少年院・少年鑑別所から出所した“非行少年”をどう立ち直らせるのか? “強盗傷害”で少年刑務所に入った男性の取り組み【CBCドキュメンタリー】
「強盗」「恐喝」「傷害」「詐欺」など罪を犯した少年たち。コロナ禍で就職できる企業も減り再び犯罪に手を染めるリスクが高まっている。どう支援すればよいのか100人以上の非行少年と向き合ってきた男性の取り組みとは?
ユウキさん「自分の気持ちしか頭になかった。相手の気持ちを考えてあげられなかった。」
愛知県内に住むユウキさん18歳。
中学生の頃から、友人と夜遊びに出かけては万引きなど非行を繰り返し、
去年12月、少年鑑別所へ入りました。
ユウキさん「非行走っている人と一緒にいたらつられてしまう。二度としたくない」
ことし1月に出所後、更生を決意して頼ったのがこの男性。
渋谷幸靖(しぶや・ゆきやす)さん39歳。
渋谷さん「あの時は魂がない感じがした」
ユウキさん「あたり真っ暗な状態だった。救ってくれて感謝しかない」
渋谷さんは、非行少年の就労など立ち直りを支援する
名古屋のNPO「陽和(ひより)」の代表です。
渋谷さん自身も、中学生の頃から非行をくり返していました。
高校2年生の時、成人男性を脅して現金を奪うなどして少年鑑別所へ。
出所後も非行はやめられず、
24歳の時には詐欺事件を起こし、2年6か月の実刑判決。
少年刑務所に服役しました。
渋谷さん「(当時)真面目になりたいか言われてもそうじゃなかった。
次は捕まらないように考えていて、そこには反省はなかった」
2度目の出所後、母親の苦しむ姿を見て更生を誓った渋谷さん。
同じように苦しむ母親を一人でも減らしたいと、
5年前から非行少年の立ち直り支援を始めました。
非行で検挙される少年の数は、少子化などの影響で減少傾向にある一方で
再び犯罪に手を染めるいわゆる累犯の割合は増加傾向に。
2016年には過去最悪の37%、おととしも34%にのぼっています。
さらに、最近では新型コロナウイルスの感染拡大で、
雇用してくれる企業が減るなど、少年の社会復帰に大きな影を落としています。
「チャント!」2021年6月1日放送