親が選んだ1字『草』は強し…フィギュア山本草太 手術3度・離脱1年半乗り越え自己ベスト
東海地方で注目のフィギュアスケーターを紹介する「High FIVE!! on ICE(ハイファイブ オン アイス)」。
名古屋市港区のスケートリンク・邦和スポーツランドに設けた“特製キスアンドクライ”でお出迎えしたのは、中京大学の山本草太選手(18)です!
すらっとした体型が印象的な山本草太選手。まず「草太」というお名前について聞いてみると…?
山本草太選手:
「友達とかだと、『くさた、くさた』ってイジられるときもあります(親が)『りょうた』か『そうた』で迷ってたみたいで、生まれてから僕の顔を見て『そうたの顔だな』って、『草の方だな』って」
爽やかな笑顔が際立つ山本草太選手。氷の上でも長い手足を生かした軽やかで華麗なスケーティングに目を奪われます。
しかし、実は…。
山本選手:
「ここ(右足首の内側)が傷痕なんですけど、ここからボルトが入っていて、ちょっと不安だったり違和感だったりがなかなかとれないもので…」
「羽生2世」と期待の中…
13歳のときに大阪から「フィギュア王国・愛知」へ拠点を移し、次世代エース候補として活躍し始めた山本選手。
15歳でジュニアの世界3位に。そのとき表彰台の横に立っていたのは、平昌五輪の銀メダリスト、当時17歳の宇野昌磨選手。
山本選手(当時のインタビュー):
「今はとにかく宇野選手についていって、しっかりジュニアで結果を出せるように頑張っていきたいと思っています」
さらに、その年の全日本ジュニアでは、高校1年生にして大技4回転-3回転のコンビネーションジャンプを成功させ見事優勝!
高さと伸びのあるジャンプに加え、華麗なスケーティングで「羽生2世」と期待され、注目を集めました。
しかし、シニアデビューの目前…。
山本選手:
「もう痛すぎて…痛いしか頭になかったです」
練習中に転倒し、右足首を骨折する大けが。右足が治るまでに3度の手術、そして1年半の長期離脱を余儀なくされたのです。
山本選手:
「もうやめたいというか、歩くのも痛かったり、ずっとリハビリも行ってはいたんですけど、なかなか変わらなかったり…。『これはもうできないのかな』っていう思いはありました」
“1回転ジャンプ”からの復活
一度はやめることまで考えたスケート。それでも彼が選んだ場所は…「氷の上」でした。
けがから1年7か月経った去年10月…。全日本選手権の予選となる中部フィギュア選手権。
山本選手の代名詞だったジャンプは…全て1回転に。
本来の姿とはかけ離れていましたが、この時出せる全ての力を出しきりました。
山本選手:
「5歳からスケートを始めて、当たり前のように毎日練習して、試合も『緊張するな』『嫌だな』とか思いながらやってきたスケートだったんですけど、離れてしまってから、『スケートしたいな』とか『試合に出たいな』って、身に染みて実感したかなと思います」
復帰戦から2か月後の全日本選手権では、ケガの後初めて3回転ジャンプを成功。復活を印象づけました。
川梅みほコーチ:
「彼のスケートには目も奪われ、心も奪われるようなところもあります。ジャンプが跳べない間も表現力を磨いたり、陰の努力を見てきているので、そういうところが少しずつ試合に出せるといいかなと思います」
そして、大けがから2年8か月…ようやくシニアのグランプリシリーズの舞台にたどり着きました。
初めてのグランプリシリーズとなった11月のNHK杯。ショートは6位につけて、迎えたフリー。
最初のジャンプ、トリプルアクセルは…1回転に。しかし続く2本目、予定を変更しトリプルアクセルに再アタック!加点がつく出来栄えで成功します。
ジュニア時代に跳べていた4回転はいまだ跳べないままですが、けがで苦しんでいた間に磨きあげたスピンで自己ベストを更新。213.40点で総合6位の結果に。
山本選手:
「この舞台に立ちたいがために必死にやってきた分、余計に遠回りしてしまった感じはあったんですけど、しっかりとたどり着きましたし、もっともっといい結果を出したいので、また頑張っていきたいと思ってます」
(11月18日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)