「東海地方に女子野球を…」女子プロ野球選手・愛知ディオーネ寺部 地元で弾ける野球愛
女子プロ野球チーム・愛知ディオーネのキャッチャー、寺部歩美選手(25歳)。
出身は愛知県の豊川市。通算打率は3割を超える、女子プロ野球を代表するスラッガーです。
CBCテレビ・若狭敬一アナ:
「地元に帰ってきて、いかがですか?」
愛知ディオーネ・寺部歩美選手:
「応援してくださる方が多いですし、やっぱりうれしくて気合いが入ります」
愛知ディオーネは、去年まで兵庫県淡路市がホーム。2年連続リーグ優勝を果たした強豪チームが今年3月、愛知県に移転してきました。
地元・愛知で野球ができて「うれしい」と話す寺部選手ですが、うれしいと同時にこんな気持ちにもなったそうで…。
寺部選手:
「最初は、すごく不思議な感覚でした。本当にうれしいという気持ちもあったんですけど、なんか不思議な感覚でした」
寺部選手が野球をはじめたのは、父・誠一さんが監督を務めていた地元・豊川市の少年野球チームでした。
寺部選手の父・誠一さん:
「自分の娘だから欲目もあったかも分かりませんが、チームの中では常に中心の選手でしたね。よく家の中でキャッチボールもやりましたし、野球が好きでした」
中学までは、男子と一緒に地元で野球を続けていた寺部選手。しかし、進路を決める時、“愛知の高校に女子野球部がない”という厳しい現実が待っていました。
誰にも負けない『野球愛』
寺部選手:
「女子野球部が全国に5校しかなくて、埼玉か東京か鹿児島の5校だったので、野球をするなら愛知から遠いところへいくっていうイメージしかなかったです」
父・誠一さん:
「娘が進路について悩んでいた時に、知人から『女子の硬式野球やっている高校があるよ』と聞いて、娘を車に乗せて見に行きました」
野球を続けるため、寺部選手が選んだ道は「地元を離れる」ということ。埼玉県にある女子硬式野球部の名門・花咲徳栄高校への進学でした。
当時15歳の大きな決断。それを支えたのは…。
寺部選手:
「1番はやっぱり野球が大好き、やっていて楽しいということでした。野球が大好きじゃないとここまで、続けてきていないと思います」
誰にも負けない『野球愛』。同じプロであるチームメイトでさえ…。
愛知ディオーネ・中田友実選手:
「すごくマジメです。野球に対して。一人黙々とティーバッティングをしていて、野球が好きなんだなぁって思います」
地元・愛知を離れ、野球をすること10年。寺部選手の「愛知に帰ってきた」という思いは数字にも表れています。
取材時点(5月16日)で、ホームでは何と21打数10安打・打率4割7分6厘!一方の愛知県外では同じ打数で5安打・2割3分8厘なので、『2倍』打っている計算です。
幸せをかみしめながら野球をする寺部選手。地元でプレーできる喜びを知るからこそ抱く、今の夢は…?
寺部歩美選手の夢とは?
寺部選手:
「将来的には東海地方に女子野球を広められるように、女子野球が当たり前のスポーツというか、小さい女の子も野球ができるというのが当たり前になるようになったらなって思います」
≪インタビューはフリーマガジンでも!≫
今回、CBC・若狭敬一アナが、寺部選手やチームのエース・里綾実投手にインタビュー取材した内容は、愛知県が発行するスポーツフリーマガジン「aispo!」の17号(6月15日発行予定)にも掲載。名古屋鉄道主要各駅のほか、CBC会館(名古屋市中区)1階のCBCラヴァースショップなどにも設置されます。
(6月3日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)