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鉄腕岩瀬も「思わず記憶が飛びましたね!」ドラゴンズレジェンドのうれし恥ずかし“初めて物語”

鉄腕岩瀬も「思わず記憶が飛びましたね!」ドラゴンズレジェンドのうれし恥ずかし“初めて物語”

「【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」

見せて下さい!野球の底力を

ボクらの、わたしたちの野球が戻ってくる!新型コロナウィルスの感染拡大で延期されていたプロ野球開幕。5月25日にオンライン開催された臨時12球団代表者会議にて、セ、パ両リーグ公式戦がともに6月19日(金)を開幕日と決め、120試合戦うことが決定。ただ無観客試合という、まだまだ通常の試合は異なるものの、まずは一安心となった。いよいよ待ちに待った球音が返ってくる。野球ファンにとってこれ以上の吉報はない。開幕日が決まったことに与田監督も「やっと開幕日が設定されたなという安ど感はあります。(選手たちも)明確な目標ができたことは大きい」とコメント。日本国民の多くが、目に見えない恐怖と戦い続けているここ数カ月。野球という“元気が出るクスリ”で、心底からの笑顔を取り戻したいものである。

さて今週のサンドラはドラゴンズレジェンドたちの初試合、初登板をフィーチャー。当時を回顧しながら、うれしはずかしの“初めて物語”を語ってもらった。

デビュー戦で自身の未熟さを知った井端

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

まずトップバッターは常勝ドラゴンズの内野のキーマンとして活躍した井端弘和。彼の初めて物語は1998年9月8日、ナゴヤドームで行われた対タイガース戦。プロ初出場が初スタメンの出番となった。

井端「(スタメンと)聞いた瞬間はうれしかった。ただそこから不安になってくるというか、“うわぁ、どうしよう、どうしよう”としか思っていなかったですね」

そんな井端の初打席は1回2点を先制し、なおも2死1、3塁という追加点のチャンスの場面だった。

井端「打席でバッターボックスの土をならし、そして構えた瞬間に足がカタカタカタと震えていましたね。自分でもビックリしたぐらいですから」

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

未体験の緊張の中、2ボール2ストライクと追い込まれた5球目。タイガース先発のダレル・メイ投手のインコース高めのストレートにドン詰まり。バットは折れ、プロ初打席の結果は無残にもボテボテのピッチャーゴロに終わった。しかし天は井端を見捨てなかった。3回裏に迎えた第2打席。再びチャンスの場面で井端登場となった。2死満塁でカウントは第1打席と同じ2ボール2ストライク、そしてピッチャーもメイ。

井端「もう追い込まれた瞬間に腹くくって、エンドランのつもりでいこうと打席に立っていました」

まさに食らいついていこうという気迫のこもったバッティング。井端らしいインパクトの瞬間、右足を後ろに引いておっつけて打った打球はメイの足元を抜け、センターへ抜ける2点タイムリーが思い出に残るプロ入り初ヒットとなったのだ。ただそこからが井端らしかった。

「(デビユー戦は)自分の未熟さを知らされたという感じでした。思っていることが表現できなかった。それでは一軍ではやっていけないと思いました。唯一ホッとしたのは、ベンチに戻って星野監督に“ナイスバッティング”と言われたことですかね」

谷繁やっちまった竜デビュー

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

扇の要を長年務めた谷繁元信もデビユー戦は忘れられない思い出が残っている。ベイスターズで日本一を貢献し、球界屈指のキャッチャーとしてドラゴンズへFA移籍。2002年3月30日、ナゴヤドームで行われた対スワローズ戦。忘れられないドラゴンズの一員として初出場した日だ。

谷繁「ボクはドラゴンズには新人ではなく、FAという形で加入したので、結果を出さなければいけないという思いが強かった」

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

迎えた開幕戦。期待に応えたいという気負いが彼の中の歯車を狂わせた。同点に追いつかれた5回。無死1、2塁のピンチ。送りバントは谷繁の前を転がり、素早く3塁を守っていたレオ・ゴメスへ。なんと送球はゴメスが捕れないほどの悪送球。このエラーによって試合の流れは大きく傾き、その後失点を重ね、開幕戦を落としてしまった。

谷繁「やっちまったなと。ドラゴンズに入って最初の試合でエラーをしてしまったことで、さらに気負ってしまった。今から思えば、そのエラーでスタートしていなければ、もう少し良い成績が残せたのではないかなと思うんですよね」

そうはいっても、通算出場試合数3021、守備率.996を記録した谷繁。これ以上の成績って一体何?(笑)。

岩瀬にとって苦い思い出はプロ野球の原点に

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

通算登板1002試合、407セーブを挙げた不世出の鉄腕・岩瀬仁紀も初登板には苦い思い出が残っている。プロ1年目の開幕戦、1999年4月2日。ナゴヤドームで行われた対カープ戦。

岩瀬「開幕戦のセレモニーがすごい派手で、こんな世界で野球をやるんだと思いました」

この試合、ドラゴンズは先発川上憲伸投手の好投で6回途中まで2-1とリード。次にマウンドを任されたのが岩瀬だった。

岩瀬「まさか、この試合投げると思っていなかった。記憶が飛びましたね」

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

プロ初登板となった開幕戦。しかし結果は1アウトも取れず三連打を浴びての降板。それも逆転を許す結果に。

岩瀬「ふと我に返ったら、ベンチに座っていましたね。試合はひっくり返っているし、憲伸の勝ちも消えているし。色々な意味でやっちゃったみたいになっていましたね」

岩瀬にとって忘れたくても忘れられない初登板。しかしこの悔しい経験が彼のプロ野球人生の“原点”になったという。この日が鉄腕岩瀬の誕生日と呼んでもまんざらウソではなさそうだ。

川上の今だから言える恥ずかし話

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

最後を飾るのは元メジャーリーガー川上憲伸。彼の初登板は1998年4月9日。ナゴヤドームで行われた対タイガース戦。先発を任され、7回0/3まで2安打1失点に抑える圧巻のピッチング。見事初勝利、鮮烈なデビユーを飾ったのだ。しかし輝かしい初登板の裏でやってはいけないミスを犯していた!

2回裏1死2、3塁のチャンスで川上にプロ入り初打席が回ってきた。タイガース藪投手が投げた初球を見事スクイズ。チームに2点目をもたらしたのだが、このスクイズが今だから言える、恥ずかし話なのである。

川上「実はサインが分からなかったんですよ。三塁ランナーの久慈さんが投げた途端に走り出したからとっさにスクイズしたわけで」

「サンデードラゴンズ」(C)CBCテレビ

あまりの緊張でサインも分からずパニックになっていたにも関わらず、スクイズを見事に決めた川上。天性の野球センスというか、はたまた結果オーライというか。星野監督から大目玉を喰らわない結果を残すところ、やはり川上は大物だったという証拠か。

初打席、そして初登板。結果を残した名選手は皆、思い出に残る何かを残していた。となると、気になる選手がひとりいる。目標は三冠王と公言しているスーパールーキー石川昂弥だ。ド派手な初打席になることを是非期待したい。それもコロナウィルスをぶっ飛ばす大ホームランデビューなんて夢があるじゃないか!皆さん、そう思いません?

がんばれドラゴンズ!昇竜復活ドラゴンズ!

(竹内茂喜)

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