"百発九十九中"の猛暑時代へ?日本の気温上昇が止まらない!

気象庁と文部科学省は26日、地球温暖化の影響による日本の気候変動に関する共同報告書「日本の気候変動2025」を発表しました。これは5年ぶりに改訂された重要な資料で、日本の気候変動の現状と将来予測が詳細に分析されているものです。3月27日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーがこの報告書の衝撃的な内容について解説しました。
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報告書ではさらに、日本の平均気温がこれまでに100年あたり1.4℃の割合で上昇しているという観測結果も示されています。この温暖化の進行速度は世界平均を上回るペースであり、日本が気候変動の影響をより強く受けていることを示しています。
日本では「100年に1度程度」とされていた猛暑が、温暖化の進行によってほぼ毎年経験することになると予測されています。特に懸念されるのは、産業革命前と比較して平均気温が4℃上昇した場合のシナリオです。
「恐ろしいですよ、これ。温暖化がなかった場合に100年に1回とされる猛暑が、平均気温が4℃上がった場合には100年に99回発生することになります。いやいやそれはもう、百発九十九中ということですから」と、その絶望的な確率に思わず笑ってしまう永岡。
つまり、これまでの「100年に1度の猛暑」が新たな日常となり、逆に「100年に1度の涼しい夏」を経験するという状況に逆転してしまうということです。
海面上昇から豪雨まで
報告書によると、平均気温が4℃上昇した場合、様々な影響が予測されています。
海面上昇は68センチに達し、1時間当たり50ミリ以上の豪雨の年間発生回数は約3倍に増加するとされています。より具体的には、工業化以前の気候で100年に1回発生していた極端な大雨が、4℃上昇時の気候では100年に5.3回発生すると予測されています。
さらに、オホーツク海の海氷面積は78%も減少するという衝撃的な予測も示されました。
このような深刻な予測を受け、パリ協定では世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃以内に抑えることを目標としています。
国際協調の課題
こうした科学的知見が示される一方で、国際的な対応には課題も残ります。しかし、アメリカのトランプ大統領は、パリ協定からの離脱を表明しています。
「我々日本だけの話ではなく、世界全体で考えなければならない問題になってきます」と永岡は指摘します。そして「なんやちょっと…明日に希望が持てんぞ」と懸念を示しつつも、気候変動対策が待ったなしの状況だからこそ、「やれることからコツコツ」と取り組むことの重要性を訴えました。
5年後に予定されている次の報告書では、今よりも明るい未来予測が示されることを願いつつ、そのためにも今、私たちひとりひとりができる対策の重要性を改めて考えさせられる報告となりました。
(minto)
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