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CBC会館

名古屋市「認定地域建造物資産」認定
地域とともに歩む、日本最古級の“生きた放送局舎”「CBC会館」

日本最古級の“生きた放送局舎”「CBC会館」
建築概要
所在地 名古屋市中区新栄一丁目2-8
建築年 1956(昭和31)年(増築部:1959年)
設計 日建設計工務㈱(現:㈱日建設計)
施工 ㈱竹中工務店
構造・規模 鉄骨鉄筋コンクリート造地上7階、 地下1階建

 日本初の民間放送として誕生した中部日本放送㈱(以下、CBC)がテレビ放送開始に先立ち本社屋として1956年に建設した「CBC会館」は、名古屋初の民間テレビ放送用の建築として、東海地域の放送文化を担う重要なインフラとして機能してまいりました。外壁には、メキシコ民俗派洋画家の北川民次氏原案・モザイク壁画の第一人者である矢橋六郎氏制作の壁画「芸術と平和」が設置されるなど、建築にまつわる意匠も含めその価値が評価され、2026年3月30日、名古屋市「認定地域建造物資産」の認定を受けました。

 CBCでは今回の認定を受け、先人たちの培ってきた放送文化の結晶たるコンテンツに加え、その発信拠点である当建物についても貴重な歴史的資産として継承するとともに、地域の皆様に愛される施設として、一層の活用を図ってまいります。

名古屋市「認定地域建造物資産」とは

名古屋市では、築50年以上経過した景観的・文化的価値を有する建造物として、
・老朽化が著しくなく、修復・活用が可能なもの
・所有者に存続の意思があるものを「登録地域建造物資産」として登録しています。(※CBC会館は2025年9月に登録済み)

そのうち、「町並み・界隈の重要な要素、ランドマークとなっているもの」「歴史性、物語性を有するもの」等一定の要件に該当するものを「認定地域建造物資産」に認定し、重要な歴史的建造物としての支援を行っています。

名古屋市 認定地域建造物資産サイト(外部サイト)

CBC会館の歴史

1.日本初の民間放送開始

1951年 開局直前のCBC本社・演奏所(現在のCBC会館の前身)

CBC会館が立つ名古屋市中区新栄は、江戸時代には尾張藩の武家屋敷群や寺院が集まる、歴史ある地域でした。

1950(昭和25)年12月15日、中部日本放送が創立。豊田自動織機の豊田利三郎会長らが所有していた土地を譲り受け、CBC最初の本社社屋が完成します。そして、1951(昭和26)年9月1日、この地から日本初の民間ラジオ放送を開始しました。

2.CBC会館誕生、そしてテレビ放送開始

その後、時代は高度経済成長期へ。テレビ放送の開始を目指し、最初の社屋を取り囲む形で現在の「CBC会館」の建設が進められました。
日本初のテレビ放送用集約電波鉄塔(名古屋テレビ塔、現:中部電力 MIRAI TOWER)が1954(昭和29)年完成。そして1956(昭和31)年12月1日、この新しいCBC会館からいよいよテレビ放送がスタートします。

1956年 完成当時のCBC会館
完成当時のCBC会館、左に隣接している建物が初代社屋(ラジオスタジオ)

3.増築を経て現在の姿へ

1960年 増築完成当時のCBC会館と名古屋テレビ塔

さらに1959(昭和34)年、最初のラジオ局舎部分を建て替える形で増築工事(第2期・第3期)が完成し、現在のCBC会館の形が整いました。時代の潮流をとらえ、市民とのふれあいや文化交流を重視した「生きた放送局舎」の完成でした。

文化を創り出す、CBCのスタジオ群

CBCホール(第8スタジオ)

CBCホール(第8スタジオ)

CBC会館を代表するスタジオ、それが「CBCホール」です。
1956(昭和31)年の建設当時、600人を収容できる客席を備えた、大規模な公開放送が可能な画期的スタジオとして誕生しました。
CBCホールでは、開館当時から現在に至るまで、『天才クイズ』や『どんぐり音楽会』をはじめ、数多くのテレビ・ラジオ公開番組収録やイベントが行われています。

CBCホール(第8スタジオ)1959年 公開ドラマ収録
CBCホール(第8スタジオ)2026年 新天才クイズ 公開収録

第1スタジオ

第1スタジオ

1959(昭和34)年、CBC会館増築時に完成したのが、この第1スタジオです。公開放送を可能とするラジオスタジオとして誕生しました。
スタジオの意匠や防音扉、照明装置など、当時の原形のまま美しく残されています。
開館当時から今もなお、数多くのラジオ公開イベントを中心に活用されています。

第1スタジオ1959年 「CBC管弦楽団」収録
第1スタジオ2026年 盛り上がる1スタ「らじお女子」公演

音響技術の歴史を伝える「エコールーム(残響室)」

エコールーム(残響室)

1スタの上には、現在は使われていませんが「エコールーム(残響室)」が当時の姿のまま遺されています。
現代のようなデジタルエフェクト(音響効果)技術が存在しなかった時代、局内ではこうした物理的な部屋を使って豊かな音響を巧みに整えていました。

エコールームの手法は、スタジオの音を一度この「とても響く部屋」でスピーカーから流し、コンクリートの壁に反射して生まれた残響音を、再びステレオマイクで録り直して、元の音とミックスして放送・録音するという、手の込んだものでした。
当時の最先端の放送技術と、職人たちの音づくりへのこだわりを今に伝える貴重な空間です。

第7スタジオ

1956(昭和31)年のCBC会館新築の際に完成した第7スタジオは、今なお様々な番組制作で活躍するテレビスタジオです。
『キッズ・ウォー』『東芝日曜劇場』など、数々のドラマもこのスタジオから誕生しました。いまも『キユーピー3分クッキング』や、各種バラエティ番組の収録などで広く活躍しています。

第7スタジオ1956年 ドラマ収録
第7スタジオ2026年 キユーピー3分クッキング収録

CBC会館 2つの壁画

北川民次 大理石モザイク壁画「芸術と平和」
CBC会館 東側外壁面

北川民次 大理石モザイク壁画「芸術と平和」

1959(昭和34)年、CBC会館増築時に、当時国内最大級となる大理石モザイク壁画が設置されました。
日本を代表する洋画家・北川民次画伯が、壁画を「誰もが見ることのできるメディア」と位置付けて手がけた、自身初の屋外壁画作品です。

作品を通じて「人々が協力し、幸福に、平和に暮らすこと」を伝えたいと考えた北川画伯は、芸術に関わる様々な道具を手にした8人の女性を原画に描きました。
この思想を受け継ぎ、モザイク壁画の第一人者である矢橋六郎氏(矢橋大理石商店)らが、総重量9.3トン・およそ18万個もの大理石を使用して、大理石モザイク壁画に造り上げました。

洋画家・北川民次画伯
CBC会館 東側外壁面
作品概要
「芸術と平和」
原画 北川 民次(1894年 - 1989年)
制作 1959年 矢橋大理石商店(矢橋 六郎 ほか)
サイズ・材質 14.72m × 7.12m 大理石
設置場所 CBC会館 東側外壁面

森田元子 壁画「花ある日々」

CBC会館6階 婦人ホール (※一般非公開)

CBC会館の6階にある「婦人ホール」は、1956(昭和31)年の建設当時、この地方の文化センターを目指すCBCが「女性団体などの集いの場」として設けた空間でした。この場所にふさわしい壁画として、女性画家のパイオニア・森田元子画伯へ制作が依頼されました。こうして誕生したのが、幅12.5m、高さ3mに及ぶ油絵壁画『花ある日々』です。

森田元子 壁画「花ある日々」

画家の魂が宿る「11年目の描き直し」というドラマ

1956年12月の完成披露から11年が経った1967年、森田画伯は「かつての分身(旧作)をこのまま後世に遺すのを許せなかった」とし、旧作を自らの手で削り落とし、現在の「花ある日々」を描き上げました。

森田元子 壁画「花ある日々」1956年(旧作):黒いストロークで描かれた、古代ギリシアのような服を纏った15人の女性
森田元子 壁画「花ある日々」1967年(新作):鮮やかな朱色(ヴァーミリオン)の筆触に変わり、時代の変化を映すようにミニスカートやハイヒール姿となった16人の女性
森田元子 壁画「花ある日々」1957年 フランス・シャンソン歌手「イベット・ジロー」歓迎レセプション
森田元子 壁画「花ある日々」「スペインの古いフレスコ画のように、長い歳月を経てこの絵がどんな美しさを残してくれるだろうか」
森田画伯がそう祈るような気持ちで描いたこの壁画は、今も変わらず婦人ホールの壁面で、CBC会館が紡ぐ歴史を見守り続けています。
作品概要
「花ある日々」
作者 森田 元子(1903年 - 1969年)
制作年 1956年 / 1967年本人により描き直し
サイズ・材質 12.5m × 3m 油絵(キャンバス貼り)
設置場所 CBC会館 6階 婦人ホール 西側壁面