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この時を待っていた!高橋周平の目覚めにドラゴンズファンは熱く叫ぶ

この時を待っていた!高橋周平の目覚めにドラゴンズファンは熱く叫ぶ
論説室コラム

この時を待っていた!高橋周平の目覚めにドラゴンズファンは熱く叫ぶ

 2019年6月7日(金) 10:10
北辻 利寿
北辻 利寿

ナゴヤドームで中日ドラゴンズのゲームを観戦していると、ファンの声援から期待されている選手がよくわかる。その時に活躍している選手に大きな声援が送られるのは当然なのだが、この8年間、好調な時期でも打てない時期でも、打席に入るとき必ずドラゴンズファンから大きな歓声で迎えられる選手がいる。高橋周平選手だ。

お見事!月間8度の猛打賞

その高橋選手がついに覚醒した。
2019年5月の打撃成績は、96打数40安打で打率.417、3本塁打、打点29、見事だ。何より全国の注目を集めたのは、1ゲームで3安打以上を打つ「猛打賞」の数である。日本プロ野球では過去に11人が、この猛打賞を月間8度記録している。昨シーズンは8月に高橋選手の同僚ドラゴンズのダヤン・ビシエド選手が達成しているのでファンの記憶には新しいと思うが、過去の記録保持者にはそうそうたる打者たちが並んでいる。

イチローに並ぶ記録

2リーグ制以降で初めて月間8度の猛打賞記録を残したのは讀賣ジャイアンツの川上哲治さん、その3年後には「初代ミスター・ドラゴンズ」である西沢道夫さん、1996年にはイチローさんも名を連ねた。
ドラゴンズからは西沢さん、ビシエド選手の他に、落合政権時代に活躍した外野手アレックス・オチョアさんもいる。背番号「5」のスラッガーだった和田一浩さんは西武ライオンズ時代に達成している。その12人目に高橋選手が加わった。

残念!新記録ならず

ファンとして残念だったのは、プロ野球新記録となる月間9度の猛打賞を見ることができなかったことだ。5月26日の神宮球場で8度目を達成した後、5月は残り3試合あった。1安打、そしてノーヒットと2試合足踏みした後の最終日となった5月31日の東京ドーム。2ベース、ホームランと記録更新に王手をかけた後、2打席の凡退。日本中のプロ野球ファンも「イチロー越えか」と注目したと思うが、新記録ではなくタイ記録で終わった。
あと1本と手が届くところまでいっただけに溜め息も出てしまうが、月間8度の記録だけでもとにかく立派な成績である。心からの拍手を贈りたい。

与田采配で花開く

思えば、2011年秋のドラフト会議で、3球団による1位指名から当時の高木守道監督が見事に高橋選手の指名権を引き当ててから8シーズン目である。2018年シーズン、森繁和監督によってセカンドに起用されて初めて規定打席に達した後、今シーズンは与田剛新監督によってサード、そしてキャプテンにも指名された。胸の「C」マークは竜の姿をあしらった力強い柄である。「立場は人を作る」というが、どこかに甘えが感じられた顔つきが、実に引き締まった表情になったことを多くのドラゴンズファンが感じていることだろう。

ファンの声援もランクアップ

5月の月間MVPはまず手中に収めたと拝察する。そして月が替わった6月になっても4番を任されるなど好調は続いている。スタンドのファンからの声援は、これまで「早く成長してくれよ!」「頑張ってくれよ!」という叱咤激励のニュアンスだった。これからは明らかに違う。階段を一段も二段も上がった打者に送られる期待の歓声に変わる。
打者としてはもちろん打ち続けてもらいたいし、キャプテンとしては負傷者が多く苦しい戦いが続くチームの勝ちにつながるヒットをここ一番で打つことに期待している。

背番号「3」高橋周平25歳。足踏みした日々があっただけに、どこまでも高みをめざしてほしい。そして、覚醒を信じてずっと応援し続けたドラゴンズファンをたっぷりと満足させてほしい。
【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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