熱血ブラジル人教員!いじめと白血病を乗り越え…子どもたちに伝えたい思いとは!?

愛知県では、外国人の教員が徐々に増えていることを知っていますか?
今回、愛知県の教員採用試験を突破した来日26年のブラジル人教員に密着しました。
日本での壮絶ないじめ…。白血病で死を覚悟…。
数々の苦難を乗り越え日本で教員になったからこそ、子どもたちに伝えたい熱い思いがありました。
CBCテレビ「チャント!」1月25日放送から。

「ブラジル帰れ」日本の学校で受けた壮絶ないじめ

中学校で授業をするロドリゴ先生

豊橋市立東陽中学校の伊木ロドリゴ先生(35)。1年生のクラス担任で、英語を教えています。
授業のモットーは、自分も生徒も“笑顔の授業”。また、“どう生きるのか?”を伝えることにもこだわります。それには自らの人生が大きく関係していました。

生まれはブラジル・サンパウロ。仕事を求める両親とともに日本に移り住んだのは9歳の時です。
豊川市内の公立小学校に通い始めますが、日本語が喋れなかったロドリゴ先生を待ち受けていたのは、壮絶ないじめでした。

いじめに遭い 家族との時間だけが楽しみだった

伊木ロドリゴ先生「上靴の中に画びょうを入れられたりとか、自分の椅子の上に画びょうを置かれたり、背もたれにテープで画びょうがとめてあったりとか。机に“ブラジル帰れ”と書かれていたりとか…」

いじめは2年間毎日のように続き、学校に行けなくなる日もありました。それでも負けずに猛勉強。
すると日本語もぐんぐん上達し、周囲とのコミュニケーションを心がけると、友達も増えていきます。

もう一つの大きな試練が教員を目指すきっかけに

しかし、もう一つ大きな試練が待っていました。 高校1年生の時に「白血病」と診断されたのです。

白血病を治療するため入院

伊木ロドリゴ先生「生き残る確率は50%とも言われて。ショックがありえないくらい。なんで俺なんだと。パニックや怒りが全部混ざった気持ち」

病を受け入れられずにいた入院中、テレビであるニュースを目にします。

伊木ロドリゴ先生「日本で自殺者が3万人を超えているというニュースを見た。俺は今、治療をしてなんとか退院して人生を歩みたいと思っている中で、なんで自分で死ぬの?バカじゃねえの?って思った…何かできないかなとぼんやり思った」

子どもたちには全力で人生を楽しんでもらい、自殺者を減らしたい。教員を目指すことになったきっかけです。

両親に付き添われて退院

様々な苦難を乗り越え…子どもたちに伝えたいこと

その後、白血病は無事完治し、愛知県立大学に進学。愛知県の教員採用試験に合格し、2010年度に採用されました。
ティーチングアシスタントと呼ばれる非常勤講師は各学校にいます。しかし、ロドリゴ先生のような地方公務員の教員は、徐々に増えてはいるものの、まだ愛知県の小中学校に数人だけです。

中学校ではサッカー部の顧問を務める

現在勤めている東陽中学校の生徒は、実は5人に1人が外国人。
日本語を話せずに壮絶ないじめを経験したロドリゴ先生だからこそ、日本人の輪の中に入れていない外国人の生徒がいると、積極的に手助けしアドバイスします。

伊木ロドリゴ先生「自分の意志を日本語で伝えられるようにと普段から伝えています。」

顧問をしているサッカー部にも、まだ日本語がうまく話せない生徒が10人ほどいます。
彼らにとって「自分の意志を日本語で伝える」ことは簡単なことではないようですが、日々のコミュニケーションが周囲に理解してもらう近道だと、ロドリゴ先生は知っています。

様々な苦難を乗り越えたロドリゴ先生が、国籍問わず全ての子どもたちに伝えたいこととは…。

伊木ロドリゴ先生「僕も小学時代、学校に行くのがしんどくなり家の時間だけが楽しみだった。だから毎日楽しくできるかというのがすごく大事。“君は本気で生きているか?”と子どもたちには伝えたい」

CBCテレビ/チャント!

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