1回10万円 中国製?「闇ワクチン」の実態とは

1回10万円 中国製?「闇ワクチン」の実態とは

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、「救世主」としての期待がかかるワクチンの接種に向けた動きが加速していますが、いま、国内に未承認の「闇ワクチン」が持ち込まれ、密かに出回っている疑いが浮上しています。実際に勧誘を受けた男性を取材しました。

1回10万円 仲介は中国人バイヤー

関西地方で飲食関係の会社を経営する佐藤さん(仮名)。
今月上旬、知人の会社経営者からこんな電話がかかってきたと話します。

佐藤さん(仮名)
「コロナのワクチンあるけどどう?中国の方から闇ワクチンが入ってきていると。」

佐藤さんが勧められたのは、日本ではまだ始まっていないはずの新型コロナのワクチン接種でした。

佐藤さん(仮名)
「私は1回10万円で接種できると言われました。(接種できるワクチンは)国内で未承認のもので、ファイザー製などではないと聞きました。中国人のバイヤーに会わすので、同意書を書いて、現金払って、日にちを決めて打ちますという説明をされました。」

佐藤さんが説明された内容はこうです。
接種する場合は知人の経営者が佐藤さんに中国人のバイヤーを紹介。
そのバイヤーに現金10万円と同意書を渡すと
未承認の「闇ワクチン」が接種できるといいます。

闇ワクチンを接種した知人「1か月様子みて大丈夫」

果たしてそのワクチンは本物なのか…
仮に本物だとしても安全性に問題はないのか。
佐藤さんが半信半疑でいると、知人の経営者は“自身の体験”を交え安全性を強調してきた言います。

佐藤さん(仮名)
「上海と天津にある製薬会社が作ったワクチンだと。作っている製薬会社では臨床試験ですでに安全性を示していると聞きました。
(知人の経営者は)実際にワクチンを打ち、多少微熱っぽい 血管が膨らんだような感覚、頭がぼーっとする、のぼせたような感覚が 2~3日続いたと言っていました。ただその後1か月様子をみたら問題なく、大丈夫だったと。」

一方、インフルエンザワクチンなどの開発に携わってきた日本ワクチン学会の奥野良信理事は、「闇ワクチン」が取り返しのつかない事態を生むリスクを指摘します

日本ワクチン学会奥野良信理事
「闇ワクチンは有効性も安全性も担保されていないので、ある程度覚悟をもって接種することになります」

記者:覚悟とは?

日本ワクチン学会奥野良信理事
「何が起こってもそれを受け入れると…」

ワクチンの開発段階では、予期しない重大な副反応が出るケースや時に死亡するケースもあるため、未承認であることに加え、そもそも成分などがはっきりしない闇ワクチンの接種は、取り返しのつかない事態になる可能性があることを充分に考えて欲しいと奥野さんは話します。

国内富裕層の一部がすでに接種している可能性も…?

こうしたリスクに加え、そもそも未承認のワクチンを国へ申請せずに輸入する行為や、他人に販売・譲渡する行為などは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(旧・薬事法)で禁じられていますが、すでに「闇ワクチン」を国内の富裕層などが接種している可能性も…

日本ワクチン学会奥野良信理事
「未承認の新型コロナワクチンを国内に持ち込んで一部の人が接種した話は聞いている(接種したのは) 一部の企業のトップの方だと」

佐藤さん(仮名)
「経営者だったり個人医院の医師だったりスポーツ関係者が打っている話を聞きました」

国内で密かに広がっている可能性…厚労省「偽物の可能性も」

今回、取材に答えて頂いた佐藤さん。
最終的には、「安全性」を考えて闇ワクチンの接種を断りました。

記者:闇ワクチン誘われてどう感じた?

佐藤さん(仮名)
「ありがたいなとは思いました。コロナに感染して経営している会社を閉めなきゃいけないくらいなら未承認ワクチンを接種して予防したほうが安全かなと迷ったことはあった」

「感染したくない」という誰もが感じる不安に付け込み、国内で密かに広がっている可能性もある「闇ワクチン」。

佐藤さん(仮名)
「1000人単位のワクチンがあると言っていた。(闇ワクチンは)かなり出回っていると思う」

厚生労働省は、「未承認のワクチンを接種して健康被害が出ても国の救済制度の対象とならない」とした上で、ワクチン自体が偽物で詐欺の可能性もあるとして注意を呼び掛けています。

(2021年1月28日放送「チャント!」より)