一人二役が見どころ。ミュージカル「フランケンシュタイン」の魅力

4月18日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、パーソナリティの安藤渚七がイチ押しのミュージカルについて熱く語りました。東京の池袋にある「東京Brillia HALL」で、ミュージカル「フランケンシュタイン」を観劇してきたという安藤。西村俊仁アナウンサーに、興奮冷めやらぬ様子でその推しポイントを解説します。
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誰もが知っているゴシックロマンの代表作である「フランケンシュタイン」を、大胆なストーリー解釈とメロディアスな音楽でミュージカル化したという本作品。
韓国で2014年に初演されて以来10周年を迎える人気作であり、韓国ミュージカル界を代表するヒット作の内のひとつです。
日本では2017年に初めて上演され、熱狂的な支持を得たこの舞台。続く2020年の再演も大反響を呼んだそうで、熱心なファンも多いとか。
そしてこの春5年ぶりに日本に帰ってきて、今回で累計三度目の上演となるようです。
友情と復讐
安藤「ストーリーを簡単に説明します」
舞台は19世紀の初め、戦争真っ只中のヨーロッパ。生きる意味を見出せないアンリ・デュプレという軍医が、ビクター・フランケンシュタインという科学者と出逢うところから物語は始まります。
安藤「アンリがビクターに命を救ってもらったことがきっかけで、2人はだんだん硬い友情で結ばれていくんです」
ビクターは科学者として、軍の指揮の元で戦死した死体を蘇らせるという、いわば生命創造の研究に挑んでいました。
安藤「アンリは感銘を受けて研究を手伝っていくんですが、その中で殺人事件に巻き込まれてしまいます」
本当は無実なアンリですが、ビクターを庇うという形で死刑になってしまいます。ビクターは自責の念や後悔など様々な思いに駆られてアンリを生き返らせようと決意しました。そしてその亡骸に今までの研究の成果を注ぎ込み、なんとか蘇生させようと試みるのです。
安藤「でも、誕生したのはアンリの記憶を失ってしまった怪物だったんです」
西村「甦りはしたんだ。でもアンリではなかったと」
蘇ったアンリは自分を産み出したビクターに対して強い恨みを抱き、復讐しようとするのでした。
安藤「かつては大親友であった2人がすれ違ってしまう、ちょっと悲しいストーリーなんですね」
話題を呼んだ一人二役
そんな壮大なストーリーもさることながら、安藤が驚いたポイントは他にもあるのだとか。
安藤「物語の中心人物になるメインキャスト全員が、一幕と二幕で全く違う人物を演じるんですよ」
西村「全く違う役をやるの?それ面白い!」
いわば一人二役というこのトリッキーな演劇的作劇が、ミュージカル「フランケンシュタイン」をより面白くさせていると語ります。
安藤「例えば1幕では陽気で明るくてみんなにめちゃくちゃ好かれてたようなキャラクターが、2幕になった途端に超極悪人になったりするので」
西村「え!混乱するね!」
安藤「本当にその通りなんです。2幕が始まってすぐは『ついてけない!』と思って、心が掻き乱されるんです」
でもそれそこがこの舞台の大きな魅力なのだとか。一人二役だからこそ、キャストの色々な表情や声色を見て感じることができて、終始新鮮で面白いと安藤。
安藤「そんな顔もするの?みたいな感じで。どんどん引き込まれちゃいます」
一人二役を演じ分けるキャスト陣の表現力が、「フランケンシュタイン」というミュージカルにどっぷり入り込めた理由の内のひとつのようです。
安藤「歩き方一つとってもそう。まばたきのスピード、呼吸の仕方といった細かいところまで変化させていて、その演技力に圧倒されました」
音楽の臨場感
安藤「そして私がこのミュージカルを見た感想なんですけど、とにかく迫力がすごい!」
これだけ聞くと月並みだと思われそうな感想ですが、そう感じたのには理由があるのだとか。
安藤「客席の前にオーケストラピットがあるんです」
西村「生演奏なんだ!」
なんとミュージカルの音楽はオーケストラによる生演奏。それに加えてライトの光の使い方も印象的だったようです。そもそものストーリー展開とキャスト陣の演技力も相まって、物凄い迫力を感じたという安藤。
安藤「決して明るい物語ではないんですが、2人の友情は恋とも愛とも違う、でもそれに凄く近いような深いもので。それらは美しくもあるけど、時に狂気にも変わることもあるんだと感じました」
人間とはなんなのか、命とは何なのか。そもそも生きることとは。そんな永遠のテーマとも呼べるような内容について、改めて考えさせられるきっかけになるようなミュージカルだったようです。
安藤が「久々に心震わされました」と太鼓判を押すミュージカル「フランケンシュタイン」。壮大なストーリーと音楽に魅せられたい方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
(吉村)
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