なぜそこに“グランパス”!? 最下位から7連勝でサッカー版『メークドラマ』へ…秋田豊が大胆予想
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なぜそこに“グランパス”!? 最下位から7連勝でサッカー版『メークドラマ』へ…秋田豊が大胆予想

2018.09.11

J1前半戦を“断トツの最下位”で終えた名古屋グランパス。しかし後半戦に入ると、負けなしの“破竹の7連勝”を続けています。

そこで、名古屋グランパスの『メークドラマ』の可能性を独自分析。グランパスOBでサッカー解説者の秋田豊さんに、まさかの優勝はあるのか?「アジアNo.1クラブ」を決めるACL進出はあるのか?など、気になる今後を大胆予想していただきます!

グランパス、J1史上最大の逆転劇へ…

グランパスの今季の軌跡をたどると、まるでジェットコースターのよう。

いきなり開幕2連勝で首位タイのロケットスタートを切りましたが、ドロッドロの8連敗で、何と15試合も勝ちがありませんでした。

結果、前半戦は勝ち点10の断トツ最下位…。J2降格圏で折り返しました。

しかし、夏の大補強で5人の新戦力を獲得すると、グググーンと上昇気流へ!後半戦は現在負けなしの“7連勝”中です。

CBCテレビ・若狭敬一アナ:
「秋田さん、こうなってきますとやはりチームの雰囲気にも変化が?」

サッカー解説者・秋田豊さん:
「そりゃそうですよ。勝つっていうのはすごく『良薬』で、勝てないとプレーするのも怖くなりますから。そういう意味では雰囲気は変わっていると思います」

スポーツLIVE High FIVE!!スタジオ風景
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最下位から破竹の7連勝!その理由は

グランパスのいったい何が変わったのかと言えば、まず攻撃陣が覚醒!

前半戦は17試合15得点で1試合平均0.94点だったのが、後半戦は7試合で24得点。1試合平均で3.43点と大幅に増えました。

立役者は今季新加入のFWジョー選手と松本山雅から移籍のMF前田直輝選手!

ジョー選手は後半6試合で12得点、前田選手は移籍後8試合で4得点をあげています。

若狭アナ:
「まず秋田さん、ジョー選手の後半戦のプレーはいかがですか?」

秋田さん:
「いやもう数字に表れていますけど、これは“当たり前”なんです。それだけの金額を出して獲得している選手で、実績もありますし。ただやっぱりコンディションも良くなったと思うんですね。ちょっと痩せたこともあると思います。あともう一つは、前田選手。彼が入ることでジョー選手が生かされています。ジョーにとっては、自分の欲しい時に前田がパスを出してくれる、ルーズボールにクロスを上げてくれる。『こんなにいい相棒はいない』と多分思ってると思います。そして前田が入ったことで、シャビエル選手が非常に楽になりました。前半戦までは『シャビエルだけをつぶせばグランパスは大丈夫だ』と思われていたので」

若狭アナ:
「前田選手は東京ヴェルディユース時代、秋田さんの教え子なんですよね。どんな選手なんですか?」

秋田さん:
「そうですね、いじられキャラで、頑張ってるけど何か結果出せなくて泣いてるみたいなイメージでしたね。でもすごく男前でいい子なんです。それが松本山雅に行ってからガラッと変わりました。運動量が少なかったのがいっぱい走るようになって、今は動くことは何の苦でもない。もともと技術、左足、キック力を持っていたので、そこに走力がついてグラウンドの中を縦横無尽に動いてますよ。その中でグランパスにフィットしたのが運動量。なおかつ質がよかったんですね」

スポーツLIVE High FIVE!!スタジオ風景
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『なぜそこに金井』風間サッカーの真骨頂

もう一人、“攻撃陣”で忘れてはいけないのが、横浜Fマリノスから移籍のDF金井貢史選手。ディフェンダーなのに、移籍後7試合で4得点。今季シュート成功率が7本中6本の8割5分7厘!

サポーターの間では、『N・S・K =なぜそこに金井』が流行しているほどです。

若狭アナ:
「秋田さん、改めて金井選手の特徴なんですが、どんないいところがあるんでしょうか?」

秋田さん:
「やっぱり風間(八宏)監督のサッカーというのは、結構自由なところがあって、サイドバックがサイドバックじゃないんですよ。だからボールをつなぎながらゴール前に上がっていっても何の違和感もないですし、何も言われないし、これが“風間サッカー”。そこに金井選手がフィットしたということですね」

若狭アナ:
「味方を信じて走る勇気も必要ですし、運動量も必要ですし、スペースを突くセンスがもともとあるということなんですね」

秋田さん:
「そうですね。ただ、そこにちゃんとボールが出てくるんですよ。シャビエルもそうなんですけど、全体的に風間監督のサッカーをやるとみんな上手くなるんです。小林悠選手も風間監督の川崎フロンターレ時代にめちゃくちゃ上手くなったんです。それぐらい人を変える、上手くするサッカーなんですよね。だからそういう意味で金井選手が走っていれば、ボールが出てくると。そこで彼も自信をつかんでいて、今まで入らなかったシュートも力が抜けて入るようになると」

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レジェンド秋田豊の想像を超えたDF

一方、課題の守備陣を見ると、前半戦17試合33失点と1試合平均で1.94点とられていました。そこで後半戦に向け、FC東京からDF丸山祐市選手を、柏レイソルからDF中谷進之介選手をそれぞれ獲得したところ、これが見事に奏功!

実はこの補強について、秋田さんは以前に番組で「1対1の強さと組織力が重要な中、この人選は…」と、疑問視していらっしゃいました。

若狭アナ:
「さて、秋田さん…いかがですか?」

秋田さん:
「(深々と頭下げ…)申し訳ございませんでした!間違ってましたから、謝らなきゃ(笑) 僕の読み違いは丸山選手の能力。中谷選手も含め、本当に2人ともいい選手というのは分かってたんですが、これだけ個の能力が高いっていうのは分からなかったです。あとはチームをまとめて、ラインコントロールとか、組織的な守備がしっかりと後ろで出来ている。だから中谷選手が生きてるというのはあります。みんなが上手くコンパクトに出来て、失点も少なく出来ていると思います」

若狭アナ:
「攻守ともに今回の補強は大正解だったと?」

秋田さん:
「そうですね。特に丸山選手は大正解だと思います。あと前田選手も」

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“メークドラマ”最下位からのACLは?

後半戦負けなし!現在7連勝中のグランパスですが、このままいくと、サッカー界の“メークドラマ”、前半戦最下位からのACL出場も!?

アジアのナンバーワンクラブチームを決める国際大会・ACL。日本からはJ1の上位3チームと天皇杯優勝チームが出場権を獲得します。

グランパスはすでに天皇杯で敗退していますが、「J1の上位3チーム」に入る可能性が残されているのです!

若狭アナ:
「過去10年を見ますと、2008年にジェフ千葉が前半戦最下位から15位になったのが最高ということで、ジャンプアップというのは難しいんですが、今季のグランパスだったら出来るのではないかと…」

秋田さん:
「さすがに優勝は無理だとは思いますが、『上位3チーム』は可能性無きにしもあらずですよ。だって、ずーっと勝てなかったチームが7連勝。お金は使いましたけど、これはすごいことですよ」

若狭アナ:
「“メークドラマ”可能性その1として、3位チームの過去10年での平均勝ち点を計算してみましたところ、『61』でした。グランパスの現在の勝ち点は31ですから、そこに到達するためには残り『30』の勝ち点が必要となります。グランパスは残り10試合。1勝で勝ち点3ですので、残り『全勝』すると“メークドラマ”となるかもしれません。秋田さん、いかがでしょう?」

秋田さん:
「7連勝中のグランパスは、今出来ていることが続くという可能性もあります。ただ、1つ言えるのは10試合でだいたい1チームのピークは終わるんですよ。でも強いチームはそこからも調子があまり良くなくても勝率を維持できる。そこまで来ると本物です。ですが、だいたいのチームは10試合で大きな波が終わって、ちょっと勝てなくなってきます。それだと、この残り10戦全勝というのは難しくなってきますね」

若狭アナ:
「続いて、“メークドラマ”可能性その2。すこしハードルを下げて、3位チームのこれまでの最低勝ち点を見てみますと、2012年浦和レッズの『55』。この場合、残り10試合で勝ち点『24』が必要となります。これは8勝2敗または7勝3分けの数字です。これはどうですか?」

秋田さん:
「これはね、あります!8勝2敗はあると思います。でも僕…、言ったことだいたい外れるから(笑) けど可能性は絶対ありますよ!」

若狭アナ:
「今後の試合日程ですが、まず9月15日にホームでV・ファーレン長崎と対戦です。最下位のチームですが…」

秋田さん:
「いやいや…もう、『最下位』とかやめましょう。違うんです、最下位であろうが1位であろうが、どこが相手でも全力を出すだけです!『最下位だから…』というサポーターの気持ちが選手たちに乗り移っちゃいますから。ちゃんと1試合1試合という風にやっていけば、ダーッと連勝していけます。ただ、さきほど『10試合の波』の話をしましたが、今7連勝しているので、9試合目・9月22日の2位川崎フロンターレ戦と、10試合目・30日の5位セレッソ大阪戦がポイントになります。そこまで勝ち続けて10連勝し、続く10月7日の3位FC東京戦。ここまで勝ったら行っちゃう可能性はあります」

若狭アナ:
「最後に、秋田さんにグランパスがACLに出場できる確率を伺います!」

秋田さん:
「『30%』!これでかなり高いと思います。だって、虫が良すぎないですか!?最下位からACLって…(笑) だから、真面目にサポーターの皆さんもちゃんと『今の試合だけ』応援しましょう。頑張ってください!」

(9月9日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)

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