そんな彼女にはこの冬、絶対に達成したいある目標がありました。
池田選手:
「今年は日本一を目標にやってきて、まだその目標は達成できていないので、最後に必ず桜花学園に勝って優勝したいと思います」
夏のインターハイ。決勝で岐阜女子の前に立ちはだかったのが、通算64回の全国制覇を誇る高校バスケ界の女王、愛知の桜花学園。
両チームトップとなる32得点をマークした池田選手でしたが、わずかに及ばず涙を飲みました。
続く秋の国体も、桜花学園を中心とした愛知県代表に敗戦。残された全国のタイトルは、冬のウインターカップのみ。
高校生活最後の大舞台に全てをかける池田選手。練習が終わったあと、寮での食事中もライバルチームのVTRを見て研究するなど、自分の持てる時間は全てバスケットに…。
池田選手:
「自分たちが今までやってきたことを全部出しきって、皆で笑顔で終わりたいと思います。日本一になります」
その一方、違う思いで最後の冬に臨む選手も…。
杉野未怜選手:
「今年こそは自分の力でチームを日本一にしようと思っていたんですけど、ケガをしてしまって」
池田選手と同じ3年生の杉野未怜(みさと)選手。6月、インターハイの予選前日に、左ひざの靭帯を断裂。インターハイではスタンドからの応援を余儀なくされました。
最後のウインターカップにかけて懸命に復帰を目指しましたが、ケガは完治せず。チームメイトに日本一への思いを託しました。
杉野選手:
「どうしても出たかったんですけど、チームのためにビデオを撮ったり、自分の知っていることをたくさん教えたりして、『信じるよ』って伝えてお願いしてあります」
それぞれの思いを胸に、岐阜女子高校の最後の挑戦が始まります。
監督(大会出発前日・選手たちに対し):
「どのくらいの準備をしたかっていえば、自分たちにできるだけの準備はしたよ。これから。明日からだ」
選手たち:
「ありがとうございました!」
大会で“大波乱”が…
そして迎えた、高校バスケット最後の大舞台・ウインターカップ。
各都道府県の代表50校が争うこの大会。順当に勝ち進めば、宿敵・桜花学園とは決勝で当たります。
注目の初戦、相手は福島代表の郡山商業。桜花学園へのリベンジを誓う池田選手が自慢の得点力でゴールを量産。終始、主導権を握り続けた岐阜女子が30点差をつけ初戦を突破しました。
その後も全国の強豪校を次々と撃破し、見事決勝まで駒を進めます。
池田選手:
「必ず日本一になるので、任せてくださいと(みんなに)伝えたいです」
ケガで出場を断念し、スタンドから声援を送る杉野選手は…。
杉野選手:
「選手が苦しい時に自分が上から声をかけて安心させられるような応援をしたいと思います」
悲願の日本一まで、あと1勝…。しかしここで大波乱が!絶対女王・桜花学園が準々決勝でまさかの敗退となったのです。
“リベンジ”は実現しませんでしたが、目指すものは同じ。日本一へ向けて、岐阜女子の最後の戦いが始まりました。
決勝の相手・大阪薫英女学院に対し、池田選手は果敢なドライブや正確なスリーポイントなど持ち前の多彩なシュートを決め、前半を終えてチーム最多の18得点。12点リードで折り返します。
マークの厳しくなった後半では、冴えわたるアシスト。攻撃の起点となり、岐阜女子は得点を積み重ねていきます。
そして…。
<試合終了のブザー音>
92対74で岐阜女子が勝利!ついに冬の頂点をつかみました。応援席にいた杉野選手たちもウインターカップのコートへ。高々と掲げられたトロフィーは、チーム全員でつかみ取った日本一の証です。
池田選手:
「今までこの日のために頑張ってきたので、その努力が報われてよかったと思います。本当にみなさんにありがとうでいっぱいです」
杉野選手:
「自分の分まで戦ってくれたので、ありがとうってみんなに伝えました」
見事、日本一となった岐阜女子高校バスケットボール部。桜花学園高校をはじめ、東海地方の強豪校と切磋琢磨しながら、さらなる高みを目指して進んでいってほしいものです。
(1月13日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)