レース前“ももクロ”聴きモチベアップ!マラソンで東京五輪目指す鈴木亜由子 その強さの秘密
シドニー五輪で日本女子マラソン界初の金メダルを獲得した、岐阜出身の高橋尚子さん。アテネ五輪の金メダリスト、三重出身の野口みずきさん。東海地方では「女王」と呼ばれる選手が誕生してきました…。
そして次なる女王候補として期待がかかるのが、愛知・豊橋市出身の鈴木亜由子選手(27)!
中学生の時800mと1500mで日本チャンピオンに輝き、幼い頃から注目されてきた逸材で、その後も中距離選手としてリオ五輪に出場するなど、世界の舞台で活躍を続けてきました。
そしてこの夏、北海道マラソンで、初マラソン初優勝と鮮烈デビュー!東京五輪への代表選考レースの出場権を獲得したのです。
その鈴木選手を、彼女と実は“浅からぬ縁”があるCBCテレビの若狭敬一アナウンサーが直撃!強さの秘密から素顔まで、鈴木選手の魅力を掘り下げます。
東海地方から“3人目”なるか
若狭敬一アナ:
「まず、高橋尚子さんが岐阜出身で、野口みずきさんが三重出身。地元からマラソン競技で金メダリスト2人が出ていることについては、どう感じていますか?」
鈴木亜由子選手:
「そんな偉大な方が東海地方出身なので、私もその次に続けたらいいな…と思います」
若狭アナ:
「鈴木選手は愛知県豊橋市出身で、地元の名門・県立時習館高校から名古屋大学、JP日本郵政グループへと進み、現在社会人5年目です。高校時代は文武両道の学校だったと思うのですが、どのようなことを心掛けながら過ごしていましたか?」
鈴木選手:
「私は効率的にやるということが一番大事だと思っていて、集中して走る時は走る、勉強する時は勉強すると切り替えをうまくやろうと心掛けていました」
若狭アナ:
「東京五輪への実績も十分です。2015年の世界陸上5000mで9位、リオ五輪にも出場されました。リオは今振り返ってみていかがですか?」
鈴木選手:
「リオ五輪は、コンディションをうまく合わせられずに、素晴らしい舞台を心から楽しめなかったというのがすごく残念だったので、その分東京五輪に向けて、思いは強いです」
若狭アナ:
「今年夏の北海道マラソンは、初出場・初優勝ということだったんですが、マラソンを走ってみていかがでした?」
鈴木選手:
「やっぱり1本走ってみないと分からないマラソンのキツさが分かってよかったなと思っています。マラソンは注目度が高いですし、応援してくださる方々がますます増えたので、その期待に応えたいという思いが強いです」
私実は〇〇なんです!
若狭アナ:
「さて、ここからは鈴木選手の『私実は〇〇なんです!』という形でお話を伺っていきたいと思いますが、1つ目が『私実は若狭アナの後輩なんです!』。こんな品の無い“おしゃべりメガネ”とどこがどう共通しているかというと、実は私も名古屋大学出身で、経済学部の金井雄一ゼミ所属だったんですが、鈴木選手も同じ学部でゼミまで同じだったんです!」
鈴木選手:
「そうなんです。1学年で8人くらいだったんですけど(笑)」
若狭アナ:
「ですよね!かなりレアな先輩・後輩関係ということになります。どんな大学4年間でしたか?」
鈴木選手:
「大学の規模が大きいですし、本当に色んなことをやっている仲間がいて、刺激をもらって充実した4年間でしたし、一人暮らしをしていたので自立もだいぶできたかなと思っています」
若狭アナ:
「地元ですと、陸上は名城大学が強いと思うのですが、名古屋大学に行ってよかったなと思ったことはありましたか?男女別々に練習する大学が多い中で、名大の場合は男子と競争もしていますよね」
鈴木選手:
「そうですね。男子の選手にいつも引っ張ってもらっていたので、男子のスピードをもらいながらダイナミックな動きが身につけられて、それはよかったです」
若狭アナ:
「続いて2つ目です。『私実は黒豆大好きなんです!』これは?」
鈴木選手:
「黒豆なんですけど、正確には“おばあちゃんの作る黒豆”が大好きなんです。愛情が入ってるというか、深みがあるんですよね。一度食べていただきたいです」
若狭アナ:
「レース前には何個くらい食べるんですか?」
鈴木選手:
「10粒とかですね」
若狭アナ:
「おばあちゃんから、色んなところに送られてくるんですか?」
鈴木選手:
「そうですね、はい」
若狭アナ:
「これは、やっぱり『ゆうパック』で?」
鈴木選手:
「『ゆうパック』でもちろん。ありがとうございます!」
若狭アナ:
「最近では黒豆に加えて、黒にんにくも送ってもらったそうですね」
鈴木選手:
「黒にんにくも最近作り始めて、熟成させてあって疲労回復がバッチリできて。家族みんなでハマってます」
若狭アナ:
「それでは3つ目に行きます。『私実はおっちょこちょいなんです!』ということで、自覚はありますか?」
鈴木選手:
「自覚は…最近、気付き始めました。」
若狭アナ:
「今回、細かすぎるマラソン解説者としておなじみの増田明美さんから『鈴木亜由子おっちょこちょい情報』を入手しました。増田さんは次のようにおっしゃっています」
増田明美さん:
「年賀はがきをいつも200枚と決めて、亜由子さんから買っているんですけど、すぐにお金を振り込みたいので『口座番号を教えて』と言って、返信メールで来たのが間違った口座番号で全然振り込めなくて。
今年も日本郵政に取材に行った時に『亜由子さんまた年賀状お願いします』とお願いしたら、メモ帳に振り込み先を書いてくれたんですよ。そうしたら後から『さっきのは間違ってました』ってメールが来て…」
若狭アナ:
「鈴木選手。この増田さんの証言は事実ですか?」
鈴木選手:
「あ、事実です…大事な番号を間違えてしまうのが私です(笑)」
若狭アナ:
「そういう所もあるんですね、ちょっと安心しました。親近感沸きます。続いてですが、鈴木選手はレース前に何かを聴いてモチベーションをアップさせているということなんですが?」
鈴木選手:
「ももいろクローバーZさんの『走れ!』です。まずタイトルからして『走ろう!』と思いますし、あと父が無類のアイドル好きで、一緒にコンサートに行ったことがあって、それがきっかけですね」
東京五輪へと続く鈴木亜由子の挑戦
若狭アナ:
「そもそも中長距離からなぜマラソンを走ろうと思ったんですか?」
鈴木選手:
「やっぱり東京五輪を見据えた時に、自分の可能性を広げたい、適性を見極めたいという思いでマラソンに挑戦しました」
若狭アナ:
「その東京五輪に向けての挑戦権をかけた決戦が来年9月15日ですから、もう1年を切っています。MGC(マラソン グランド チャンピオンシップ)が東京五輪代表選考レースとなりまして、これで男女各2名が決まります。これに向けての意気込みはいかがでしょうか?」
鈴木選手:
「1本走って分かったことがあったので、まずはそのMGCに向けてベストな状態を作っていけるようにしっかりトレーニングをしていきたいと思っています」
若狭アナ:
「分かったことというと、どんなことですか?」
鈴木選手:
「最初走る前は、呼吸とか30キロの壁とかあるのかなと思っていたんですけど、そうではなくて、太ももですとかふくらはぎに痛みがあって、もっといきたいんだけど、いったら身体が壊れるっていう感覚を得られたので、やっぱりまだまだトレーニング不足だなというのを実感しましたね」
若狭アナ:
「最後に、鈴木選手に『来年の1文字』をお願いしました。発表をお願いします」
鈴木選手:
「はい。『続』です。MGCに向けて立ち止まりたくないですし、練習を継続したいという思いと、MGCのその先も続くということで、この1文字を選びました」
若狭アナ:
「東京五輪へ続いていくということですね。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。ありがとうございました!」
鈴木選手:
「ありがとうございました」
(12月2日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)