Bリーグ日本一へ…シーホース三河・エース比江島が深化を見せた『去年と同じ場面』
プロバスケットボールの日本一を決めるトーナメント、Bリーグチャンピオンシップ。
その激戦を戦った、愛知県刈谷市を本拠地とするシーホース三河。悲願の日本一へ向けて並々ならぬ決意を秘めた男がいました。
シーホース三河・比江島慎選手:
「去年悔しい負け方をした分、今年はかける思いが違いますし、今年こそは優勝したいので」
「比江島ステップ」とも呼ばれる独特のステップと、試合終盤の勝負強さで、チームの絶対的エースに君臨する比江島選手。
しかし今シーズンの活躍の裏には、去年のある苦い経験がありました…。
去年のチャンピオンシップ準決勝。
1勝1敗で迎えた栃木ブレックスとの第三戦。試合時間残り28秒、2点のリードの場面で、比江島選手は自ら勝負を仕掛けるも、最後にシュートでなくパスを選択。ボールを奪われたことで同点に追いつかれ、結果、ファイナル進出はなりませんでした。
比江島選手:
「自分のミスだったり判断ミスだったり、弱気になってしまって、勝ちゲームを逃しました」
あれから一年…。
リーグ最高の勝率8割でチャンピオンシップに臨んだシーホース三河。準々決勝で顔を合わせたのは、奇しくも去年敗れた栃木でした。
初戦に勝利し、王手をかけた第2戦。すると去年と同じシチュエーションを迎えます。
残り30秒、わずかに1点のリード。ここでボールを手にした比江島選手が選んだのは、パスではなくシュート!ボールは見事リングに吸い込まれ、栃木を撃破。去年の雪辱を果たしました。
比江島選手:
「去年の試合も、試合の前に何度も見直しましたし、勝利に導くシュートを決められてよかったです」
そして迎えたアルバルク東京との準決勝。
1戦目を延長戦の末に落として後がない三河でしたが、2戦目も序盤から順調に得点を重ねる東京に対し、なすすべなく防戦一方に。
14点差をつけられ迎えた第4クォーター、残り時間6分。ここから比江島選手が圧倒的な輝きを放ちます。
得点とアシストを次々に決め、点差を3点にまで縮めると、残り時間わずか20秒で放った起死回生のスリーポイントシュートが炸裂し、同点に。
諦めないエースが崖っぷちのチームを救いました。
しかし、続く延長戦では再び東京にリードを許してしまいます。試合の最後、2点をリードされた場面、逆転を狙った比江島選手のスリーポイントシュートは…リングに弾かれ、無情のブザー。
シーホース三河のBリーグ頂点への挑戦は幕を閉じました。
試合後の比江島選手が語る
チームの司令塔・橋本竜馬選手:
「やっぱり比江島がエースですし、結果として外れてしまいましたけど、そこに対して悔いはないです」
比江島選手:
「まだ何か足りない部分がきっとあると思うので、そこでしっかりステップアップして、チームを勝利に導ける選手になって、また帰ってきたいと思います」
この敗戦が、またエースを一回り大きくする…。
(5月27日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)