お昼ごはんが空を飛んでやってくる!ドローン配送サービス
コロナ禍で宅配サービスを利用されている人も多いと思いますが、お昼ごはんがドローンで届く時代がもうすぐやってきそうです。
荷物を抱え海を越えていくドローン。やってきたのは、三重県志摩市の間崎島。
中から出てきたのは…この日のお昼ごはん。 サラダ巻きといなり寿司です。
利用者 岩城正幸さん「便利でええわな。注文するとその日に来ることはありがたい」
お昼ごはんが、およそ5キロ離れたスーパーから運ばれてきたのです。
1回の輸送費用は、ワンコインの500円!でもなぜドローンで?
楽天 ドローン・UGV事業部 マネージャー 今野友太郎さん
「コロナ禍の今、今回はできる限り非接触で買い物ができないか?ということに注力してドローン配送を行っています。」
ドローンで買い物をする理由
ここ志摩市の間崎島は人口は70人ほどで、高齢化が進んでいます。
島には週に3日、午前中だけ営業する店しかなく、仕入れは週に一度だけのため、生鮮食料品は毎日置いてありません。
そのため、肉や刺身などを買う場合は…
岩城さん「巡航(定期)船に乗って、近鉄に乗って、鵜方駅から店まで歩いて行かないかん。往復で2時間くらいかかる。」
本土のスーパーに行くためには、定期船で海を渡り、鉄道に乗り換え、さらに徒歩で。この間多くの人と接触する可能性があります。
そこで、コロナ禍の今、ドローンを使った「人と接触しない配送サービスの実証実験を、三重県が中心となって始めたのです。
実際にどうやって運ぶのか?
お買い物ドローンの運航は、志摩市のスーパーと間崎島をおよそ10分で結ぶもので、1日に4便。
注文はタブレットやスマホでも出来ますが…
岩城さん「これは自分には無理やな…」
そこで高齢者でも大丈夫なように用意されたのは、カタログから選んで、注文書に書き込む方法です。
岩城さんが頼んだのは、サラダ巻きや稲荷寿司、プリンなど6品。
注文はドローンの出発1時間前まで受け付けているので、その日食べたい!と思ったお昼ごはんを注文することも出来ます。
設置されたスキャナーに通せば、注文は完了。
岩城さん「教えてもらってな 楽にできるようになりました。簡単に。」
注文を受けたスーパーでは、担当者が送られてきたリストを確認しながら、商品をそろえていきます。
マックスバリュ東海 EC推進部 井上博貴 部長
「今まではスーパーに来てもらって当たり前だったのが、新しい生活様式によってお客様のニーズが変わってきたということで、“運ぶスーパー”。一つはネットスーパー、一つはドローン配送・空飛ぶスーパーです。」
一度に運べる商品の量は、最大で5キロまで。スーパーに隣接する公園から、間崎島へ向かいます!
担当者「ドローン離陸します!」
間崎島までのルートは、海上を飛ぶ5.5キロ。
高度40mを維持しながら飛行すること、およそ10分…。
岩城さんが待つ、間崎島の着陸地点に到着しました。
ドローンは荷物の入った箱を自動で切り離して、出発地点へ戻っていきます。
商品を取り出すのは注文をした人がみずから行います。
支払いも、電子マネーを使うことから、人と接することはありません。
岩城さん「便利、ええわな。欲しい時にすぐに手に入って」
夢ではないドローン宅配
コロナ禍で、“非接触の買い物手段”という役割も生まれたドローン宅配。
今後は、雨や風が強くても飛べる性能の向上が期待されます。
今回のドローン宅配は実証実験で1月に3週間行われ、いったん終了していますが、地域住民が配達料を払って行う最終段階のもので全国初の試みでした。
利用内容は、お弁当だけでなく肉や魚、青果の生鮮食料品が多かったそうです。
2022年度には国がドローンの飛行制限を緩和する予定で、海の上だけでなく陸上でもこうしたドローンの運用が行いやすくなるとのことで、本当に私たちの生活に使えるのも夢ではなさそうです。
(2021年1月22日放送「チャント!」より)