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ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

「もっと早く自分の実力に気付くべきだった」竜のエース大野雄大、ずっと目の前にあった沢村賞をとれた理由

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「もっと早く自分の実力に気付くべきだった」竜のエース大野雄大、ずっと目の前にあった沢村賞をとれた理由 | ドラの巻【昇竜復活へ!CBC中日ドラゴンズ情報】 | CBCテレビ・CBCラジオ


「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

 今週のサンドラは、沢村賞受賞、ドラゴンズ残留を筆頭に今年最も大きな拍手を送りたい大野雄大投手がスタジオに生出演。その魅力的なキャラクターと実力で生み出されたキラーエピソードは、ドラゴンズファンの心に刺さってやまないだろう。今回の番組でも、そこに新たな一話が加わってまた一層アツい大野投手を好きになってほしい!

■2018年の悪夢が蘇ったシーズン序盤

 今シーズンは開幕投手を務めた試合から6試合勝ち星無し。ボタンの掛け違いで、2018年のずっと勝てずにもがき続けていたシーズンが思い返された。その時の心境について大野雄大はこう語る。

「開幕投手を務めさせていただいたにも関わらず、6戦勝利がなかったというのはチームにも勢いがつかなかったと思いますし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。」

開幕戦こそ4回6失点という手痛い結果に終わっていたが、以降の試合は投球内容だけ見れば勝てているような試合もあった。そんな状況を井端弘和氏はこうみる。

「ボール自体はそんな悪いボール投げていなかったんですけど、調整不足というか(新型)コロナの影響で開幕が伸びて体のキレっていうのがちょっと足りなくて勝てなかったのかなと思いましたね。」

大野投手はコロナの影響で調整期間はどう過ごしていたか?
「二日に一回しか練習できなくて、練習時間も一時間だけだったので正直調整不足だったと思います。」

そんな中で転機となったのは7月31日今季初完投初勝利だった。

「最後まで投げられたのも良かったですし。序盤に3失点してしまったんですけど、チームが早いうちに逆転してくれたので、最後まで投げられたんだと思います。」

先に点を取られ、援護がなければ負けていたかもしれない試合だが打線の後押しや、チーム一体となって勝利を掴もうという気持ちを誰よりも粋に感じて力に変えていけるピッチャーが大野雄大だ。

「もともと一つ勝てばのっていくピッチャーというのは自分でもわかってるんで。こっからなんとか巻き返していきますと周りにも言ってましたね。」

その試合を変換点にするという気持ちを公言して大野雄大は突き進む。

■球団タイ記録の5試合連続完投勝利

その試合から5試合連続完投勝利を挙げ、球団のタイ記録と並んだ。一体大野の何が変わったのか?

「コントロールが一番だと思いますね。ストライクゾーンでどんどん勝負できていたので球数少なく完投ができていたと思いますし、勝利も増えていったんだと思います。(ー完投は狙っていた?)狙うタイプじゃないんで、試合の中で行けそうだったら行こうと思うタイプなので僕は。」

開幕6試合までと、シーズン終了までの14試合の成績を見ると、被ホームラン数は1試合平均で、1.3本と0.36本という大きな差が生じている。これに対して大野は、ホームランを打たれては行けない場面で抑えることを意識していると答えている。また、球種別被打率を見るとストレートとスライダーを狙われて打たれていたのが、フォークを多投しストレートでも抑えられるようになっている。これについて大野は、球種を自身で意図して変えているのではなくキャッチャーの木下が一番打たれないと思った球を要求しているだけと答えた。

「打たれている時っていうのは、ストレートで押して追い込んでフォークっていう追い込む前にストレートやスライダーを打たれていた。そこをカウント球でもフォークボールを使いだしてから、バッターが戸惑ったっていうのとストレートが明らかに走ってきたというのがあると思う。」

ーフォークを投げる時の一番の意識は?
「追い込んでからは、ストレートからボールに。ただ、ゾーンを外すと無駄球になってしまうのでゾーンを外さないようにという意識はいつもしてました。」

バッティングに関して、過去9年間で6打点だったのが今シーズンだけで4打点あげているが。「ピッチャーが打つと点につながりますし。自分が投げててもピッチャーが打つと点取られちゃいますので投手のバッティングの重要性というのがだんだんわかってきたという感じです。」

それを止めたのは、ジャイアンツの菅野投手

「すごく意識してましたね、菅野投手のことを。いつもはあんまり相手投手のことを気にしないんですけど、菅野投手は普段から交流もあるので。日本一の投手なので、なんとか投げ勝ちたいなと思ってましたね。」

■Aクラスに対するの思いの成就

エース対決で惜しくも敗れた後、45イニング連続無失点を記録するなどシーズン終盤も調子を落とすことなく投げ続けた大野雄大。そういった実績とともに、11月5日の試合で5回に足がつるアクシデントがあったにも関わらず、勝利への執念で7回まで無失点に抑え見事にAクラスを確定させるチームの勝利をもぎ取った。

「こんな年にAクラスに入って喜んでいる場合じゃないと怒られるかもしれないですけど、選手とファンのみなさんはそうじゃなくて、ここを目指して必死にやってきた7年間だった。めちゃくちゃうれしいです!」

ヒーローインタビューでそう答えた。

「ほんまに思ってたことそのままなんですけど、長かった7年間だったんで、選手とファンの方にしかわからないことだと思いますね。」

あるシーズンには、解説者の順位予想の低さに憤りを感じて、その予想したことを後悔させるような成績を残すとオフに公言したりと、常々ファンも感じていたずっと悔しかった気持ちを代弁してくれていた。そんなエースが自身の活躍で勝ち取ったAクラスは、自分にとって優勝よりも嬉しいことだったかもしれない。

今シーズン、20試合に登板し11勝6敗で10完投6完封、防御率1.82。2年連続最優秀防御率、最多奪三振、沢村賞受賞という揺るぎないエースとしての実力を発揮した。そのなかで一番嬉しかった記録はという問いに。
「沢村賞もですけど、2年連続最優秀防御率というのは狙ってたというのもあって嬉しかったですね。」

「ドラゴンズで優勝したいというのが本音で、そこが一番の残留の理由ですね。

悔しいという気持ちに籠ったエネルギーを、満を持してポジティブなかたちで表明した大野にもう迷いはない。

■吉見一起から大野雄大へ託されたもの

 Aクラス入りを決めた試合翌日に、引退試合で現役生活を終えた吉見投手。本人以上に大野投手の潜在能力の高さを最も強く感じた選手だろう。

「まず大野を初めて見たときに、すごい子だなこの子はと思いました。この子をなんとか一人前というか間違った方向に行かないようにしたいなと思って自主トレに誘った。僕から言わせると、10年目で獲った沢村賞は5、6年目で獲れたんじゃないかなと思うくらい大野雄大の能力はずば抜けていました。」

そんな吉見の言葉に大野投手は表情を引き締めて悠然と応えた。

「僕は吉見さんに育ててもらったと自分でも思ってますし。自分の能力にもっと早く気付くべきだったと自分でも思いますね。」

 様々な思いや感情がこもったこの言葉に、またひとつさらに強さを増していく大野投手の姿が見えた気がした。来シーズンの公約については「3年連続最優秀防御率」を掲げ、目標は「チームの優勝」と力強く断言した。吉見から託されたバトンを握りしめて、マウンドに立っていた大野雄大。このオフシーズンの間にも彼の口から発せられる言葉は熱量と確信を伴う優勝に向けた言葉だった。準備は始まっている。ペナントレースを制するためのさらなる活躍がすでに楽しみでならない。

澤村桃

画像:「サンデードラゴンズ」に出演する大野雄大投手(C)CBCテレビ

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