大谷翔平超えの"三刀流"!『大阪桐蔭・根尾昂列伝』スキー世界大会出場にオール5も
今年の春のセンバツ高校野球で最も話題を集めたのが、史上3校目のV2を成し遂げた大阪桐蔭高校3年の根尾昂選手。
出身は岐阜県飛騨市。人呼んで『飛騨の怪童』!
プロも注目するのはその常識破りのスタイルです。
マウンドではMAX148キロの速球。打ってはスター揃いの大阪桐蔭でクリーンアップを任されるパワフルなバッティング。そしてマウンドを離れると、内野の要・ショートで魅せる華麗な守備…。
そう、なんと"三刀流"!メジャーで活躍する大谷選手の二刀流超えです。
根尾昂選手
「ショートを守らせてもらったり、ピッチャーをやらせてもらったりしてますけど、グラウンドの真ん中にいるのが好きです」
そんな根尾選手について、野球解説者の赤星憲広さんはプロ入りにこんな大胆予想も…。
赤星憲広さん
「全球団が欲しいんじゃないですか(笑) それぐらいの選手ですよ。どこが完成形か分からないんですけど、まだ5割くらいしかいってないんじゃないかな」
データで見る三刀流
まだまだ伸びしろは十分だという根尾選手。センバツ今大会での活躍を数字で振り返ってみます。
全5試合に出場し、野手としての打率は何と5割!18打数で9安打8打点を記録しました。中でも特筆すべきは「三振0」。選球眼に優れていて、ボール球に手を出さないという特長があります。
そして投手としては今大会最速タイの147キロをマーク。26回を投げて防御率は1.04、奪三振は何と26。平均すると毎回三振をとっているということに!
根尾昂の怪童ストーリー
根尾選手は岐阜県飛騨市河合町出身。人口わずか1017人(平成27年10月1日現在)、豪雪地域にある町です。
河合小(古川西クラブ)時代は、中日ドラゴンズジュニアに選出され、小学校6年生当時で最速128キロという異世界…。
今大会のセンバツでも最速で同じくらいのピッチャーもいたため、小6で既に高校生レベルだったということになります。ちなみにその頃、スポーツテストなどで行われる『ソフトボール投げ』では驚異の89メートルを記録したそうです。
そして中学校では飛騨高山ボーイズというチームで活躍。中3にして最速146キロをたたき出し、世界大会のメンバーに選ばれた決勝戦では、ハワイのチームを相手に投打にわたって活躍しました。
しかも中学校の成績は『オール5』!運動だけでなく文武両道の根尾選手。ちなみに中2の時、スキーの全国大会で優勝し、イタリアでの世界大会にも出場経験があるんです。
赤星セレクト!センバツプレー・ベスト3
そんな根尾選手の今センバツでのベストプレーを、野球解説者の赤星さんに選んでいただきました。
第3位「打球スピードにも注目!ザ・チーム愛バッティング(1回戦VS伊万里)」
1点を先制した一回ウラ。根尾選手にとっての今大会初打席。普通なら強振して、いい所を見せたい!と思う場面で、コンパクトにバットを振り抜き、レフト方向へ。
自分よりチームを優先し、追加点を奪ったバッティングが第3位でした。
第2位「まさに狙い打ち!センス抜群の一打(決勝VS智弁和歌山)」
2点を追いかけるランナー1塁の場面。ライト方向へのヒットでさらにチャンスを広げたいところ。すると、打球は1・2塁間を抜け、見事ライト前へ。
赤星さんは、「根尾選手は間違いなく引っ張れる(ライト方向へ打てる)ボールを待っていた。一発でそれをヒットにする技術が凄い」と絶賛!
第1位「他の人にはできない!超絶フィールディング(決勝VS智弁和歌山)」
1塁にランナーを背負った、根尾投手。2塁に進めたくない場面で出たビックプレーです。送りバントの打球を、捕った瞬間振り返ってセカンドへ送球。見事、ダブルプレーに!
さらに準決勝でも、同じような場面でバントゴロを目一杯手を伸ばして捕球すると、迷うことなくセカンドへ矢のような球。これぞ、三刀流の真骨頂!普段ショートを守っているからこそできる、他の人にはマネできない超絶フィールディングなのでした。
根尾選手がよく比較される、エンゼルスの"二刀流"大谷選手の場合、日本のパ・リーグでもメジャーでも、指名打者として打ち、調整期間を経てピッチャーという形。
しかし仮に根尾選手がセ・リーグのチームに入団すると、野手として打席に立って、ショートを守り、リリーフピッチャーとしてそのままマウンドへ…という"三刀流"がプロで見られる可能性も!
根尾選手のこれからの活躍に、夢は膨らみます。
(4月8日(日)午後1時24分放送 CBCテレビ『スポーツLIVE High FIVE!!』より)