5月20日未明（日本時間）に行われたXゲームズ・ノルウェー大会のスノーボード女子ビッグエア決勝。

岐阜県岐阜市出身の13歳・村瀬心椛選手が、超大技「バックサイドダブルコーク1260」を同大会で女子として初めて成功させ、Xゲームズ冬のスポーツ競技史上最年少で金メダルに輝きました。

そんな心椛さんに、大会前に密着！スノーボードを自在に操り、スゴ技を連発する彼女の強さの秘密を解き明かします。

心椛さんが普段練習しているのは、岐阜県にある国内最大級の室内ゲレンデ「スノーヴァ羽島」。初めて出場するXゲームズに向け、調整に余念がありません。

Xゲームズとは冬季競技などの世界最高峰のプロ大会。

オリンピックメダリストも他の大会そっちのけで出場するほどの、超ハイレベルな大会なのですが、驚くべきことに心椛さんは今回が初出場にもかかわらず、いきなり「優勝候補」だったんです。

その理由は、13歳にして世界で彼女にしかできない超大技「バックサイドダブルコーク1260（トゥエルブ・シックスティ）」！

空中で「縦向きに2回転」、「横向きに1260度」つまり3回転半するトリックで、心椛さんは、今年1月に初めて成功させました。

Q.この技ができる人は世界に何人くらいいるんですか？

心椛さん：
「私だけです。女子の中でなら私だけです。Xゲームズでも出します」

初出場で、世界でたった一人の技を出し、初優勝を狙う…。恐るべき13歳です。

スノボ好きの両親の影響で4歳から始めた心椛さん。当時最年少記録の10歳でプロ資格を取得すると、13歳で世界トップクラスの実力に。

そして去年、18歳以下の世界一を決める大会で2連覇を達成！

今年の3月には、年齢制限で出場できなかった平昌オリンピックのメダリストが集結した国際大会で4位に入賞し、“スノーボードの未来”と世界から絶賛される超注目株なんです。

金メダルを取れるアスリートに育った秘訣は？

どうしたらこんな凄いアスリートが育つのか…と、その秘密に迫りたい取材班。練習終わりの彼女についていき、父親の車のドアを開けてもらうと、車室が不思議な「上下二分割」に…。

Q.トランクが変な感じになってますけど…お父さんこれ何ですか？

心椛さんの父親・功一さん：
「上にマットレスを敷いて寝やすくしてあるんです。土曜日に練習に行ってまた日曜日も練習ってなったりすると車の中で寝て生活してます」

車には、そんな父親手作りベッドだけでなく、電子レンジも完備。車内で食事がとれます。

シーズン中には、毎週のように練習や試合で全国各地に遠征するため、節約の意味も込めて車をキャンピングカー仕立てにしたんだとか…。

そして、岐阜市にある自宅にもお邪魔すると、庭にさらなる強さの秘密が！

Q.……これ、何ですか？
心椛さん：「トランポリンです」

何と、自宅にはトランポリンが！体幹が鍛えられるのに加え、空中感覚を養うのにもってこいのトレーニング器具なんだそうです。

家族からの全面サポートを受け、13歳にして世界の舞台で戦う心椛さん。

Xゲームズでの目標を聞くと…。

心椛さん：
「Xゲームズ、優勝したいです。します！『バックサイドダブルコーク1080』と『1260』その2つは決めて、違う技もちゃんと決めて、まわりの歓声もあって楽しく優勝して帰ってきたいです」

取材後の5月20日未明、Xゲームズ・ノルウェー大会・スノーボード女子ビッグエア決勝で、心椛さんは3本目で大技「バックサイドダブルコーク1260」に挑戦し、成功。

オリンピックメダリストたちを抑え、初出場で初優勝と見事に有言実行を果たしました！

実は番組の取材でMC若狭アナが発掘した逸材！4年後の北京五輪で一躍メダル候補の大注目選手になりました。皆さんお忘れなく！

（5月20日（日）午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より）