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野菜が高い!コロナ禍の食卓を直撃する台所問題からの出口はいつ?

野菜が高い!コロナ禍の食卓を直撃する台所問題からの出口はいつ?
CBCテレビ:画像『写真AC』より「夏野菜盛り」

野菜売り場で楽しみに訪れるのはレタスのコーナーである。シンプルな小玉レタスを中心に、フリルレタス、サニーレタス、グリーンリーフ、そしてロメインレタスなど種類は豊富だ。特に歯ごたえがありみずみずしいロメインレタスがお気に入りである。しかし、そのにぎやかな顔ぶれが一斉に売り場のステージから姿を消してしまった。

野菜の品薄と高騰が続く。農林水産省は全国470の小売店を訪問調査して、旬の野菜について小売価格の動向を定期的に発表しているが、野菜の置かれているきびしい状況は、2021年8月31日の発表結果でも顕著に表れている。調査対象となっている8品目の野菜すべてが前の週と比べて値上がりしている。冒頭に紹介したレタスは22%の値上がり。夏野菜の代表格であるキュウリは、実に65%の値上がりである。たしかに「キュウリ高いよね」という会話をよく耳にする。このほか、ネギ16%、トマト13%と値上がりに歯止めがかからない。

名古屋農業協同組合に尋ねると即答だった。理由は明解「長雨によって野菜が育たない」。特に路地物は大きな影響を受けているが、名古屋市内ではハウスで水耕栽培されているネギやミツバも、与える水が気温の高さでお湯みたいになってしまい、こちらも生育が悪いそうだ。「こんなに野菜が影響を受ける夏は珍しい」と語る農協の担当者。
それもそのはず、2021年の夏の天候は歴史的にも異常だった。

甲子園大会の日程が過去最多、実に7回も順延され高校球児たちを翻弄したように、雨が多い夏だった。列島各地で水害も多かった。気象台によると「日照時間が少ない」そして「雨が多い」。名古屋の8月1か月間の日照時間は平年の8割にとどまり、雨が降った日は16日間に上った。その日数も多いのだが降った雨量も多かった。雨量は平年の2.5倍、1890年(明治23年)に統計が始めってから8月としては8番目の多さだというから、やはり異常な夏だったのだろう。それが野菜たちを直撃した。

野菜の品薄と高値、その出口はいつなのか?9月は次第に、雨も気温も平年並みに落ち着いていく見通し、しかし最初の頃はまだまだ雨模様で“梅雨のような”初秋が進むと見られている。野菜は一朝一夕で育つわけではないので、天候が回復しても取り巻く環境はすぐには変わらない。長引く新型コロナ禍によって、家で食事をする“おうちごはん”の回数は相変わらず多いが、それを襲う野菜の高値。ダブルパンチに台所での知恵比べは、もうしばらく続きそうである。早く思いっきり新鮮なレタスを頬張りたい。
          

【東西南北論説風(265)  by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

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