『名古屋めしランキング』から学ぶ名古屋めし基礎知識
まずは基礎知識として、そもそも「名古屋めし」って何だ?というところから。味噌カツ、ひつまぶし、手羽先、台湾ラーメン、小倉トーストなど多種多彩なグルメが挙げられる名古屋めし。ひと言でいえば、“名古屋を中心とする東海地方のご当地グルメ”全般を指す言葉です。一番のポイントはこの地域の人に好まれて広く浸透していること。飲食店や家庭などいろんなところで食べられることが何より重要で、そのため名古屋発祥でないものも含まれますし(天むす、ういろう、エビフライなど)、逆に特定の店だけの人気メニューを名古屋めしと呼ぶことは基本的にありません。
さて、番組では先ごろ名古屋めしに関する独自のアンケートを実施。
その結果が下記のランキングです。
「最新!東海3県の100人に聞いた!好きな“名古屋めし”ランキング」
栄えある1位に輝いたのは「ひつまぶし」! B級グルメが多いといわれる名古屋めしの中で貴重なごちそうグルメということもあって、“食べたい!”という期待値の高さが多くの得票につながりました。さらにここ数年、名古屋ではうなぎの専門店が急速に増えていて、そんなトレンドもランキングに反映されたのかもしれません。
2位「味噌煮込みうどん」、3位「味噌カツ」と並ぶトップ3は納得のラインナップ。過去の様々なアンケート調査でもこの3品の上位は揺るぎません。
4位に「きしめん」が食い込んだのは、回答者が最新の名古屋めし事情をよく分かっている証拠! 名古屋めしの中で最も歴史のあるきしめんですが、10年ほど前までは地元であまり食べられなくなっていました。しかし、近年は幅広きしめんや“ころ”きしめんのブームで人気がV字回復。その動向がイチ早く順位に反映されました。
意外だったのは9位の「手羽先」。多くの調査で上位3品と並ぶ人気メニューですが、今回は不思議と票が伸びませんでした。それでも、名古屋・愛知の居酒屋では定番で、なおかつデパ地下の総菜でもおなじみ。有名チェーンは全国展開も果たしていて、メジャー化によってローカル色が薄まったことが、得票が伸び悩んだ要因だったのかも(?)。
「あんかけスパ」10位、「台湾ラーメン」15位は、ファンにとっては意外な順位かも。どちらも熱烈なリピーターをつかんでいる一方、味の個性が強烈なため「食べたことない」という人も少なからずおり、上位進出を逃したと考えられます。それでも『デララバ』の前身企画である「太田×石井シリーズ」第3弾の「味仙」編が高視聴率を獲得したとおり、ファンの熱量はハンパありません。この2品はランキングには現れない強力な支持層を持つ、名古屋めしの裏番的存在。ナメたら痛い(辛い)目にあうのでご注意を。
その他のラインナップを見渡しても、洋食あり、和食あり、喫茶グルメあり、甘いもんありと実に多彩な顔ぶれ。「モーニング」なんてよく考えたら料理の種類ではなくシステムなのですが、これが7位に入っているところにも、東海地方の食文化のふところの深さを感じられます。さらにはランキング以外にも、「名古屋コーチン」「台湾まぜそば」「ういろう」「とんちゃん」「守口漬」、さらに一企業のメニューですが「スガキヤラーメン」「シロノワール」といった愛されグルメが控えています。
ご当地グルメがこんなにバラエティ豊かな地域は、全国を見渡してもそうはありません。ガッツリめしから酒のつまみ、ごちそう、おやつなど、あらゆるシーンでいろんな味を楽しめる。そんな多様性こそが名古屋めしの魅力なのです!