笑顔さわやかアナが三重県伊勢市の『ぱんじゅう』を調査! 伊勢神宮のお膝元で復活の伝説のスイーツ
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。
今回は、伊勢神宮で知られる『三重県伊勢市』の『ぱんじゅう』です。「まんじゅう」ではなく、ユニークな名前の『ぱんじゅう』を探し求めて町で聞き込みをすると、どら焼きのような生地で、形はたこ焼き。中にはあんこが入っていて青のりがかかっているとか。昔、『七越(ななこし)』という『ぱんじゅう』で有名な店があり、そこが閉店したのち、いくつかの店で色々な味で復活させているとのこと。
その中の一軒『小倉のぱんじゅう本舗』におじゃますると、まさにたこ焼きのような型を使って焼いている最中で、その出来たてを松本アナがいただきました。中にはタップリのこしあん。外はパリッとしつつ、中はモチッとした食感。青のりの風味がよく、あんこの甘さを引き立てています。
名前の由来は諸説あるようですが、「パン」と「まんじゅう」を合わせて『ぱんじゅう』が一般的な説のようで、伊勢市駅前にあった和菓子店の『七越ぱんじゅう』が地域の子どもたちのおやつとして親しまれていたとか。1900年代初頭に東京の和菓子店『総本家 七越』が『七越ぱんじゅう』を考案。全国にある支店で販売していたそうですが、伊勢市でよく売れたこともあり、戦後になってこの地に本店を移転。その後、長年に渡り、伊勢で愛された『七越ぱんじゅう』ですが、後継者がおらず2000年に惜しまれながら閉店しました。地元の人から「さみしい」という声が聞かれる中、『小倉のぱんじゅう本舗』を開業した店主の小倉さん。『七越ぱんじゅう』のレシピは誰にも受け継がれなかったため、昔食べた記憶を頼りにゼロから作り始めたとか。
七越の味を目指し、試行錯誤の連続からスタートして22年。今では、自分の店の味を極めて「ぱんじゅうと言ったら小倉!と言われるように」と目標を語ったご主人でした。
そして、もう一軒、伊勢市駅前の外宮参道にある『伊勢製菓 三ツ橋』にもおじゃましました。こちらの店は、基本のこしあんに、伊勢茶、むらさき芋、カスタードなど6種類の味が楽しめます。元和菓子職人の創業者の橋口さんも『七越ぱんじゅう』の味を蘇らせたいという思いから店を始め、進化させてきました。
しかし、体調を崩し、閉店を考えている中、伊勢の文化に興味を持つ30代の三原さんと出会い、2年前に店の経営を引き継ぎました。伊勢の出身でもなかった三原さんですが、『ぱんじゅう』に魅力を感じるようになって、この世界に飛び込んだのだとか。
そして、二人で『令和のぱんじゅう』として生み出したのが、生地にもち粉をタップリ混ぜ込み新食感に仕上げた『勾玉餅(まがたまもち)』。松本アナも「モチーッとしていて、全く別物のような感じ」と基本の生地との違いを感じました。
『七越ぱんじゅう』を追い求め、令和になりさらに進化していく伊勢の『ぱんじゅう』。次世代に確かに受け継がれている、伊勢の愛されフードでした。
(1月13日(金) CBCテレビ「チャント!」より)