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健康カプセル!ゲンキの時間

毎週日曜 あさ7:00

CBCテレビ製作/TBS系28局ネット

朝からヘルスシェア

出演
石丸幹二
坂下千里子

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第302回(2018.4.15)

健康診断

健康診断

ゲンキスチューデント:滝裕可里
ゲンキリサーチャー:あべこうじ
ドクター:西崎 泰弘

春は、健康診断のシーズン。気になるのは結果ですが、A判定やB判定で安心していませんか?実は、A・B評価でも油断は禁物!健診結果の中に、健康リスクへのヒントが隠されているのです。そこで今回は、『命を守るドリル~健診結果の見方 血液編~』。ぜひ、ご家族で健診結果を用意してご覧ください。

健康診断の基礎クイズ

問題:健診の時にやってはいけない行動はどれ?
(1)朝ごはんの代わりにバナナを食べる
(2)居眠りをする
(3)ガムを噛む
(4)遅れそうになり全力で走る
(5)腕時計やネックレスをする
(6)採血後に水を飲む

答え:NG行動は、(1)(3)(4)(5)です。
解説:
(1)胃酸の分泌や血圧の上昇に影響するため、健診前10時間以上は飲食禁止です。お酒やたばこなでも、胃酸の分泌や血圧などに影響するため、控える事が大切です。
(3)ノンシュガーのガムでも少量の糖を含んでいる場合があります。 また、味がする事によって胃酸の分泌を促してしまいます。
(4)全力で走ると血圧測定に影響が出てしまうだけなく、筋肉内のLDHやGOTなどの数値が高くなってしまうので、肝機能の数値を正しく測れなくなります。
(5)レントゲンや心電図に影響が出るため、腕時計やネックレスはNGです。
居眠りと、採血後に水を飲むのは検査に支障はありませんが、胃カメラを控えている場合は、水は1時間前までなので、ご注意ください。

A・B判定でも安心じゃない!? B判定の大きな落とし穴

多くの場合、健康診断の判定区分は以下の通りです。
A:異常なし
B:所見はあるが日常生活に支障なし
C:経過観察・生活改善が必要
D:要精密検査
E:要治療

B判定というと、基準値を少し超える程度、と油断してしまいがちですが、実はその中には、隠れた動脈硬化のリスクがあり、それが狭心症や心筋梗塞の原因になる場合もあります。そんなリスクから身を守るために、ぜひ注目して欲しい項目が「脂質」です。

〈健康診断による脂質代謝の基準値〉資料提供:日本動脈硬化学会
LDLコレステロール値 140mg/dL未満
HDLコレステロール値 40mg/dL以上
中性脂肪 150mg/dL未満

田口さん(仮名)は、LDLコレステロールがやや高めのB。HDLコレステロールが基準値内。中性脂肪がやや高めのB。治療はせずこれまでと同じ生活を送っていました。するとある日、これまでに感じた事のない痛みが心臓を襲いました。動脈硬化による心筋梗塞です。適切な処置を受けて事なきを得ましたが、B判定だったにも関わらず、心筋梗塞の発作が起きたのは、項目別の判定だけでは計り知れない、動脈硬化のリスクが隠れていたからです。

心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化性疾患は、日本人の死因の2位と4位。1位のがんに迫る人数が、動脈硬化のために命を落としています。動脈硬化を知る上で、最重要項目なのがコレステロール。脂質の一種・コレステロールは本来身体にとって大切なもので、細胞膜やホルモンなどを構成する材料のひとつ。肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶのが悪玉LDL、そして、余分なコレステロールを回収するのが善玉HDLと区別しています。ところが、そのバランスが乱れ、悪玉が増えたり善玉が減ったりすると、回収されずに残ったコレステロールが血管壁に入り込むなどして、プラークを作ります。プラークを放置しておくと、まるで老朽化した水道管が詰まったような状態に。すると、血管は劣化して弾力を失い、動脈硬化が進行。血栓ができ、心臓病や脳卒中などのリスクが高まってしまいます。

動脈硬化のリスクが分かる大切な数値「LH比」

動脈硬化のリスクを知るヒントの1つが「LH比」です。健診結果には載っていませんが、結果表さえあれば、自分でも簡単に計算できます。

〈LH比の計算方法〉
LDLコレステロール値(悪玉) ÷ HDLコレステロール値(善玉)=LH比

注意が必要となる境界線の数値は2.5。この数値を超えている場合は、じわじわと動脈硬化が進行している可能性があるのでA判定・B判定だったとしても、注意が必要です。また、3.0以上の場合は要注意。1.5を下回っていたら健康体です。お手元の健診結果で、ご確認ください。

健診結果で、将来の隠れた健康リスクを知る!

健診結果を複合的に見る事で、将来のさまざまな健康リスクに気づく事ができます。着目するのは、健診結果のB判定。B判定の組み合わせには、下記のようなものがあります。

・脂質B+血圧B = 動脈硬化
血圧が高めということは、血管に強い負荷が掛かり続けている状態。そこに、余分なコレステロールなどが運び込まれることで、血管が傷ついてボロボロになり、将来的に動脈硬化を引き起こす危険があります。

・血圧B+血糖値B = 狭心症・脳血管障害
・血圧B+心肥大B = 心不全
・脂質B+肝機能B = 脂肪肝
・血糖値B+肝機能B = 糖尿病
肝臓は糖を取り込む最大の臓器。血糖値の調節にも深く関係しています。肝機能が悪いと脂肪肝に陥っている可能性があるため、糖の調節が悪くなり、糖尿病のリスクがさらに高くなってしまいます。

また、尿酸値の数値が高い場合は、腎臓の働きが低下して、尿の中に尿酸を出せず血液中に残ってしまっている状態です。そのため、痛風だけでなく、腎機能障害や最悪の場合は腎不全から透析になる場合も。また、尿路結石のリスクも高くなります。

動脈硬化の真犯人「超悪玉コレステロール」とは?

LDLコレステロールB+中性脂肪Bの方は、要注意!実は近年、動脈硬化を引き起こす真犯人の正体が明らかになってきたと言います。それが、超悪玉コレステロール(sd-LDLコレステロール)。LDLコレステロールの中にあり、心筋梗塞など動脈硬化性疾患の直接的な原因とされる小さくも強力なスナイパーです。通常のLDLコレステロールよりもはるかに小さく、通常の血液検査では、その量を測ることができません。血管内のちょっとしたキズや血管壁に次々入り込み、血液の流れを阻害。動脈硬化を引き起こします。そして、LDLコレステロールB+中性脂肪Bの場合、その超悪玉コレステロールが、潜んでいる可能性が高いと言います。超悪玉コレステロールの数値は、20mg/dL未満であれば正常。40mg/dLを超えるとかなり危険で、数値が高ければ高いほど心筋梗塞のリスクが増えます。超悪玉コレステロールの値は、中性脂肪に連動して大きくなるため、対策には中性脂肪を落とす事が重要です。甘いものや炭水化物の量を減らす。運動によって善玉HDLの数を増やす事も重要なので、気になる場合は普段の生活を見直しましょう。ちなみに、超悪玉コレステロールの検査は原則・保険適用外ですが、最近では人間ドックのオプションとして追加できる医療機関も増えています。

来年の健康診断対策

・中性脂肪を下げたいときは、サバを食べましょう。サバにはオメガ3を含む不飽和脂肪酸(EPA・DHAなど)が多く含まれており、中性脂肪を下げる効果があります。
・血糖値を下げたいときは、サトイモを食べましょう。サトイモは、カリウムや水溶性食物繊維を豊富に含んでおり、血糖値を下げる効果があります。

また、定年を迎えると健康診断に行かなくなる人も増えるので、身体にガタがきやすい中高年の方は、特に継続的に受診する事が大切です。

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