東海地方をもっと知りたい2年目アナがその町に根付く、地元で人気の味を調査!お茶の一大産地・三重県亀山市の“愛されフード”とは?
その町以外ではあまり知られていないけど・・地元の人はみんな知っている!その町で生まれ、町に根づく愛されフード。
CBCアナウンサー2年目・神戸生まれ東京育ちの松本道弥アナが調査していきます。今回は、亀山茶で知られるお茶の一大産地、三重県亀山市の『関の戸』を紹介します。
『関の戸』は白い一口サイズの丸い餅菓子で、『深川屋(ふかわや)』というお店が作る銘菓。趣のある店舗は1784年の建築で、『関の戸』の歴史はさらに長く380年前から作られています。
店名は正しくは『深川屋陸奥大掾(ふかわや・むつだいじょう)』といって、東海道五十三次の47番目の宿場町“関宿”にあり、徳川3代将軍・家光の頃から続く、超老舗の和菓子店。現在は14代目が、地元で愛される『関の戸』の味を守っています。
鈴鹿山脈に降り積もる“白雪”になぞられたと伝わる餅菓子で、現存するレシピは1780年に7代目当主が残したという“菓子仕法控(かし・しほうひかえ)”。
北海道産の高級あずきを二度炊きし、きめの細かいこしあんを作り、柔らかい求肥で包んだら、徳島県産の和三盆をふんわりまとって完成。
こしあんの程よい甘さと、モチッとした食感がたまらない上品な和菓子です。
実は、この和菓子店は徳川家康に仕えた服部半蔵の一族の末裔で、忍は薬や保存食の技術にとても長けていたため、その技術が活かされたと伝えられています。
さらに一説には「深川屋」が、徳川家康の命で創業されたとも。
そして、あんこを日持ちさせるために、水分を一切使わず炊き上げるという忍者の保存食の技術を応用して考案された『関の戸』を諸大名や朝廷に納品する傍らで、諜報活動も行っていました。
「味を変えるべからず」と、380年変わらぬ製法で作られてきた『関の戸』。
しかし10年前に14代目は掟を破り、亀山茶を使った新商品『お茶の香 関の戸』を開発!新商品を出すことについて「先祖に顔向けできない」という13代目に、この和菓子で最も難しい和三盆と亀山茶の配合の割合をお願いし、何とか納得してもらって完成。松本アナも、甘みと苦みのバランスをじっくりと味わいました。
改めて「亀山茶を使ったことで、やっと地元の愛されフードになったかな」と語る14代目。忍の技術と地元愛が融合した、唯一無二の銘菓でした。
( 4月1日(金)CBCテレビ「チャント!」より )