ゴールデンウィークが始まった。2026年(令和8年)はカレンダーの並びによっては、9連休、12連休となる人もいて、例年以上に旅行がしやすい環境とも言えるのだが、そうもいかない現状が浮き彫りになった。GW予算は落ち込む調査会社インテージが、全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象に行った「ゴールデンウィーク(GW)」に関する調査結果が発表された。全体の動向が最も分かりやすいのは予算である。GWにかける全体予算は、新型コロナ禍による大きな落ち込みから、ここ3年ほど回復傾向だったが、落ち込んでしまった。物価高がGWも直撃前年の2025年(令和7年)は、平均2万9,237円まで上昇したものの、今年は2万7,660円となった。前年比94.6%の減少で、新型コロナ禍以降では、最も少ない予算となった。予算を減らした理由で最も多かったのが「物価高・円安だから」という回答で49.2%、調査に答えた人のほぼ半数が、実感していることが分かった。GW市場規模を試算したところ、2兆6,578億円で、これも前年比で94.2%と大幅に落ち込んだ。長引く物価高は“特別なレジャー期間”でもあるGWにも、影を落としている。米のイラン攻撃が拍車イメージ画像:「混雑する空港ロビー」(写真ACより)米国によるイラン攻撃から、一気に不安定となった中東情勢も影響している。調査を担当したインテージが、複数の回答を選んでもらう形式で調べたところ、「特に影響がない」という回答は74.6%あった。しかし、これはもともと中東などへの旅行を計画していない人も回答者に入っているため、「予算や予定を控えめにする」と回答した19.6%に着目するべきなのだろう。「イランなど国際情勢の影響は?」という問いに、2割もの人が「影響あり」と答えていることになる。短期の国内旅行は堅調イメージ画像:「新幹線ホームの待機列」(写真ACより)海外旅行から国内旅行へと変更する動きが見られるようだ。国内旅行では、特に手頃な1~2泊の旅行を選ぶ人が、前年の67.2%から、今年68.9%と微増した。こうした国内旅行にかける予算についても、前年より1割以上アップしていて堅調となっている。「2026年のGWは遠く長くではなく、期間を短く絞っても、それぞれの満足度を重視する旅行スタイルが多いようだ」とインテージは分析している。地震への不安は続くイメージ画像:「津波避難所のスピーカー」(写真ACより)しかし、調査の後、4月20日に三陸沖を震源とする地震によって、青森県では最大震度5強を観測し、北海道や東北地方の太平洋岸には津波警報が出された。「後発地震注意情報」が継続されるなど、当該地区の方々はもちろんだが、この地方への旅行を計画している人で、残念ながら予定の変更を決めた人もいるだろう。なかなか決まらぬGW予定今回の調査で「GWの過ごし方」について、実は「自宅で過ごす」という人も減っている。その一方で、調査時点で「特に予定はない」と回答した人は41.2%と、前の年よりも5ポイント近く増加した。予算、社会情勢、天候など様々な要素を見極めようとする傾向が例年よりも強いと見られる。同時に、物価高、国際情勢、そして地震への不安など、決断を迷わせる環境が多いのも、2026年の特徴だろう。休みの魅力のひとつは、ゆっくり過ごすこともだが、“非日常の体験”も大切であろう。多くの不透明な要素の中、家族で知恵を絞る人も多そうな、そんな2026年のGWである。【東西南北論説風(684)byCBCマガジン専属ライター・北辻利寿】