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グリーンランド買収に関税圧力。トランプ大統領の本当の狙いとは

グリーンランド買収に関税圧力。トランプ大統領の本当の狙いとは

アメリカのドナルド・トランプ大統領がデンマーク自治領グリーンランドの領有を主張し、反対するヨーロッパ8カ国に追加関税を発動すると表明しました。1月19日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この動きの背景にある思惑について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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NATO揺るがす関税措置

トランプ大統領は以前から「グリーンランドはアメリカのものだ」と主張しています。この領有を認めないヨーロッパ8カ国に対し、2月1日から10%の追加関税を発動すると表明しました。

さらに6月1日には関税率を25%に引き上げ、グリーンランドの完全かつ全面的な買収の合意が成立するまで継続するとしています。

反対しているのはデンマーク、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、オランダ、フィンランド、ノルウェーの8カ国です。これらの国々は「関税の脅しはアメリカとヨーロッパの関係を損ない、危険な悪循環を招く恐れがある」と共同声明を発表しました。

ヨーロッパとアメリカの間には軍事同盟や北大西洋条約機構(NATO)の枠組みがあり、こうした関係を揺るがす恐れがあると見られています。

矛盾する主張の裏側

石塚「困ったおじさんですね」

トランプ大統領がグリーンランドを欲しがる理由として当初挙げていたのは、中国やロシアの北極圏進出への懸念でした。グリーンランドはカナダの北側に位置し、その先には北極海を挟んでロシアがあります。地政学的に見れば、ロシアや中国がこの地域に進出するのを防ぐ必要があるという主張には一定の説得力がありました。

しかし、ここにきて矛盾が見え始めています。ヨーロッパ諸国が「我々がグリーンランドを守る」と軍事訓練や兵士の派遣を始めると、トランプ大統領は難色を示したのです。

安全保障上の理由なら、ヨーロッパの防衛で事足りるはずです。では、本当の狙いは何なのでしょうか。

石塚「中国やロシアのことはもちろんあるんでしょうけど、多分、トランプ大統領が本当に狙っているのはレアアースじゃないかと」

グリーンランドから北極にかけては鉱物資源が豊富に埋まっています。中国やロシアもそれを狙ってこの地域に進出しているとされています。

石塚「トランプさんはそれをヨーロッパに渡す気はなく、アメリカのものにしたい」

列強帝国主義の再来か

ベネズエラへの軍事攻撃では原油、グリーンランドではレアアースと、アメリカがすべてを自分のものにしたいという思惑が透けて見えます。第2次大戦前の列強帝国主義の時代と発想がほぼ一緒だと石塚は指摘します。

石塚「多分ロシアや中国は大喜びですよ」

トランプ大統領の発言でアメリカとヨーロッパの関係が悪化すれば、ヨーロッパによるウクライナ支援が後回しになってしまいます。

石塚「プーチン大統領や習近平主席は『しめしめ』と思っているはずですよ。トランプ大統領のおかげで我々の思い通りになりそうだと思っている可能性がある。それが嫌ですねっていうか、困ったもんですよね」

ダボス会議でも議題に

スイスで開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)には、各国の首脳や政治家、経済人が集まります。今回はトランプ大統領も参加するため、本来のイベントに加えて様々なミーティングや会談が行なわれる見込みです。

当初はウクライナ問題が重要な議題になると見られていましたが、NATOの代表との話し合いも予定されているとの情報もあり、グリーンランド問題も議論される可能性があります。

石塚「ダボスがいつも以上に熱い」

グリーンランドでは、トランプ大統領の動きに抗議するデモも行なわれています。
(minto)
 

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