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<論説コラム>統一地方選の春だからこそ、沖縄の問題に思いを馳せなければ・・・

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<論説コラム>統一地方選の春だからこそ、沖縄の問題に思いを馳せなければ・・・
全国各地で選挙カーが走り始めた。
平成最後の4月は、4年に一度の統一地方選挙の春となる。
首長選挙や議員選挙が行われる中、沖縄県では、衆議院沖縄3区の補選が4月9日に告示される。議員だった玉城デニーさんが知事に就任したことに伴うものだが、ここでも、米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移す問題が争点になる。


■県民投票での「NO」

辺野古沖の埋め立て問題をめぐっては、2月24日にその是非を問う「県民投票」が行われた。投票率は52.48%で、「反対」は7割を超える43万4,273票だった。この得票は2018年9月に辺野古埋め立て反対を訴えて当選した玉城デニー知事が獲得した39万6,632票をも超えた数であり、あらためて沖縄県民の意思が示された結果となった。


■沖縄で人々はこう語った

県民投票の2日前から沖縄の地に入って当日を迎えたが、この間に会話を交わしたすべての人が投票に「行く」、あるいは期日前を含めて「行った」と答えてくれた。
78歳のタクシー運転手は日曜日が仕事のため期日前投票を済ませたと即答。ピザレストランのレジにいた男性スタッフも勤務が夜のため出勤途中に投票してきたと話す。那覇市内にある牧志公設市場の食堂のおばさんも「投票?もちろん行ったさー。行かないわけにいかんでしょ」と話してくれた。


■何も変わらない辺野古

こうした沖縄県民の意思が明らかに「埋め立てNO」と示されてからも、辺野古の埋め立て工事は立ち止まることもなく進められている。
県民投票から1か月たった3月25日には、辺野古沿岸部の新たな区域へ土砂の投入が始まった。政府は一貫して「普天間飛行場の危険除去と返還に向けて、今後も工事を進める」とし「安全保障は国の専権事項」との姿勢を変えていない。


■かみ合わない主張の先は?

今回新たに埋め立てが始まったのは南側の海域だが、北側の海域には軟弱な地盤が見つかった。防衛省は海面から杭を打って地盤を強化する方針だが、工期も予算もさらに膨れ上がることは必至な情勢となった。
埋め立て承認をめぐっての裁判も進行していく。国と沖縄県、双方の主張のねじれはより一層深まっていくだろう。それが進んでいった先の沸点がとても心配だ。これまでも度々主張されてきたことであるが、国と県、その対話がまず必要であろう。そこから何が生まれるのか生まれないのか、それを想定した上での対話ではなく、まずは真摯に向かい合うことである。そのテーブルすら現在はない。

沖縄での悲しいつぶやきが忘れられない。
「知事選そして県民投票、一体、何度自分たちの意思を示せばいいのか」。
この問題は沖縄の人たちだけのものではない。沖縄県以外の地に暮らして、この春、統一地方選という場での「投票」によって「民意」と向き合う国民ひとりひとりに問いかけられた言葉でもある。
民意とは何か?
それぞれの選挙区で投票する候補者を熟考することは大切だが、同時に今だ出口の見えない基地問題を抱える沖縄にも思いを馳せる春にしたい。


【東西南北論説風(93)  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

画像:沖縄県民投票の看板(C)CBCテレビ

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