足の冷えと思ったら“動脈硬化”静かに進む「血管の老化」

2019年12月8日(日)放送 【第383回】
足の冷えと思ったら“動脈硬化”静かに進む「血管の老化」

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:赤楚衛二
ゲンキリサーチャー:中村昌也
ドクター:宮本明
“痛み”や“冷え”を感じている方は要注意。もしかしたら、血管の老化「動脈硬化」が進行しているかもしれません。実は30代からかなりの人の血管で軽い動脈硬化が始まっており、進行すると心筋梗塞や脳梗塞につながる恐れもあるのです。

動脈硬化について

動脈は、生活でいうとホースのようなもの。長年使っていると、硬くなったり詰まったりします。それと同じような事が動脈で起こった場合を「動脈硬化」と呼びます。

動脈硬化のサイン「痛み」

中根さん(69歳)が最初の異変に気付いたのは、6年前。階段を上るときや平地を1km程度歩くと、左足のふくらはぎに筋肉痛のようなだるさや軽い痛みを感じました。しかし、少し休むと元に戻るため、あまり気にしなかったそうです。ところが、症状は年々ひどくなり100mほど歩いただけで痛みが出るように。判明した病名は「閉塞性動脈硬化症」。左太腿の動脈硬化が原因で左ふくらはぎに痛みが出ており、切断の可能性もありました。

・動脈硬化の主な原因その1「LDLコレステロール」
中根さんの場合、血液検査でコレステロールの値が基準値を超えていました。特に問題なのは、一般的に「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロール。LDLコレステロールは身体の動脈壁に入りやすく、血管の内側に沈着するとプラークと呼ばれるコブのようなものを作ります。これが動脈硬化です。

~動脈硬化の恐ろしさ1~
脚に動脈硬化が見つかった場合、全身の血管で動脈硬化が起こっていてもおかしくありません。恐ろしいのは、心臓や脳の血管に動脈硬化がある場合。プラークが破れると修復するために「血栓」という“かさぶた”を作ります。その血栓で血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞につながります。

動脈硬化のサイン「冷え」

加藤さん(50歳)は、まだ暑さの残る9月に足の冷えを感じ始めました。特に冷えたのは左足の指先。その後数か月経っても冷えは治まらず、翌年の夏には足指の感覚が鈍くなってきました。判明した病名は「糖尿病」。糖尿病の動脈硬化は膝下に発症する事が多く、足先の冷えや感覚の鈍さにつながったと考えられます。

・動脈硬化の主な原因その2「糖尿病」
糖尿病患者のように血液に糖が増えると、活性酸素が多くなり血管の内側を傷つけます。すると、血管壁にコレステロールが入りやすくなってしまい、動脈硬化の原因につながります。

~動脈硬化の恐ろしさ2~
「冷え症」という言葉もあるため、軽微な症状だと考えて病院に来ない人もいます。しかし、症状が悪化すると足が壊死する危険も。そのスピードは早く、人によっては一晩で壊死するケースもあります。気になる方は、病院で「ABI」と「PWV」と呼ばれる検査を受けましょう。ABIは足の動脈が詰まっていないかどうか、PWVは血管の硬さを調べる事ができます。

その他の動脈硬化の主な原因

・動脈硬化の主な原因その3「高血圧」
血流の圧力が血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。

・動脈硬化の主な原因その4「タバコ」
活性酸素が血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。

動脈硬化チェック法

加齢に伴い、血管の弾力性がなくなり硬くなる傾向があります。そのため、誰でも動脈硬化になる可能性があります。下記に当てはまる場合は、動脈硬化の可能性があるのでABIなどの検査を受けましょう。

<動脈硬化チェック>
□左右の足に温度差がある
□片方の足指の毛が抜ける

~気になる方は循環器科へ~
循環器科は、全身の動脈硬化を診てくれます。「脚が痛い」「胸が痛い」「めまいがする」などの症状がある場合は、循環器を受診するのがおすすめです。

動脈硬化の予防法

・食生活
青魚や大豆など不飽和脂肪酸の多いものを摂取するとLDLコレステロールの改善に良いと言われています。また、血糖値が気になる人は、食事の際に野菜から食べると糖の吸収を抑えられます。

・適度な運動
適度な運動は、LDLコレステロールや血糖値、高血圧の改善が期待できます。

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