バスケ界の頂点を目指して
昨シーズン、中地区でぶっちぎりの優勝を果たし、チャンピオンシップに進出しながらも、セミファイナルで惜敗したシーホース三河。キャプテン狩俣昌也選手とエースシューター金丸晃輔選手に、新シーズンに懸ける思いを聞いた。
※平成30年9月20日発行のaispo!記事を再掲しています。
常にチャレンジし続けるチームスピリット
「2年連続で同じ結果に終わったのは悔しいですが、チーム全体がより粘り強くなったと思います」と狩俣選手は昨シーズンを振り返る。「特にチャンピオンシップの2戦目では、劣勢でも粘り続けて最後に追いつくことができました。シーズンを通じて“我慢できるチーム力”がついたと思います」。一方、金丸選手は「自分たちが得意なプレーを止められた時の対応ができなかった。そこでどう対処できるかが課題です」と新シーズンへの具体的な対策を考え始めている。
比江島選手、橋本選手といった主力選手の退団に揺れたシーホース三河だが、狩俣選手は「今まで出場機会がなかった選手がコートに立つチャンス」と前向きに捉え、「みんながチャレンジャー精神と責任感を持ってプレーすることで、昨シーズンの成績を上回れると信じています。新しい選手も必ず活躍してくれると思う」と期待を寄せる。また金丸選手も「若手には思い切ってプレーして欲しい。西川選手は乗ってくれば30点クラスの得点力があるし、うちはそういう選手が多いですね。新加入の生原選手はアグレッシブなポイントガード。シーホースでのプレーが楽しみです」と力を込める。
若い戦力に加え、どんな状況でも冷静な判断力でゲームを作るベテラン勢も頼りになる存在だ。「1人ひとりの能力が高いのがうちの強み。それを発揮しつつ、常にチャレンジし続けるチームでありたい」と狩俣選手は意気込む。
お互いに認め合うチームの支柱
2人がバスケを始めたのは、ともに小学生の時だ。「兄弟がみんなやっていたし、褒められることで楽しくなった」と狩俣選手。しかし強豪校への進学など、いわゆるエリート街道を歩んだわけではない。大学卒業後働きながらプロを目指していた時期には、バスケをやめようかとさえ思ったという。だが、その苦しい経験が今の自分を支えていると話す。「だからこそハングリー精神がありますし、プロとしてプレーできる喜びも大きい。せっかく掴んだチャンスだからもっと頑張ろう!という原動力になっています」。
一方、「小さい頃は太っていて」と話す金丸選手。「野球が大好きだったんですけど、痩せなかったのでバスケをやりなさいと親に言われました。最初は練習がきつくてよくさぼっていましたが(笑)、試合でシュートを決めるのが面白くなってきて。中学で186㎝まで急激に身長が伸び、ジュニアオールスターに選ばれて、強豪校から声がかかって。運がよかったのだと思います」。そんな対照的な2人にお互いの印象を聞くと、狩俣選手は「金丸選手のシュート力には感動すら覚えます。波がなく、自分の仕事を徹底してこなす。その姿勢を尊敬します」と話す。また金丸選手も狩俣選手について「とにかくバスケに真摯。小さな疑問や意見にもしっかりと答えてくれて、頼りになる」と、お互いチームになくてはならない存在だと認め合う。
さらなるレベルアップで初のチャンピオンを目指す
新シーズンの目標は「もちろんチャンピオンシップ優勝です。ポイントガードとしてチームメイトの長所を引き出せるようにしたい」と狩俣選手。金丸選手は「個人の目標は、得点数をもっと伸ばし、攻撃のバリエーションを増やすこと」とさらなるレベルアップを目指す。エースとしての重圧は大きいが、オフは趣味の魚釣りで気持ちを切り替えているそう。「琵琶湖へバス釣りによく行きますね。そのあと温泉に浸かりながら自分のプレーについて考える。1人の時間を作ってモチベーションを高めます」。
真面目で面倒見のいい狩俣選手と、マイペースな金丸選手。最後にファンへのメッセージを聞くと、「Bリーグは選手と客席の距離が近いので、迫力と一体感があります。とにかく会場へ観に来てください!」と笑顔を見せた。3年目を迎え、ますます盛り上がるBリーグ。初の頂点を目指すシーホース三河の戦いから目が離せない!
B.LEAGUE 2018-2019
バスケ王国愛知!どのチームを応援する?
個性豊かな愛知の4チームをご紹介。ぜひ会場で応援しよう!
シーホース三河
B1 中地区
1947年創部、ホームタウンは刈谷市。リーグ優勝6回、天皇杯優勝9回。Bリーグ2017-2018シーズンは、B1中地区優勝、チャンピオンシップベスト4。3名の新戦力を迎え、強固なディフェンスと緩急のあるオフェンスでチャンピオンシップ優勝を目指す。
名古屋ダイヤモンド ドルフィンズ
B1 西地区
1950年創部、ホームタウンは名古屋市。Bリーグ2017-2018シーズンB1中地区2位。今シーズンはBリーグNo.1の走るチームを目指す。どこからでもシュートを放つ多彩なオフェンスで、毎試合85点以上が目標。
三遠ネオフェニックス
B1 中地区
1965年創部、ホームタウンは豊橋市。Bリーグ2017-2018シーズンB1中地区4位。全員で守り、リバウンドを取り、すばやく攻守を切り替える。今シーズンのスローガン「EDGE」を掲げて悲願のチャンピオンに向かう。
Fイーグルス名古屋
B2 中地区
1957年創部、ホームタウンは名古屋市。Bリーグ2017-2018シーズンB2中地区優勝。高さのある外国人選手とルーキーの伊藤大和・野崎零也選手を中心に強化したディフェンスと走るバスケを展開し、B2優勝を狙う。
取材・文=小山芳恵
撮影=中垣聡
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