これが立浪新監督の“オーラ”なのか!ドラゴンズ沖縄キャンプ驚きの見聞録

これが立浪新監督の“オーラ”なのか!ドラゴンズ沖縄キャンプ驚きの見聞録

新生・立浪ドラゴンズの春季キャンプ。毎年キャンプ地で取材を続けてきたが、2022年の沖縄で目にしたものは、これまでとはひと味もふた味も違う“竜の胎動”だった。1軍キャンプ地の北谷町を舞台に目撃したものとは?

屋内練習場で見たものは?

立浪監督とダヤン・ビシエド選手©CBCテレビ

那覇空港には2月下旬特有の肌寒い雨が降っていた。少し霞がかかった国道58号線を走り、中日ドラゴンズ1軍のキャンプ地である北谷町へ急ぐ。新庄剛志“BIGBOSS”率いる北海道日本ハムファイターズとの練習試合は雨天中止。ドラゴンズナインは北谷公園内の屋内練習場に集結していた。傘を差しながら中をうかがうと、探す必要もなく、すぐに立浪新監督の姿が見つかった。背番号「73」のユニホームの上にウインドブレーカーを着用していてひと目では分かりにくいはずなのだが、指揮官はどこにいるのか瞬時でわかる。ダヤン・ビシエド選手に打撃指導をしている場面だった。醸し出す空気感が違うのだ。これが3代目「ミスター・ドラゴンズ」のオーラなのだろう。

とにかく動く“ミスター・ドラゴンズ”

立浪監督が投手陣指導©CBCテレビ

キャンプ中、新監督は精力的に動き回っていた。その度に周囲の空気も動く。ある時はメイングランドで、シート打撃をじっと見守っていた。この日は2軍から呼んだライデル・マルティネス、ジャリエル・ロドリゲス、そして福谷浩司の3投手がマウンドに立った。打席には大島洋平選手やダヤン・ビシエド選手ら中心打者が立つ。近づくキャンプ打ち上げを前に、計画的な練習が進んでいた。またある時はサブグランドだった。投手陣が本塁封殺のタイミングをチェックしている輪の中に、いつのまにか立浪監督の姿があった。北谷公園という広い舞台を、めまぐるしく動く動く。しかしその動きには、どっしりとした落ち着きが感じられるから不思議だった。

グッズの人気No.1はこの人

沖縄キャンプ限定キーホルダー©CBCテレビ

球場横に設けられたキャンプグッズ売り場。かつては松坂大輔投手の「99」や「18」、その後に根尾昂選手の「7」と、毎年、背番号入りのユニホームやキーホルダーなどキャンプ限定グッズはファンの人気を集めるが、今年の売れ行きナンバーワンは立浪新監督の「73」。それも2位以下にダブルスコアの差をつけての“ダントツ”だと担当者は話してくれた。ちなみに2位は「2」番と「7番」、石川昂弥選手そして根尾昂選手である。グッズ売り場においても、新監督のオーラが席巻していたキャンプだった。

北谷新町長が期待を語る

立浪監督と渡久地町長(提供:北谷町)

キャンプ地である北谷町の役場を訪れた。役場ではキャンプ期間中に、毎年必ず窓口の職員を中心に、思い思いのドラゴンズユニホーム姿で業務に当たる。本拠地である名古屋でも是非見習ってほしい盛り上がり、今年も健在だった。4期16年務めた野国昌春町長の後を受けて11月に就任したばかりの渡久地政志町長が語る。
「選手時代から応援していたスター立浪さんが監督として北谷に帰ってきた。町は盛り上がっています」
新監督に新町長、どちらも2021年11月に誕生したばかり、これも沖縄で大切にされる人と人との“縁(えにし)”であろう。

沖縄のドラファンも熱く

北谷町役場©CBCテレビ

新型コロナの感染防止のため、練習をスタンドで見学するためにはスマホなどでの事前登録が必要なのだが、スマホを持たない年配の町民から、役場には問い合わせが殺到したという。観光課の宮里泰明課長によれば「練習を見たいのだがどうしたらいいのか?」と、町内に住む昔からのドラゴンズファンからの電話を、課長自身も度々受けたそうだ。オールドファンにも火が点いた。「新庄フィーバーの名護キャンプ地には負けたくない」。
かつて星野仙一監督時代の1996年に北谷町でキャンプを行うようになって27年目。立浪新監督が誕生して、沖縄のキャンプ地・北谷町にも新しい風が力強く吹いていた。
 
立浪監督自らの新型コロナ陽性という、思わぬ出来事もあったが、およそ1か月もの沖縄でのキャンプは、1軍の北谷町、2軍の読谷村、それぞれ大きなけが人も出すことなく打ち上げとなった。新監督のオーラは、本格化するオープン戦の中で選手へとバトンタッチされていくはずだ。その先に待つ開幕の日へ、ファンにとって楽しみな日々が続く。
                            

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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