小学生の大会にスカウト集結…全国5連覇中の“卓球エリート中学”へ潜入! 驚きの最新育成事情
今年6月、2人の金メダリストを破った卓球日本のエース、張本智和選手は中学3年生!
また3月、日本代表に初選出された長崎美柚選手も中学生で日の丸を背負いました。今、卓球界では若手の育成がスゴイんです。
調べてみると、日本最強の中学生軍団が東海地方にいました!
中学生選手:
「(目標は)この星でイチバンになることです」
別の選手:
「オリンピックで優勝したいです」
さらに別の選手:
「張本君と一緒に世界で戦えるような選手になりたいです」
ここに未来のメダリスト候補がいるかも…。最強の中学校を取材すると中学卓球界の「今」が見えてきました!
日本代表選手に世界大会の優勝者も…
日本最強と言われているのは、名古屋市千種区の愛工大名電中学。なんと卓球の全国大会5連覇中です。
早速、練習にお邪魔してみると、やはりハイレベル!
大人顔負けのテクニックとスピードで、中学生とは思えないスゴイ身のこなしです。
中高一貫、ここで高校生とともに猛練習の日々。中でもすでに世界で活躍するダブルエースがいるとのこと。
まず一人目は、中学3年生の濱田一輝君!
2年前に13歳以下の全国大会のチャンピオンになり、現在15歳にしてU18日本代表。海外の大会でも好成績を収めています。
濱田君:
「2024年のパリオリンピック代表を目指してやっていきたいと思います。同学年の張本君と一緒に世界で戦えるような選手になりたいです」
そしてもうひとりのエースが、同じく中学3年生の篠塚大登(ひろと)君!
実は7月、卓球の本場・中国で、ある偉業を達成したんです。
篠塚君:
「15歳以下の、中学生以下の大会で優勝しました」
卓球王国・中国のトップ選手も出場する世界大会で見事優勝!将来のオリンピック代表も夢ではない逸材なんです。
全員がスカウト入部で寮生活
名電中学卓球部全11名、全国トップクラスの選手ばかり。でもなぜこんなに強いのか?
調査するべく彼らに密着してみると、さっそく驚きの事実が…。
名電中学卓球部のトレーニング場、そのすぐ横にはなんと学生寮。部員全員が、中学生にして親元を離れて寮生活しているんです!
洗濯や掃除はもちろん自分で行い、食事は栄養士がカラダづくりを考えたメニュー。
外出は年に数日だけ、あとはほとんど卓球漬けの毎日です。しかし、なぜ中学から寮生活をしているのかというと…?
Q.どこから来たんですか?
中村君:
「大分です。大分県です。」
Q.親と離れて気持ちとしてはどうですか?
中村君:
「ちょっとさみしいです。強くなるために名電に来たんで、ここでしっかり頑張ります」
実は、中学1年生の中村煌和(こうわ)君、去年の小学生全国大会のチャンピオン!スーパー小学生として地元・大分では有名だったんです。
さらに他の部屋の生徒にも聞いてみると…?
加山君:
「兵庫県です。親元を離れてでも、やっぱり卓球が強くなりたいです」
中学1年生の加山雅基(まさき)君も小学生時代、日本代表に選ばれ兵庫県から名電に。
また、中学2年生の鈴木颯(はやて)君も、小学生の全国チャンピオンになり、岩手からやってきました。
全11人中、ほとんどが愛知県外出身。彼らは一体どのようにして名電中学にやって来たのでしょうか?
加山君:
「(小学生の)東アジア大会の選考会で代表に選ばれてから、真田先生に誘われて…」
実は、名電の卓球部員は全員がスカウトで入部!金の卵を見つけているのが、名電中学の顧問・真田浩二(39)先生!
自身も名電中学出身。元卓球日本代表としても活躍した名コーチです。
小学生のスカウト事情を聞いてみると…?
真田先生:
「(小学生の)全国大会で色んな学校の監督・コーチが来てスカウトされています」
なんと卓球の小学校全国大会には各都道府県の強豪中学からスカウトが集結。卓球界では小学生時代からすでに選抜が始まっているんです!
真田先生:
「卓球ブームで卓球人口が増えてる中で、実は(幼稚園・保育園の)年中さんくらいから競争が始まっていて、すごく熾烈な争いになっていると思います」
卓球の勝負は、もはや幼稚園・保育園時代から。幼いころから全国を舞台に戦ってきた卓球エリートたちが強豪中学に集まり、切磋琢磨して世界レベルを目指します。
鈴木選手:
「世界選手権とかオリンピックで優勝して、この星でイチバンに」
中村選手:
「オリンピックで将来優勝したいです。金メダルを」
将来の金メダリストが名電から…?
夜8時…。
この時間になっても、世界を目指す卓球エリートには息つく暇がありません。選手たちが輪になって取り組んでいるのは体幹トレーニング。
一流の選手には一流のトレーニングを、と週1回わざわざ専属のトレーナーを呼んで、みっちりと指導してもらっています。まさに英才教育です!
さらに驚きなのが…。
真田先生:
「メンタルトレーニングを取り入れて、メンタル強化をしようと。相手に絶対負けない強い心が必要になってきますので」
なんと柔道金メダリストの野村忠宏さんなどを指導した専門家・岡澤祥訓さんにメンタルトレーニングを受けているんです。
そんな名電中学が目指しているのは…?
真田先生:
「世界の舞台で日の丸をつけて戦う選手が、テレビなどで放映された時に『名電のOBだ』『名電の出身です』と言われる選手を数多く育てることが私の目標です」
将来の金メダリストが愛工大名電中学から生まれるかもしれません。
(8月5日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)