全財産で賠償も?自宅で開業するための必要な手続き
自分の特技を活かして開業しようと思い立ったものの、実は思わぬ初期費用や手続きがかかるということがあり、注意が必要です。7月27日放送の『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、開業に関する相談に対して小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、針田真吾さんが回答しました。聞き手は北野誠と大橋麻美子、シンガーソングライターの河原崎辰也です。
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今回、番組で取り上げた相談のおたよりは次のとおりです。
「私は現在、会社員として勤務しており妻とこどもがおりますが、こどもがある程度大きくなってきたこともあり、これまで専業主婦だった妻が『自宅で美容関係の仕事を始める』と言いました。
以前働いていた職場から声をかけられたそうですが、そこで働くというわけではなく、あくまでも個人事業主、業務委託として働くそうです。
それほど大きな設備投資は必要ないため、費用面の心配はしていないのですが、さまざまな申請手続きが必要なのではないかと気になります。
妻も初めての開業ということで、細かいところはあまり把握しておらず、注意点などあれば教えてください」(Aさん)
行政機関へ必要な届出
自宅で開業するため、新たに店舗を借りるといった手続きは不要ですが、だからといってすぐに開業できるわけではありません。
針田さんが最初に挙げた必要なことは、行政への届出。
特に美容の場合、首から上のカットや髭剃り、パーマやメイクなどを行なう際は保健所に届出が必要で、自宅で開業する場合でも、所定の衛生基準を満たす設備が必要となります。
一方、ネイルやボディエステなどは届出は不要ですが、マツエクは首から上なので届出は必要。
ただ、必要があるかないかわからないので届出をせず、後から万が一トラブルになって裁判を起こされた場合、個人事業主は「無限責任」といって全財産をもって賠償しなければならないとのこと。
「よく確認した方が良い」とアドバイスする針田さん。
青色申告のメリット
開業届は開業から1ヶ月以内に税務署へ書面かオンラインで届ける必要があります。
開業届を出すと、銀行で店の屋号を付けた口座の開設ができます。また国から自治体の補助金や助成金が出る場合に必要となります。
また、個人事業主は税金を納める際に青色申告を行った方が税制上、メリットがあります。
貸借対照表の作成など手間がかかりそうですが、最近はお手頃な会計ソフトが販売されており、「上手に利用できるとメリットは大きい」と針田さん。
青色申告の税制上のメリットについて、針田さんは4つ挙げました。
1つ目は青色申告特別控除で、事業所得から最大65万円控除されるという点。
2つ目は事業者に対して専従者給与といって、配偶者などに対して支払う給与を必要経費として落とせる点。
また、貸倒引当金という売掛金や貸付金が貸し倒れになる見込みとして、年末時点の貸金のうち5.5%を経費にできたり、最大3年間は赤字を繰越できるといったメリットがあります。
住宅ローンや加入保険なども要注意
では、行政機関以外に対して必要な届出はあるのでしょうか?
自宅が住宅ローンを借りて購入している場合は金融機関、マンションの場合は管理会社、その他には保険会社などが当てはまります。
住宅ローンを借りている場合、もともとは契約者本人や家族が住むための住居を購入する資金として融資を受けています。
これが店舗として建物を使う場合は目的が逸脱しているとみなされる可能性があり、場合によっては店舗部分で使用している面積分はいったん返済し、あらためて事業用ローンに借り換えるよう促されることもあるそうです。
また、分譲マンションの場合、不特定多数の人たちが出入りすることで管理会社にクレームが入る可能性がありますので、こちらも注意が必要とのことです。
戸建てなら問題ないかといいますと、そうとも限りません。こちらも都市計画法や建築協定により、エリアによっては厳しく規制されています。
この他、保険会社にあらかじめ伝えておかないと、通知義務違反で火災保険などが下りないことがあるため、各所と伝えておく必要があるようです。
(岡本)
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