今週の放送

#506　2月5日

「香りを遊ぶ　源氏香」
京都府京都市（JR東海道新幹線・京都駅）

源氏香は、組香と呼ばれる香道の遊び方の一つです。室町時代の中期に誕生した香道。いくつかの香りをききわけ、違いを和歌や物語で言い表す組香の中でも、源氏物語の名を使った源氏香は、その洗練された香図（回答を記した図）と共に愛されています。

五本の線が作り出す、源氏香の図。
源氏香は、組香と呼ばれる香道での遊びの一つです。


	室町時代の中期に誕生した香道。いくつかの香りをききわけ、その違いを和歌や物語で言い表す組香が編み出されます。


江戸時代の中ごろ、特に盛んに行われたのが、源氏香です。五種類の香木から作り出した二十五の包みから、五つを取り出し、香りの違いをききわけます。


	答えを記す香図（こうず）は、同じ香りを線でつないでできる四十二通りの図柄。その一つ一つに、“若紫”や“松風”といった源氏物語の名がつけられました。組香を楽しむたび、王朝の雅が蘇る源氏香は、江戸の人々の心を捉え、洗練された香図と共に、大いに広まったと言います。


静かに香りをきき、王朝文化に思いを馳せる源氏香。優雅な時が流れます。


	お問い合わせ香老舗　松栄堂　０７５－２１２－５５９１