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NEWS RELEASE

ニュースリリース

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2012年度

第54回CBCクラブ文化賞(くちなし章)受賞者決定のお知らせ

2013年1月22日

■受者氏名
水野 鑛一郎(みずの こういちろう) 氏
■生年月日
昭和8年1月2日(80歳)
■現住所
名古屋市西区
■職業
筝・甲づくり職人
■略歴
昭和30年 筝・甲づくりを始め、現在に至る
平成2年度 名古屋市技能職団体連合会優秀技能者表彰
平成5年度 名古屋市技能功労者表彰
■受賞理由
水野鑛一郎氏は、昭和30年に箏・甲づくり職人になって以来50年以上の長きにわたり箏業界を支えてきました。箏の製造は、この地方では分業制になっており、切り出された桐の木を、削り・焼きを入れる(甲づくり)作業と、弦を張るための飾り付けをする作業に分かれます。甲づくり職人は、東海地方で水野氏が唯一です。
また、箏は演奏中に琴柱(ことじ)を動かすため、長年演奏すると甲の表面が傷んできます。その傷んだ甲の表面を削り再生させることも行います。
この地方の箏業界を陰で支える功労者、縁の下の力持ち的な存在であることから「くちなし賞」を送ります。
■賞金
70万円
【CBCクラブ文化賞(くちなし章)】

東海地方において一芸一能に徹して、社会的に貴重な存在となっている人を表彰するもの。昭和35年以来、90名にお贈りしています。(水野氏は91人目)

賞の設置にあたって、昭和35年当時の記録には、「世の中にはすぐれた腕をもっていたり、社会的に意義のある仕事をしていながら、黙々と自分の使命をさも当然のように果たしている人がある。(そのような方に)あくまでも“もらっていただく”こととする。」とあり、第一回の贈呈式では「社会的文化的に貢献されながら、自分からはものをいわないという奥ゆかしい方をクラブ員の方々からご推薦いただきまして、委員会において決定したもの。」と紹介があります。
この賞の受賞者が、この地方の文化と社会になくてはならない存在であるとして、毎年社会的に意義のある仕事一筋の方を表彰しています。なお、受賞者はCBCクラブの名誉会員になっていただきます。

くちなし章=
口にだして大仰に伝えられなくとも、その一芸一能の芳しい香色は世の中の認められるところとなるという意味合いが、くちなしという花のもつ意味合いと合致し、CBCクラブ文化賞の象徴として選ばれ、徽章を贈ることとなりました。
なお、章は当時の院展院友の野村画伯がクチナシの花と実を図案化したものを七宝で製作したものです。
【CBCクラブとは】

CBCクラブは、昭和25年に会社を創立した中部日本放送株式会社が「文化の発展と向上に寄与することが放送の使命」という企業姿勢に基づき、昭和32年に東海地方在住の芸術・文化・学術の分野を代表する145人で発足しました。

発足当時、荒川豊蔵氏(陶芸)、加藤唐九郎氏(陶芸)、北川民次氏(洋画)、北王英一氏(東山動物園の初代園長)、鬼頭鍋三郎氏(洋画)、杉本健吉氏(洋画)、鈴木青々氏(陶芸)、徳川義親氏(徳川美術館初代館長)、我妻碧宇氏(日本画)といった方々がCBCクラブ会員として名を連ねています。

現在、CBCクラブ会員数は290人です。くちなし章以外の主な会員活動は、チャリティ美術工芸展などのチャリティ活動、「CBCこども絵画展」「翔け!二十歳の記憶展」(美術大学の学生を対象にした美術展)の審査・展示、芸術文化交流例会、CBCラジオ番組「文化楽々」の放送などです。