“詳し過ぎる陸上解説者”増田明美さん「名城大は城築く!」高め合う18歳のライバル同士
国内トップクラスのランナーたちが集う全国高校女子駅伝。
かつて2016年の大会で、圧巻の9人抜きを見せた、笑顔がキュートな高松智美ムセンビ選手(18)!
父親はケニア出身で、国際大会での優勝経験を持つ元マラソンランナー。2歳上の姉・望選手もユースオリンピックで世界一に輝いています。
智美選手は、中学3年生の時に3000メートルで日本一に輝くと、その潜在能力を認められ、あの陸上男子・サニブラウン選手と同じ、特別な強化対象の「ダイヤモンドアスリート」に!
東京オリンピックでの活躍が期待され、2014年から18年まで4シーズン連続で選ばれています。
“詳し過ぎる陸上解説者”・増田明美さんも…。
増田明美さん:
「前に前にという積極性も世界レベルのアスリート。これから世界を舞台に日の丸をつけて立つ人だと思いますね」
“詳し過ぎる陸上解説者”も注目する智美選手とは?
そんな智美選手がこの春進学したのは、名古屋の名城大学。
女子駅伝部が去年、12年ぶりに全日本大学女子駅伝で優勝を果たすなど、日本一2度を誇る強豪校です。
実は智美選手、身長148センチとツワモノ揃いのチームメイトの中でも一際小柄…。
ところが、実際のレースとなると長身の選手と比べても体の小ささを感じさせない大きな走りを見せるんです!ここに世界を目指す智美選手“最大の武器”がありました。
増田明美さん:
「智美さんは足で走ってるのではなく、腕で走ってる感じね!ひじを後ろに引く力が強いから、それゆえに足も前に出るし、全身がバネでそれを走りに活かしています。野口みずきさんみたいですよ」
なんと、あのアテネオリンピック金メダリスト・野口みずきさんとフォームが似ているとのこと。
高松智美ムセンビ選手:
「逆に小さいから、『でっかい人に負けずに走ろう』という気持ちになれるんで、気持ちの面では強みになってます」
この負けん気と持ち前のダイナミックな走りで世界の大舞台を目指す智美選手。
しかし、取材を進めると、彼女の口から気になる言葉が…。
高松智美ムセンビ選手が意識する存在!
智美選手:
「自分的には、ユナはまだまだ自分より強いと思っているんで」
智美選手がその実力を認める“ユナ”とは、名城大学の同級生・和田有菜選手です。
高校時代に智美選手と同じくその名を轟かせたスーパースターで、偶然同じ名城大学に入学。5月に行われた大会では、智美選手の必死の追い上げを振り切り、優勝しています。
増田明美さん:
「和田有菜選手の走りは、体幹がしっかりしていて体がブレないから、頭の位置が変わらないんです。無駄なく走れるっていうのも、これから距離を伸ばしていくと強さが際立ってくると思います。智美選手・有菜選手はお互いが認め合ってるのね。そんなライバル同士は両方が伸びます。名城大学は“城”を築きますよ!」
この環境に二人は…。
和田有菜選手:
「ライバルというか、意識はしている存在で、刺激をもらっていました」
智美選手:
「(大学で)同じチームになるって知った時は飛び上がりました(笑)」
そんな二人は、トラックを離れても仲良し!大学生らしく、束の間のオフは一緒にお出かけすることも。
さらには寮でも寝る部屋は一緒。しかし、これは“仲良しだから”ではなく…?
智美選手:「低酸素ルームです」
2人の部屋は、寮に2つしかないスペシャルルーム!室内の酸素濃度を薄め、標高1500m以上の高地の環境を人工的に作ることができるんです。
ここで寝ることにより体の機能が向上。良いパフォーマンスを発揮するために睡眠時間もトレーニングです!
生活を共にする親友でもあり、トラックではお互いに刺激し合う二人…。
Q.一緒にレースをするとしたら、どういう結果にしたいですか?
智美選手:「競り勝つ!」
有菜選手:「負けずに頑張りたいです」
2人は6月7日から、日本代表として、岐阜で開かれているアジアジュニア選手権に出場。
1500mに出場した智美選手は、持ち前のダイナミックな走りを披露しますが、2週間前に痛めた左足の影響で満足に練習が積めず、結果は惜しくも2位。
それでも視線はすでに「次」へと向いています。
智美選手:
「今後は、ひとつひとつのレースで上位を狙っていって、世界の舞台でも動じずしっかり走れる選手になりたいです。東京オリンピックについては、自分にとっては大きな舞台なので、 まだまだ先なんですけど、大きな目標として頑張っていきます!」
(6月10日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)