うどんの変態デザイナー!?…「でんぷん」を感じるうどんに知られざる名古屋名物うどん、「うどんマスター」が教えるこだわりの名店をご紹介!
様々なジャンルの達人から教えを請い、使える&役立つ情報をお届け!
毎週月~金曜日の夕方、CBCテレビで放送している情報番組【チャント!】。火曜日の人気コーナー『教えマスター』では、様々なジャンルの達人(マスター)から教えを請い、使える&役立つ情報をお届けしています。
今回のマスターは、年間400軒のうどんを食べ歩き、自称「身体の9割はうどん粉」という井上こんさん。全国の名店を紹介する本を出版したり、昨年うどんスナックをオープンするなど、うどんと小麦粉をこよなく愛する『うどんマスター』です。
このロケ前日は、6軒のうどん屋さんを巡ったそうですが、今回はどんなうどんを紹介してくれるのでしょうか?レポーター・菊地亜美さんと一緒に向かったのは…
うどんマスターの教え:作り方が独特!食感の革命を感じるべし!
井上マスター:一軒目は、愛知県豊明市にある【讃岐うどん 十四明(とよあけ)】さん。全国的に見ても、このような粉の使い方をしているお店はないのでは?!という“変態的なうどんの作り方”をするお店です。
菊地:うどんに関してはマスターが変態だからなぁ(苦笑)。
井上マスター:粉によってうどんの仕上がりは無限大!どんな形にもデザインする、うどんのデザイナーさんです。
菊地:なかなかいないデザイナーさんということですね。
井上マスター:はい、変態デザイナーです。こちらが店主の加納さんです。
店主:先日はありがとうございました。
菊地:お知り合いなんですか?
店主:10月に東京で行われた農林水産省の小麦の勉強会でお会いしました。
菊地:ス、スゴイ…。
井上マスター:加納さんはうどん好きが高じて脱サラ後、名古屋や香川で修業されたんです。
店主:お待たせしました。『ざるうどん(700円)』です。
菊地:うわぁ!美しい!!表面がツヤツヤですね。
井上マスター:先ほど変態的と言ったのは、加納さんのうどんに対する塩水量。この店では粉に対しての塩水量がおよそ65%なんですが、一般的には50%前後なので、この数値は通常では考えられないほど高いです。そして茹で時間は脅威の20分!
店主:この麺は茹でれば茹でるほどモチモチ感が生まれます。麺の美味しさがダイレクトに伝わるシンプルな『ざるうどん』をぜひ食べてみてください。
菊地:まずは汁につけず麺だけで。んー!知っているうどんと全然違う!モチモチだけど、ちゃんとコシがある。めちゃくちゃおいしい!
井上マスター:新たなうどん体験がここで出来ましたね。やわらかいけどモチモチで、噛み切るまでにしっかり時間がかかる…。モチモチな世界観の中でドラマがあるんですよね。良い「でんぷん」を感じる。
菊地:「でんぷん」を感じる?!すごいですね。じゃあ、汁につけていただいてもイイですか?んーっ!!
井上マスター:菊地さんの雄叫び、素晴らしいですね。
菊地:汁をつけると全然違いますね。やわらかいから初めての感覚。幸福感がすごいですね。
井上マスター:麺が噛み切られまいとして歯と歯の間をよじるような、粘膜に当たっているという感じ。
菊地:一瞬しか食べてないのに、口の中が贅沢な感じですね。
店主:続いてのうどんは、この時期におすすめの『かしわ入りなべ焼き(900円)』です。麺は茹でてから土鍋でさらに煮込むことで、モチモチ感がさらにアップしていますよ。
井上マスター:透明感がより出ていますね。
店主:そんなにじっくり見られると恥ずかしがりますよ。
菊地:すごい会話ですね…。それにしても、このうどん、麺がフワフワですね。
井上マスター:表面の輪郭がよりソフトになって、噛めばお出汁がジュワっと出てきて、お出汁を味わうためのツールでしかないですね。
菊地:すっごく柔らかい、めちゃくちゃ美味しいストローみたいな感じ。
一同:(苦笑)
うどんマスターの教え:名店の味噌煮込み&知られざる名古屋名物を堪能すべし!
井上マスター:次は、味噌煮込みうどんの名店【まことや 植田店】さんです。名古屋市内で天白店と植田店の2店舗を展開していて、この時期はお客さんの8割が「味噌煮込みうどん」目当てに来られるんですよ。
菊地:私、味噌煮込みうどん食べたことないんですよ。
井上マスター:味噌煮込みって「濃いかな?」って思われる人も多いと思いますが、こちらは飲み干せる味噌煮込みです。
菊地:楽しみ!
店長:お待たせしました。当店おすすめの『親子味噌煮込み(1,140円)』です。
菊地:お味噌のいい香り~。見た目で“濃い”と想像したけど、お出汁がとっても美味しいから、確かに全部飲めますね。
井上マスター:このままでもゴクゴクいけちゃいますよね。
菊地:もっとふやけているのかと思ったら、すごくコシがあって、うどんがしっかりしていますね。
井上マスター:しっかり噛むので、その間に味噌の味わいをじんわり感じられる、噛むことに意味があるうどんですよね。【まことや】さんが素敵なのは、味噌もしょうゆも小麦も、地元の伝統企業のものを使用されているんです。
店長:僕が言いたいこと全部言われちゃいましたね(笑)。
井上マスター:すみません…。お出汁は何を使用しているんですか?
店長:かつお節・むろあじ節、宗田鰹を使用しています。そして豆味噌をベースに八丁味噌。さらに隠し味に卵を入れることで、ほのかに甘みが増してまろやかに仕上がります。麺は愛知県蒲郡市で製粉される小麦粉を使用しています。
井上マスター:なるほど。名古屋といえば「味噌煮込みうどん」が有名ですが、実はもう一つ隠れたうどんがあるんです。菊地さん、知っていますか?
菊地:なんですか?
井上マスター:東海地方独特の白醤油を使った『志の田うどん(750円)』です。
店長:味噌煮込みうどんに隠れがちですが、れっきとした名古屋名物なんですよ。ネギと揚げのみのシンプルなうどんです。
菊地:やさしーい。やさしいけど深い、コクがある!美味しーい、染みわたりますね。
井上マスター:名古屋のうどんは終わりがないので“沼”なんです。行けば行くほどわからないことが増えていくので、終わりなき旅です…。
マスター曰く“うどん沼”に、皆さんもぜひハマってみてくださいね!