インターハイが愛知に!高校生の夏2018
高校生の憧れの舞台、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)。今年は東海地方で熱戦が繰り広げられる。
この大舞台で栄冠を手にしたことがある愛知ゆかりの2人の選手に、当時の思い出や今後の目標について話を聞いた。
※平成30年6月15日発行のaispo!記事を再掲しています。
Interview 1 / 卓球
木造勇人
インターハイが大きな転機に
世界の舞台で華々しい活躍をみせている日本の卓球選手たち。愛知にも期待の新星として注目を集める選手がいる。昨年度のインターハイで三冠に輝き、中国でのワールドツアーでも優勝を果たした木造勇人選手だ。
姉の影響を受けて木造選手が卓球を始めたのは小学校1年の時。「練習が厳しくて行きたくないと思ったこともあります。でもその練習があって今の自分があると思う」と自身を振り返る。数々の大会で優勝を収めるも、「中学時代は納得のいく卓球ができなかった」と話す木造選手が転機を迎えたのは、高校1年のインターハイ。「自分で思っていた以上に爆発しました。それまで一度も勝てなかった相手にも勝つことができて嬉しかったです」。
結果は、シングルス準優勝、ダブルスは見事優勝。1年で大きな結果を残すことができた土台には、今枝一郎監督の教えがあると木造選手はいう。「卓球の試合は相手との駆け引きがカギ。いかに自分のほうへ流れを持ってくるかが大切です。その考え方や意識の持ち方をイチから教わりました。中学の時と違い、体作りや生活面に対する指導をしていただいたのも大きかったです」。練習中でもミスをすると厳しく指導される。そのプレッシャーに打ち勝つために、人一倍練習を積んだという。「インターハイ前の練習試合でも、1本でもミスをしたら叱られるので、とにかく全力で試合に挑みました。今思えばそのおかげで、インターハイでもプレッシャーに負けることなく試合ができたと思います」。
学校対抗(団体戦)、シングルス、ダブルスの三冠を達成した3年のインターハイでは、最初は調子が良くなかった。団体戦の4回戦、木造選手はシングルスで敗戦を喫し、精神的に大きく落ち込んだ。しかし、この敗戦が調子を上げる契機となった。「監督のアドバイスにより、食べる物を変えたり、ラバーを変えたりと、今までやってきたことを全て変えました。そこで切り替えられたことで、どん底から這い上がれたと思います」。三冠を勝ち取った時の気持ちは「嬉しいよりホッとした」と木造選手。「2年の時はダブルスで負けて三冠が取れなかったので、プレッシャーも大きかったです。最後の試合に勝った瞬間、大きな解放感を感じました」。
3年の時はキャプテンとしてもチームを牽引。口でとやかく言わず、自分のプレーでみんなを引っ張ってきた木造選手。「自分が真剣に練習すればみんなついてくる。団体戦では常に1番手として出て、チームの流れを作るように努力しました」。
世界を目指して練習を積み重ねる
インターハイで得たことを礎に、大学生となった今は世界を目指して練習をし続けている。「自分の強みは打球点が高いことと、前陣から中陣でプレーができること。これからは下がっても良いプレーができるように心がけて練習していきたい」といい、またウィークポイントは「パワーがないこと」だと話す。「相手に圧をかけられるようなドライブを打って、チャンスボールを一発で決めたい。競り合った時に、どれだけ攻められるかが重要だと思って練習しています」。
目標は、世界ランキング20位以内に入ることだ。そのためには、国内外のトップ選手に勝っていかなければならない。特に、一緒にダブルスを組んで戦った経験もある張本智和選手の存在は刺激になっているという。「彼のように一気に伸びる選手はあまりいません。でも、年下の彼が出来ているのだから、自分も頑張れば出来る、と思っています」。
最後に、インターハイに出場する後輩たちへエールを送った。「インターハイは高校生にとって特別な舞台です。同じメンバーで戦えるのはその年だけ。ひとつひとつの試合が最初で最後です。悔いが残らないように、監督も含めチーム全体で戦うことを楽しんでほしいと思います」。そして「次に三冠をとる選手を楽しみにしています」と微笑んだ。
Interview 2 / バスケットボール
粟津雪乃
悔しさをバネに宿敵を制した総体
昨年度、女子実業団バスケの全日本選手権などで準優勝をした「デンソーアイリス」。その強豪チームにフォワードのルーキーとして加入したのが、桜花学園でインターハイ三連覇に貢献した粟津雪乃選手だ。
中学時代にはジュニアオールスターで活躍、高校時代にはU-18日本代表にも選ばれた実力の持ち主。しかし高校2年の時、3年連続三冠、女子高校バスケ史上初の九冠達成がかかったウインターカップ決勝で、ライバル岐阜女子高校に惜敗を喫した。以来、チームメイトとともに猛練習を重ね、その成果があって、3年のインターハイでは決勝戦で見事岐阜女子高校に勝利。「たくさんの応援のおかげで、負けた借りを返すことができました。インターハイは日頃の練習の成果を発揮できる場所だと実感しました」と笑顔で話す。「先輩たちから受け継いだ“勝ち続けること”の難しさと大切さ。そして、チームがひとつになって勝つ喜びを分かち合うことができました」。
インターハイに出場する高校生へ「今までやってきたことを発揮して、チームでひとつになって頑張ってください」と話す粟津選手。自身もチームに貢献できる選手になるべく、これからも挑戦を続けていく。
取材・文=小山芳恵
撮影=江崎浩司
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平成30年度全国高等学校総合体育大会2018 彩る感動 東海総体
7月26日(木)~8月20日(月)までの約1ヶ月間かけて開催。
参加人数は約37,200人(平成29年度実績)という、まさに高校生最大のスポーツ大会だ。東海総体では「翔べ誰よりも高く東海の空へ」をスローガンに、 30競技が愛知をはじめ三重や岐阜など5県の会場に分かれて行われる。
koukousoutai.com/2018soutai
6つの競技が愛知で!
平成30年度は愛知、岐阜、三重、静岡、和歌山の5県で開催される。
愛知では卓球やバスケなど6競技を開催。ぜひ応援に行こう!
- 水泳(競泳・飛込)
- 8月17日(金)~20日(月)
日本ガイシアリーナ - バスケットボール
- 8月1日(水)~7日(火)
[男子] 一宮市総合体育館(DIADORAアリーナ、いちい信金アリーナA)
[女子] パークアリーナ小牧(小牧市スポーツ公園総合体育館)
[男女] ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館) - 卓球
- 8月3日(金)~8日(水)
スカイホール豊田 - ボート
- 7月29日(日)~8月2日(木)
愛知池漕艇場 東郷コース - フェンシング
- 8月1日(水)~5日(日)
知多市民体育館 - 少林寺拳法
- 8月3日(金)~5日(日)
西尾市総合体育館