指導者生命を賭ける立浪塾!京田陽太・根尾昂・岡林勇希ら3選手の現状を採点!
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
ビシエド選手が戻ってくる!ガーバー選手もチームに合流!という明るいニュースで、今苦しんでいる打撃面に勢いをつけたいところ。見ている方も辛くなるような展開でも、一つ一つのプレーは現状を打破しようと熱い気持ちを燃やしている選手たちの意気込みを感じるのでやっぱり応援してしまう。だからこそそんなプレーをさらに詳細に見ていくことで、修行のごとくファンとして悟りをひらけるかもしれない。
そんな心境にもうってつけな今週の特集は立浪和義氏のとくに熱い打撃指導を受けた門下生3選手の現状をチェックする立浪塾の通信簿を発表。立浪先生の各選手に向ける厳しくも優しい視線が感じられる内容を振り返ります!臨時コーチとしてキャンプに参加した際、京田選手の打率が2割4分以下なら(指導者として)ユニフォームを着るのをやめると冗談交じりに発言していたがその現状は果たして。
京田陽太 50点
今シーズンの状態:去年は全試合出場を果たしたが、今年は打撃に苦しみ1年8ヶ月ぶりにスタメン落ち
19試合 打率.231 得点圏打率.118 打点3(4月17日現在)
●指導ポイント
「ボールが来てからバットを引いてしまうので、トップで止まってボールを見る時間を作る練習をした。」
「ボールが来てからヒッチ(手首を上下に引く動き)して動くので、受けたようなかたちになる。その分速いボールには差し込まれてちょっと受けた感じになる。抜かれたボールに関しては、そのままに抜かれてしまう。(静止がきかない)とにかく、トップで一瞬ボールを見る時間を作る。一瞬止まってボールを見定める時間が欲しい。持っているバットのグリップと踏み込む足が一番離れたときに見て、打ちにいくかやめるかなんですが、今はヒッチすることで動作の連続性がなくなっている。そこがワンピースになるようにずっと練習はしているんですけども。少し始動を速くするとか、本人も分かっていると思うので工夫してやってもらいたい。」
筆者は野球経験がないので、具体的な理想像を知るべく京田選手憧れの鳥谷敬一選手のバッティングフォームを参照したところヒッチの動きの時点で、ボールを見定めてバットの振り出しを準備する構えが組み込まれてているように見えた。それが立浪氏のいう動きがワンピースになると理解した。京田選手本人についていえば、4月16日の猛打賞を記録した試合ではたしかにスムーズに動作がつくれており、内外のストレートとスライダーをコース球種問わずヒットにできていたこの感覚をしっかり掴んで欲しい。ちなみにリハーサルでは立浪氏は50点より低い点数がつけていた模様。何点だったか気になるが、秋にはこれを100点に近づけてもらいたい!
根尾昂 60点
今シーズンの状態:沖縄キャンプ一軍スタート京田とショートスタメン争いを掲げて、結果打撃成績を認められ開幕戦レフトでスタメン出場。
16試合 打率.156 得点圏打率.200 打点5(4月17日現在)
●指導ポイント
「スイング時バットが背中に入ってしまうことと軸足に体重をかけて球を呼び込めるように修正」
背中に入るというのは、バックスイングをして打ちにいって腕を折りたたんだ時にバットが後ろ側に入ってしまう状態のこと。「真ん中インサイド寄りのボールが、体全体が仰ぐようなかたちで振りにいかないといけなくなる。軸足に乗って足がつくまでの時間が取れないため、バットと踏み込んだ足の距離がとれない。弓を引ききった状態のように一度静止すべきなのに、動いてしまうので的が定まらない。そこが安定感が出ないところ。最近の試合を見ていると、バットが背中に入ることはなくなったが、打ちに行くときに手首が上に動いてしまいその分遅れるので引っ張れない。オープン戦の最後のときは止められていたので、そこを改善してほしい。」
勝負所で期待感のある打撃を見せてくれた根尾選手。しかし、実戦を通じて課題も明らかになっている。指摘の点に加えて、ボール球の見極めも大きな課題の一つとしてあげられる。それも立浪氏の指摘のあったタイミングの取り方などで、対応できるレンジが広がれば打ちにいける球も増えて、見送ることができる球が増えるだろう。一つずつ課題を潰してチームを引っ張る打者になってくれることを期待したい。
岡林勇希 90点
今シーズンの状態:キャンプから存在感を見せ高卒2年目で開幕一軍。しかし、主に代走としての起用で打撃機会はほぼなく今月12日登録抹消した。
一軍戦 打数1無安打
二軍戦 4試合打率.353(4月17日現在)
●指導ポイント
「タイミングの取り方・ミートともにうまい。キャンプでは下半身をうまく使えるように連続ティーをした。」
「ある程度完成されたと言える打撃なので、あとは下半身の力を伝えるということだけでいいと思った選手。強いていうなら、バットのヘッドが下がって腰が浮くのでまっすぐ回転できるようにということだけでよかったです。近い将来楽しみです。」
一軍戦では打撃機会がほぼなかったものの、登録抹消後すぐの二軍戦で実戦経験が開いたにも関わらず5打数4安打とその打撃の対応力を見せつけた。打撃のネクストステップとしてあげられていた長打力も、二軍戦でしっかり結果が出ており立浪氏の90点という評価も納得してしまう。ファームの試合を見る楽しみの一つとなりそうな岡林選手。守備をしっかり鍛えて一軍のレギュラーの座を虎視眈々と狙って欲しい。
打撃不振にあえいでいる状況だが、立浪塾の3人をはじめとした選手たちが試行錯誤しながら戦っているのを見るとファンとしてはその結果が出るのをただ待ちたいなと思う。正解のない戦いに挑み続ける姿勢そのものがまず美しいからだ。そして諦めず真摯に取り組んだその先には結果が待っているはず!勇ましく戦い続けろドラゴンズ!
澤村桃