スマホながら運転で6人死傷事故、危険運転致死傷罪にならない理由

三重県の新名神高速道路で、スマートフォンを見ながら大型トラックを運転して事故を起こし6人を死亡させたとして、津地裁は10月20日、自動車運転処罰法違反、過失致死の罪に問われた元トラック運転手に対し、求刑通り拘禁刑7年の判決を言い渡しました。6人も亡くなったのに刑が7年では軽いのではないかという意見など、判決に賛否両論が巻き起こっていますが、裁判官は「過去の過失運転致死事案と比較しても最も重い部類」と断じています。10月21日放送『CBCラジオ #プラス!』では、今回の判決に対しCBC論説室の石塚元章特別解説委員と永岡歩アナウンサー、山本衿奈がコメントしました。
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議論の焦点となっているのは、スマホのながら運転の扱い。飲酒運転と同じぐらい悪質な運転であるため、拘禁刑の上限が7年の過失運転致死傷罪ではなく、上限20年の危険運転致死傷罪レベルのものではないかという意見もあります。
2024年に危険運転致死傷罪の要件見直しを議論した法務省の有識者検討会で、ながら運転を処罰対象に加えるかどうかも論点のひとつでした。
しかし、危険性や悪質性を的確に規定するのは困難として、見送りとなっています。
法律にするには、時速何km以上でどのような動画をどれだけの秒数見ていたらアウトなのかを決めなければなりません。
石塚は「ちょっと道を調べたくて地図を見たとか、今回のはそんなケースじゃないので、みんな厳しい目で見てるけど、本当に何秒ぐらい見てたのかとか、本当に事故を起こした時にスマホが原因なのか確認がしにくいということで見送られた。
ただ、慎重に検討を議論しましょうと言っているので、ぜひ議論はしてほしい」
一方で石塚は、技術の進歩によって将来は何秒見ていたのか、よくないわき見なのかがわかるようになるのではないかとも語ります。
プロのドライバーだからこその落とし穴か
事故を起こした元運転手は、TikTokの動画をスクリーンショットで保存するために10数秒間にわたってわき見していたことが判明しています。
運転中に保存する必要があったのでしょうか。
永岡「当然良くないことですけど、本当に保存したいと思っても、TikTokは特性上どんどん流れていきますから、後でもう1回調べようと思ってもそれに出会える確率って本当に低い」
とは言え、ながら運転は許されるものではありません。
永岡「運転の慣れもあったんじゃないか」
ペーパードライバーの永岡、遠くへレンタカーを借りて出かけた時「家族を事故に遭わせるわけにはいかない」と思いながら運転しているため、運転が終わると疲れたとのこと。
それに比べ、職業として普段乗り慣れているドライバーに「運転に関する過信もあったのではないか」と続けます。
わき見運転を防ぐしくみ
また石塚は最近の流行語である「ドパガキ」にも着目。
ショート動画を大量に見続けることでドーパミンが出て止められないことが問題になっていますが、動画を見たいと強く思う人は場所や時間に関係なく見続けてしまうことが問題。
運転しながらスマホを見るのは論外ですが、テレビを見ていてもスマホ、歩いていてもスマホと、スマホを見ているのが当たり前のようになっています。
そもそも事故を起こさないようにすることが大事ですが、国土交通省はながら運転の対策強化に乗り出し、わき見運転などを検知すると警報が鳴る「ドライバーモニタリングシステム」の自動車への搭載を義務化すると発表。
トラックやバスにも搭載する予定とのことです。
(岡本)
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