[title]
Column
aispo!web連動企画

ROAD TO 2020

東京五輪で悲願のメダルを!

寺本 明日香(レジックスポーツ/中京大学)
2018.05.07

2016年のリオデジャネイロ五輪では、キャプテンとして若いチームをまとめあげ、48年ぶりとなる団体戦4位入賞という歴史的快挙の立役者となった寺本明日香選手。東京五輪まで1000日を切った今。
悲願のメダル獲得という青写真を描きながら、一歩一歩着実にステップアップを図っている。

※平成29年12月1日発行のaispo!記事を再掲しています。

平均台で入賞の目標をクリア
手応えをつかんだ世界体操カナダ大会

2017年10月、カナダ・モントリオール。世界体操に出場した寺本明日香選手は、確かな手応えを感じとっていた。「平均台で決勝に残るという、大会前に掲げた目標をクリアすることができました」。

団体戦は行われず、個人総合と種目別のみが行われた、今回の世界体操。寺本選手は平均台と段違い平行棒に出場し、平均台は6位入賞、段違い平行棒は16位で予選落ちという結果に終わった。世界中のスペシャリストたちが集まる種目別競技で、オールラウンダーである寺本選手が決勝に残ることは、そう簡単なことではない。五輪に2度出場した寺本選手でさえ、平均台予選の演技前は「予選を通過できるかどうか分からなかったので、とても緊張していました」と振り返るほどだ。

結果は、見事に予選を突破。降り掛かるプレッシャーをはねのけて、決勝進出という目標を達成できたことに充実感をにじませた。

また、村上茉愛選手(日体大)が種目別のゆかで金メダルを獲得したことにも大いに刺激されているという。「日本の女子は強いと世界にアピールすることができました」と寺本選手。東京五輪での悲願のメダル獲得に向けて、弾みのついた大会となったようだ。

ワールドカップに向かって走り続ける

鉄棒が上手くなりたかった少女が五輪選手に

2001年、愛知県小牧市。小学1年生だった寺本選手は、好奇心旺盛で快活な少女だった。ある日、公園の鉄棒で遊んでいる時、ふとこんなことを思ったという。「色々な技ができたらもっと楽しいんだろうなぁ」。

それが、彼女が体操を始めたきっかけだ。体操教室なら色々な技を教えてもらえるだろうと、現在も所属しているレジックスポーツの門を叩くことに。「鉄棒の他にも、たくさんの種目があって面白いなと思いました」。

体操の面白さを知り、競技にのめり込んでいった寺本選手は、その後メキメキと頭角を現し、ついには日本代表にまで上り詰めた。高校2年生となった2012年にはロンドン五輪に出場。女子団体の8位入賞に大きく貢献した。

体操を始めた時は、五輪など夢にも思っていなかった寺本選手。オリンピアンになって、挑戦する気持ちを持つことの大切さを知ったという。「やりたいなと思うことがあったらチャレンジする気持ちが大切。たとえうまくいかなくても、絶対に後で役に立つと思います」。

満足感と悔しさを 同時に味わった リオデジャネイロ五輪

2016年8月、ブラジル・リオデジャネイロ。2度目の五輪に出場した寺本選手は、文字通り日本女子チームの大黒柱として大活躍。個人総合で52年ぶりとなる8位入賞を果たしたほか、団体は4位とメダルまであと一歩のところまで迫った。団体戦での寺本選手は、チームのキャプテンとして安定した演技を披露。平均年齢18歳という若いチームを先頭に立って引っ張った。

試合後に寺本選手が見せたのは、笑顔と涙。納得のいく演技ができたという満足感と、あと一歩のところでメダルを逃した悔しさが入り交じった表情を覚えている人も多いだろう。

「女子(体操)だってやればできるということを、多くの人に知ってもらうことができました。2020年の東京五輪はメダルを取れるように頑張りたいです」。リオデジャネイロ五輪終了後、一時は引退が頭をよぎったという寺本選手だが、彼女の中で勝ったのは、満足感よりも悔しさ。リオ五輪での忘れ物を取り返すため、他のどの選手よりも強く、東京五輪に出場したいという気持ちを持っている。「自国開催の五輪に出られるなんて、アスリートとしてこれほど幸せなことはありません。チャンスをものにできるよう頑張りたいと思います」。

ワールドカップに向かって走り続ける

豊田国際体操の目標は 新技挑戦と地元への恩返し

2017年12月に豊田国際体操へ出場をする。今季の締めくくりとなるこの大会では、難易度の高い技を決めることが目標だ。「平均台なら3回ひねり下り、段違い平行棒なら離れ技の数を増やすなど、新しいことにチャレンジしたいと考えています」。全ては東京五輪を見据えてのこと。メダル獲得という大きな目標を達成するためには、さらなるレベルアップが必要と考えているからだ。

豊田国際体操には、もうひとつ別の思いも持って臨む。それは「大好きな地元」への恩返しだ。「知り合いがたくさん観に来てくれるので、いい演技をしたいと思っています。また、普段の大会ではしないようなファンサービスもするので、ぜひ多くの人に見に来てもらいたいですね」。

来春の大学卒業後も、ここ愛知を拠点に東京五輪を目指すという寺本選手。2020年に最高の笑顔を見せるため、一歩一歩確実に五輪への道を踏みしめている。

<主な成績>
2012年
ロンドン五輪 個人総合11位
2013年
ワールドカップ・東京大会 個人総合1位
NHK杯 個人総合1位
2014年
世界体操選手権 個人総合18位
2015年
世界体操選手権 個人総合9位
2016年
NHK杯 個人総合1位
リオデジャネイロ五輪 個人総合8位
ワールドカップ・イギリス大会 個人総合4位
リオデジャネイロ五輪 PLAY BACK!!

寺本選手は団体と個人総合(跳馬、段違い平行棒、平均台、ゆか)に出場した。

8月7日(日)
団体予選で7位、個人総合で12位に入り決勝進出を決めたものの、種目別では決勝には進めなかった。
8月9日(火)
団体決勝に出場。跳馬、段違い平行棒、平均台の3種目でそれぞれ安定した演技を披露した。中国と銅メダルを争ったが、惜しくも4位に。それでも1968年のメキシコ五輪以来の好成績となった。
8月11日(木)
個人総合決勝で57.965点をマークして8位に。同種目では、1964年の東京五輪の池田敬子(6位)以来の入賞となった。
 

Asuka Teramoto

レジックスポーツ/中京大学

姫野和樹
1995年11月19日生まれ、小牧市出身。小学1年生の時に体操を始める。中学時代には国際大会に出場し、活躍の場を世界へと広げる。名古屋経済大学市邨高校在学中に、ロンドン五輪に出場し、個人総合11位となった。レジックスポーツ所属。中京大学スポーツ科学部在学中。

取材・文=鶴哲聡
撮影=江崎浩司
aispo!電子書籍版はこちら。

新着記事